新たな道の創造
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0.1 遺訓
大衆教育という仕事は、確かに教える仕事であることに違いません。しかし、普通の学校で見られるような、ランプや書物を備えた、いわゆる学校や教室の中で行われるわけではありません。広汎で、複雑な、しかも、独力でやり遂げなければならない運動です。
（中略）
大衆教育の活動には、様々な不利な条件が伴い、仕事自体も辛いものです。しかも、名声とは縁遠いものです。
（中略）
大衆教育という仕事は、国家と社会に深い関係を持ち、祖国の建設に大きな役割を果たす重要な仕事です。人を英雄に仕立てるような、外聞の良い、名誉に輝く職業ではないにしても、それは、本当に重要な仕事です。
（中略）
我が同胞は、非常に勉強好きです。私達はこのことを経験しています。もし、幹部の人達が経験を豊かにしては、意見を交換して、お互いに討論していく努力をすれば、仕事は必ず成功するでしょう。
〖学習について〗（一九五六年情半期の大衆教育活動の総括会議でのホー・チ・ミン主席の訓示）〈一九五六年七月十六日〉
0.2 愛する同志と交わした約束
【一九六九年九月三日の日、伯胡（Bác Hồ。ホー・チ・ミンの敬称）の死という訃報が入り、戦友達は号泣し、自分は慟哭(どうこく)した。その日の夜、Dũng(ズゥン) とお互いに深い悲しみを慰め合いながら、士気や愛国心を高め合っていた。そして、Dũng(ズゥン) と二人で、次のような盟約を交わした。
Dũng(ズゥン) は立ち上がって、空を見上げ、そして、涙を流しながら、満面の笑みと明るい笑い声でこう言った、
「兄(アイン)よ、戦勝後、サイゴンが解放されて、祖国が統一されたら、兄弟(アインエム)二人でハノイに戻って、共産党に入党し、そして農業部門へ行って、一緒に働こう！
兄弟(アインエム)二人で、まず社会主義・共産主義を学んで、次に伯胡(バク・ホー)の思想を学んで実践することで、土水(こっか)に貢献し、そして土水(こっか)の本当の独立・自由・幸福を実現しよう！
弟(エム)が思うに、土水(こっか)の発展のためには、三つの段階を通過する必要があると思うよ。
まず、一つ目の段階は、人民が安全で充足する楽しい食生活を送れるようになること。
次に、二つ目の段階は、商品が充実して、そして売買が円滑に行われる活発的な市場が多く在ることで、人民の生活が向上すること。
そして三つ目の段階は、人民が健康な精神と肉体を共に持って、多くの様々な知識や経験を得ることが出来る教育が行われること。
土水(こっか)は「土」と「水」って言うでしょ？兄(アイン)よ、弟(エム)はこう思うんだ。
色んな物や事を容れて、万物を生み、万物を育て、万物を支えて、「道」となる「土」のように、兄弟(アインエム)二人は、人民と後世のためになる教育を行っていかなければならないと思うよ。
それから、色んな物や所に行き渡っては、生物の飲み物になったり、川になったり、海になったり、雲になったり、雨になったりして、「源」となる「水」のように、兄弟(アインエム)二人当然も、人民と後世のために、奮励努力して学習していかなければならないと思うよ。
だから、兄(アイン)よ！兄弟(アインエム)二人、そして、何人生き残れるかどうか分からないけど…全力を尽くして、他の同志達の一緒にハノイにも戻って、今度は、戦場じゃなくて、共産党で、土水(こっか)に貢献しよう！」
自分も、涙を流しながら、満面の笑みと明るい笑い声でこう言った、
「弟(エム)は本当に賢明で立派な偉人だ！兄(アイン)は本当に弟(エム)を誇りに思うぞ！兄弟(アインエム)二人で一緒に頑張っていこう！」
しかし、それから一か月半後の一九六九年十月末頃、仲間を援護や救助するために、自らの意志で殿(しんがり)として務めていた Dũng(ズゥン) は、アメリカ兵からの銃弾で足を撃ち抜かれ、そして、手榴弾によって爆死してしまい、突然、彼と死別することになってしまった。
その後、ベトナム南北統一は果たされたが、国策は大失敗に終わり、悲惨な結果となった。
一方の自分は、慢性的な心的外傷後ストレス障害と、国政と祖国の実情に対する失望を重ねていき、自分自身も含めて、誰も信じれなくなり、自殺未遂を十三回も繰り返して、自己嫌悪や自己否定ばかりの日々を過ごし、終わりの見えない深い絶望感や虚無感に脱力感、そして強烈な自殺願望を抱えながら、心身共に無気力状態に陥り、そして、一九八二年の旧正月の時、祖国に貢献する死に方を求め始めるようになった。
一九八二年の八月中旬頃、ある村に訪問し、農村の惨状を目にして、理性を失った悲憤に駆り立てられて、遂に死ぬ決意をし、農民達を救命するために、最終的に、人々の制止を振り払って、慟哭(どうこく)しながら、「ベトナム万歳！ホー・チ・ミン万歳！」と叫んで、包丁で首を掻(か)っ切って自殺した。】
＊兄(アイン)：夢の中で生じた副人格の自分「Nguyễn(グエン) Hoài(ホアイ) Minh(ミン)」。一九八二年の八月中旬頃に、前述の通り、農民を救済するために自殺した。
＊弟(エム)：上記の自分の生涯に亘る戦友・同志・心友「Thanh(タイン) Bình(ビィン) Dũng(ズゥン)」。一九六九年十月末頃、戦友達を援護や救助するために、自らの意志で殿として務めていたが、アメリカ兵からの銃弾で足を撃ち抜かれ、そして、手榴弾によって爆死した。
＊ベトナム語で、「兄（Anh(アイン)）」は年上の男性への呼び掛け方もしくは年下の人に話す時の男性の自称であり、「弟／妹（Em(エム)）」は年下の男性／女性への呼び掛け方もしくは年上の男性／女性に話す時の男性／女性の自称である。
＊ベトナム語で、「国家」は「đất(ダット) nước(ヌゥオク)」という言い方もあり、「đất(ダット)」は「土」であり、「nước(ヌゥオク)」は「水」である。
0.3 現実
ベトナムでは急速に経済発展が進んでおり、ホーチミンやハノイなどの都市部や地方都市に産業構造の変化をもたらしています。しかし、その一方で様々な環境問題が生み出されているのは事実です。
1 一つの重要な成長と達成
先週の土曜日から、ずっと伯胡に関する資料や文献、評価等について勉強し、特に伯胡に対する批判や非難、誹謗中傷等を中心に学び知った。
そして、遂にブイ・ティン（Bùi Tín）先生の二作品の味読を終えた。この二作品は、博学卓識な愛国心がこもった、ベトナム共産党ならびに国家自体を告発する傑作である。
ブイ・ティン先生、そして、日本語に翻訳して下さった明子中川先生および出版に携わった方々に、心から感謝している。
完全かつ精確とはまで言えないものの、自分は遂に、敬愛してやまない伯胡の過失や罪過を多くかつ深く学び知り、そして、伯胡に対する批判や非難をも持つことが出来るようになった。『自分』と「自分達四人」が、ここに来るまで、本当に苦しく、辛いものだった。
それと同時に、深い自己成長と一つの重要な道を歩めたという深い達成感を持ち、心から、とても嬉しく、そして、とても喜ばしく思っている。
今週末からは、以下の本の味読を開始する。
2 新たな道の創造
さて、今日、仕事を終えた後、帰宅後に、様々な文献や情報を読み漁り、そして考察を繰り返した結果、拙作『時間と徳 こよなく愛する祖国への国家論』（特巻）の概要とその体系的な理論を完成させることが出来た。
拙作『無学 時間からの知と愛』（特作）と同時に、執筆を行うことにした。なるべく『無学』の方を優先して、こちらを先に完成させることにする。
社会主義に類する政治思想のひとつ。訳者により社会改革主義や、単に改良主義と呼ぶ場合も多い。マルクス・レーニン主義と異なり革命や階級闘争を否定して労働組合、労働運動や労使協調による資本主義社会の穏健な「改良」を訴え、労働者に対する福祉や社会保障など社会政策の充実や社会資本の整備を通じて労働者の生活を改善・向上させ、福祉国家を建設することにより「漸進的に社会主義を実現できる」とする。共産主義ではない社会主義思想のひとつで、のち民主社会主義に発展した。
市場経済への規制の導入や市民の政治的権利の拡大などを主張し、社会的公正を重視する自由主義の政治思想。
資本主義経済のもたらす格差や貧困などを解消するために唱えられた社会主義思想で、暴力革命とプロレタリア独裁を否定し議会制民主主義の方法に依って議会を通して平和的・漸進的に社会主義を実現することで社会変革や労働者の利益を図る改良主義的な立場・思想・運動である。
社会主義と民主主義の両方を支持する政治哲学であり世界の社民政党の国際組織社会主義インターナショナルの指導精神である。
徳のある統治者がその持ち前の徳をもって人民を治めるべきであるとした孔子の統治論に由来する儒教の政治理念・思想。
さあ、明日もまた頑張ろう！
3 紹介文献
ありがとうございます。心より感謝を申し上げます。