ウイニングポスト9 2022 サイアーラインまとめ#ハンプトン系

 親ハンプトン系のサイアーラインをまとめていきます。
 親ハンプトン系に属する、子ハンプトン系、エルバジェ系、ゲインズボロー系、ファイントップ系についても取り扱います。
 ゲインズボロー系から分離済みのハイペリオン系については分岐が多くなるのがわかりきっているので次回。


ハンプトン系

 Hamptonは古馬になって長距離線で活躍し、グッドウッドCやドンカスターCなどを勝ちました。
 1900~1910年頃の生まれの孫~曾孫あたりの世代では日本に複数輸入されてきていたようですが、さすがに登場せず。
 登場するのは競走馬としては大成しなかったものの、種牡馬として成功を収めたBay Ronaldの系譜。
 種牡馬としては、ドイツで土着父系を築いたDark Ronaldと、自身の競走成績もさることながらGainsboroughを通じて世界に父系を発展させたBayardoのラインから登場しています。
 Dark RonaldはSon-in-Law、Prunus、Heroldを出しており、3本とも種牡馬としての登場がありますので、一大父系と呼べるだけの活力を見せていたといってよいでしょう。
 Gainsboroughを経ないラインで一番最後まで残るのが独ダービー勝ちなどのHeroldの系譜となります。

Hampton 1872
┗ Bay Ronald 1893
  ┣ Dark Ronald 1905
  ┃ ┣ Son-in-Law 1911 → サンインロー系(後述)
  ┃ ┣ Prunus 1915
  ┃ ┃ ┗ Oleander 1924
  ┃ ┃   ┣ Orsenigo 1940
  ┃ ┃   ┃ ┗ Granet(グラネット) 1947
  ┃ ┃   ┗ Pink Flower 1940
  ┃ ┃     ┗ Wilwyn(ウィルウィン) 1948
  ┃ ┃       ┗ ウィルディール 1956*種牡馬
  ┃ ┃         ┣ ダテホーライ 1965*種牡馬
  ┃ ┃         ┣ ダテハクタカ 1966*SP種牡馬
  ┃ ┃         ┗ ダテテンリュウ 1967*現役
  ┃ ┗ Herold 1917
  ┃   ┗ Alchimist 1930
  ┃     ┗ Birkhahn(ビルカーン) 1945
  ┃       ┣ Priamos(プリアモス) 1964*種牡馬
  ┃       ┃ ┗ スタイヴァザント(Stuyvesant) 1973
  ┃       ┃   ┗ ブラウンビートル 1987
  ┃       ┗ Literat(リテラト) 1965*種牡馬
  ┃         ┗ Surumu(ズルムー) 1974
  ┃           ┣ Acatenango(アカテナンゴ) 1982
  ┃           ┃ ┣ Lando(ランド) 1990
  ┃           ┃ ┃ ┗ Paolini(パオリニ) 1997
  ┃           ┃ ┗ Blue Canari(ブルーカナリ) 2001
  ┃           ┗ Platini(プラティニ) 1989
  ┗ Bayardo 1906
    ┣ Gay Crusader 1914
    ┃ ┗ Caissot 1923
    ┃   ┗ Intermezzo 1944
    ┃     ┗ Imi 1953
    ┃       ┗ Imperial 1960
    ┃         ┗ Prince Ippi(プリンスイッピ) 1969
    ┗ Gainsborough 1915 → ゲインズボロー系(後述)

サンインロー系

 Son-in-Lawはグッドウッドカップなど長距離で活躍。産駒にもステイヤーを多く排出し、リーディングを獲得するなど成功しました。
 Herbagerのラインを除くとほとんどが牝馬の父として名前だけ出てくるような状態ですが、年齢的には登場できなくはないですね。

Son-in-Law 1911
┣ Bosworth 1926
┃  ┗ Plassy 1932
┃   ┗ Vandale 1943
┃     ┣ Fric(フリック) 1952
┃     ┣ Tapioca(タピオカ) 1953
┃     ┣ Herbager 1956 → エルバジェ系(後述)
┃     ┗ Vent Du Nord(ヴァンデュノール) 1965
┣ Trimdon 1926
┃ ┗ Marsyas(マーシャス) 1940
┣ Beau Pere 1927
┃ ┗ Duplicator(デュプリケイター) 1946
┣ Rustom Pasha 1927
┃ ┗ Moslem 1942
┃   ┗ Petare 1951
┃     ┣ Sadair(サデア) 1962
┃     ┃ ┗ Sir Wiggle(サーウイグル) 1967
┃     ┗ Subpet(サブペット) 1965*種牡馬
┗ Epigram 1933
  ┗ Wyandank 1949
    ┗ Irish Whip(アイリッシュウィップ) 1967*SP種牡馬

 エルバジェ系

 Herbagerは仏ダービーやサンクルー大賞などを勝った名馬で、フランス、アメリカで種牡馬生活を送り多数の活躍馬を輩出しています。
 Grey Dawnは父系からは想定外なことに、仏グランクリテリウム勝ちなど、短~マイルの距離で活躍。産駒にもその傾向を伝えました。
 日本競馬ではシーホークがダービー含む大競争勝ち馬を排出するなど活躍。種牡馬の父としてはスタミナ色が豊富すぎてスピード化の時代には合わなかったようですね。
 ほかにコインドシルバーも多数の重賞勝ち馬を出しており一定の活躍を収めました。
 系統確立の目線では、ST系ながらスピード/パワーの因子構成で使い勝手のよいGrey Dawn、現役での種牡馬期間が長いシーホークは収録状況も十分ですので確立を狙うのもよさそうです。コインドシルバーも収録産駒数はやや不足していますが、多少の自家生産で確立ラインには届きそうですね。

Herbager(エルバジェ) 1956*種牡馬
┣ Grey Dawn(グレイドーン) 1962*種牡馬
┃ ┣ Cloudy Dawn(クラウディドーン) 1969
┃ ┣ Vigors(ヴィガーズ) 1973
┃ ┃ ┗ Air de Cour(エールドクール) 1982
┃ ┣ モーニングフローリック(Morning Frolic) 1975
┃ ┃ ┣ キングフローリック 1983
┃ ┃ ┗ バンブーメモリー 1985
┃ ┣ Swing Till Dawn(スイングティルドーン) 1979*種牡馬
┃ ┃ ┗ Fly Till Dawn(フライティルドーン) 1986
┃ ┣ Tough Critic(タフクリティック) 1979
┃ ┣ Bounding Basque(バウンディングバスク) 1980
┃ ┃ ┗ Basqueian(バスケイアン) 1991
┃ ┣ Purple Mountain(パープルマウンテン) 1982
┃ ┗ Tarr Road(タールロード) 1983
┣ Appiani(アピアニ) 1963*種牡馬
┃ ┗ Star Appeal(スターアピール) 1970*現役
┃   ┗ Star Way(スターウェイ) 1977
┃     ┣ Waverley Star(ウェイバリースター) 1982*セン
┃     ┗ Sky Chase(スカイチェイス) 1984
┃       ┗ Saintly(セイントリー) 1992*セン
┣ Lionel(ライオネル) 1963*種牡馬
┃ ┗ Meautry(モートリー) 1970*現役
┣ シーホーク(Sea Hawk) 1963*種牡馬
┃ ┣ エリモホーク(Erimo Hawk) 1968*種牡馬
┃ ┣ Teotepec(テオテペック) 1971
┃ ┣ Bruni(ブルーニ) 1972
┃ ┣ Matahawk(マタホーク) 1972
┃ ┣ スズカシンプウ 1975
┃ ┃ ┗ カツノコバン 1984
┃ ┣ モンテプリンス 1977
┃ ┃ ┗ グレートモンテ 1985
┃ ┣ トラストホーク 1978
┃ ┣ モンテファスト 1978
┃ ┣ ジュサブロー 1982
┃ ┣ スダホーク 1982
┃ ┣ ロンスパーク 1982
┃ ┣ アイランドハンター 1983
┃ ┣ ウィナーズサークル 1986
┃ ┣ カチウマホーク 1986
┃ ┗ アイネスフウジン 1987
┣ Dike(ダイク) 1966*種牡馬
┣ The Pruner(ザプルーナー) 1967*種牡馬
┃ ┗ Tunerup(テューナラップ) 1976
┣ Big Spruce(ビッグスプルース) 1969*現役
┣ ヤマニン(Yamanin) 1972
┃ ┣ シャイニングルビー 1980
┃ ┗ トレードマーク 1982
┣ コインドシルバー(Coined Silver) 1974
┃ ┣ テツノカチドキ 1980
┃ ┣ ビンゴカンタ 1980
┃ ┣ ダイゼンシルバー 1981
┃ ┣ アサヒエンペラー 1983
┃ ┣ マイネルグラウベン 1985
┃ ┣ エーコーシーザー 1985
┃ ┗ トウカイタロー 1990
┗ Tiller(ティラー) 1974*セン

ゲインズボロー系

 トウルヌソルは1935年~39年の日本におけるリーディングサイアー。その産駒であるクモハタは内国産種牡馬として初のリーディングサイアーに。その後もメイヂヒカリ→オーシャチ→アイアンハートと重賞勝ち馬が続いています。トウルヌソル、クモハタとも種牡馬として活躍しましたが活躍時期が73年では1世代、2世代前という感じで、他の登場は難しそうですか。
 牝馬の父としてはSolarioやEmboroughを経た系統からも登場しますが、種牡馬や競走馬としての登場はなし。

Gainsborough 1915
┣ Solario 1922
┃ ┣ Dastur 1929
┃ ┃ ┗ Dhoti 1936
┃ ┃   ┗ Royal Gem 1942
┃ ┃     ┣ Dark Star(ダークスター) 1950
┃ ┃     ┃ ┗ My Dad George(マイダッドジョージ) 1967
┃ ┃     ┗ ロイヤルスティング(Royal Sting) 1953
┃ ┗ Straight Deal(ストレイトディール) 1940
┣ トウルヌソル(Tournesol) 1922
┃ ┗ クモハタ 1936
┃   ┗ メイヂヒカリ 1952
┃     ┗ オーシャチ 1960
┃       ┗ アイアンハート 1971
┣ Artist's Proof 1926
┃ ┗ Fine Art 1939
┃   ┗ Fine Top 1949 → ファイントップ系(後述)
┣ Hyperion 1930 → ハイペリオン系(以下略)
┗ Emborough 1932
  ┗ Bernborough 1939
    ┗ Berseem(ベルシーム) 1950

 ファイントップ系

 フォレ賞などを勝ったFine Topの系統。直仔の牝馬も登場します。
 登場するのは仏ダービーやパリ大賞典を勝ったSanctusを経たのがほとんど。ディクタス→サッカーボーイと21世紀入り口までは後継が繋がります。
 唯一の例外トピオは凱旋門賞勝ち馬ですが、75年に早世。ミスターシービーの母父としての方が有名かもしれません。

Fine Top(ファイントップ) 1949
┣ Sanctus(サンクタス) 1960*種牡馬
┃ ┣ ディクタス(Dictus) 1967*種牡馬
┃ ┃ ┣ スクラムダイナ 1982
┃ ┃ ┣ ミスターブランディ 1982
┃ ┃ ┣ ダイナチョイス 1984
┃ ┃ ┣ サッカーボーイ 1985
┃ ┃ ┃ ┣ キョウトシチー 1991
┃ ┃ ┃ ┣ ゴーゴーゼット 1991
┃ ┃ ┃ ┣ サウンドバリヤー 1992
┃ ┃ ┃ ┣ ナリタトップロード 1996
┃ ┃ ┃ ┣ スーパージーン 1998
┃ ┃ ┃ ┣ ヒシミラクル 1999
┃ ┃ ┃ ┣ ブルーイレヴン 2000
┃ ┃ ┃ ┗ アイポッパー 2000
┃ ┃ ┣ ディクターランド 1985
┃ ┃ ┗ ムービースター 1986
┃ ┣ Stratege(ストラテジ) 1968*SP種牡馬
┃ ┣ ゲイサン(Gay Saint) 1969*種牡馬
┃ ┃ ┗ パッシングサイアー 1979
┃ ┗ サンシー(Sancy) 1969*現役
┃   ┣ サンシードール 1977
┃   ┣ ハツノアモイ 1981
┃   ┣ ニッポースワロー 1981
┃   ┣ トウショウサミット 1982
┃   ┣ キリサンシー 1985
┃   ┗ トウショウバルカン 1986
┗ トピオ(Topyo) 1964

 次回はハイペリオン系。
 ハンプトン系の倍の分量で済むかどうか……。