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*「自由でないのに、自由であると考えている人間ほど奴隷になっている」(ゲーテ)

*「自由でないのに、自由であると考えている人間ほど奴隷になっている」(ゲーテ)

… “ Niemand ist mehr Sklave, als der sich für frei hält, ohne es zu sein. ” in Gœthe, Maximen und Reflexionen. Aphorismen und Aufzeichnungen.

しかし、現在の日本において〝奴隷になりたい症候群〟が蔓延している。

なぜなら、奴隷になることは体制への従順であることであり、多数派に属することは、ちょうど昆虫が保護色をまとい外敵から身を守ることができるからである。

◆「宗教もまた西洋風に従わざるを得ず」(福沢諭吉)

1885年(明治18年)6月、それまでキリスト教迫害の先鋒だった福沢諭吉は、時事新報で突然「宗教もまた西洋風に従わざるを得ず」という社説を掲げ、その転向が周囲を驚かせた。

福沢は、宗教の正邪は問わないという立場を維持しつつ、アジアに対する西洋の進出や条約改正に向けた「内地雑居」の準備という観点から、動物の保護色のごとく、日本が独立を維持する方便としてキリスト教を取ることもやむを得ない、として立場を改めた。

そして、西郷隆盛の弟の従道の子がロシア正教の葬儀を行い、明治政府の高官が子弟を東洋英和女学校、雙葉高等女学校などミッションスクールに入れるようになると、それが流行になった。

わが同朋たちの軽佻浮薄は、世界に冠たるものであり、だからこそ、小説家の永井荷風は、「元来日本人には理想なく、強きものに従ひ、其日々々を気楽に送ることを第一となすなり」(『断腸亭日乗』より)と慨嘆したのである。

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