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J2第35節 V・ファーレン長崎戦 レビュー

前節金沢に勝ち、3連勝とした甲府。
今節の相手は4位長崎。
昇格レース生き残りを掛けた一戦となる。

1.スタメン

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甲府
スタメンは前節から2人変更。
中村と関口に代わって宮崎と荒木を起用した。
また、ベンチには2種登録選手の内藤大和が入った。
出場、得点すればどちらもクラブ最年少記録となる。

長崎
前節から3人変更。
前節欠場した植中、エジガルジュニオが復帰し、出場停止の新里に代わって二見を起用した。
U22日本代表に選ばれた加藤聖、元日本代表の玉田圭司、元コロンビア代表のビクトルイバルボがベンチに控える。

2.気合120%

甲府が風上を取った試合は長崎がボールを握り、甲府がアグレッシブにプレスに出ていく入りとなる。

しかし、そのアグレッシブさが仇となり立ち上がりにいきなり失点を許す。

長崎はFKから素早く左サイドの米田へと展開し、米田の縦への仕掛けからクロスを上げると植中がダイレクトで合わせ長崎が先制する。
きっかけは山田がカイオセザールを倒したことから。
立ち上がりに相手のキーマンに厳しく寄せることで嫌なイメージを与えたかったのだろうが、必要なファールでは無かった。

試合後の植中朝日選手のコメントより。

『練習でここが空くとかそういうことはなかったんですが、相手は5バックになったりするので、ちょっとマイナスが空くなというふうに個人的には思っていました。そこで待っていたら米田(隼也)選手が良いクロスを上げてくれたので、2人の関係で決めることができました。』

チームとして狙っていたわけではないようなので植中の嗅覚、クロスに合わせる技術の高さを見せた。

試合後の新井涼平選手のコメントより。

『長崎は前半の早い時間帯にパワーを持って先制点を取りにくるという情報がある中で、その形通りにやられた。』

立ち上がり長崎の勢いを受けたわけではない。
同じようにパワーを持って向かって行ったが、それが逆に仇となってしまった。

先制を許した甲府がボールを持つ展開へと変わる。

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スタートはこの形でボールを保持していた甲府だが、10分に長谷川と宮崎のポジションを入れ替える。

試合後の伊藤彰監督のコメントより。

『最初にやられる前に相手のダブルボランチが我々のボランチにバチバチ来ていたので、その背中は空いているなと感じていました。最初は(宮崎)純真をワイドに立たせ、そこでディフェンスラインの裏を狙っていたのですが、サイドまで持っていけませんでした。あと相手のボランチのプレッシャーが激しかったこともあり、最初の入りはスリーバックで山田をアンカーに入れたのですが、(新井)涼平をアップさせてツーセンターバックにし、(野津田)岳人を少し左のホールに立たせ、元希を相手のボランチの間とか背中でフリーにさせながら、純真をインサイドに入れて相手のボランチを行かせないようにするのとそのライン間でプレーさせること、この辺を改善しました。』

長谷川と宮崎の位置を入れ替えただけでなく、立ち位置も変化させる。

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立ち位置を入れ替えたことがすぐに結果として現れる。

ポジションを入れ替えた宮崎が長崎の江川と米田の間を抜け出す形で背後へ飛び出す。
そこへ荒木からパスが出て得たスローインがきっかけとなった。
そのスローインから山田、野津田、新井と繋ぎ新井から長谷川へ縦パスが入る。
反転した長谷川が右のアウトサイドで放ったシュートはポストに当たってしまうが、跳ね返りに自ら詰め甲府が同点に追いつく。
前回対戦時に決定機を逃し、試合後には涙も見せた長谷川だったがその時の悔しさを晴らす形となった。

この入れ替えがその後も成功したことは以下の植中のコメントを見るとわかる。

試合後の植中朝日選手のコメントより。

『相手がビルドアップするときに2トップでプレッシャーを掛けにいったときに、ウイングバックに出したときにボランチの選手がどうしても空いてしまった。ウイングバックに出たときに、ワンタッチでボランチに入れられて前を向かれることが多かった。そこでもうちょっと何かできたんじゃないかと思いました。』

狙いが嵌ったこともあるが、全体的に今節の長崎は選手間の距離が遠くなっていたように思う。
勝たなくてはいけない中で前線からの強度を高めて試合に入ったが、結果的に強固な守備ブロックを自ら広げてしまうこととなってしまう。
また、甲府のWBが逆足配置になったことも大きかった。
特に荒木が狙っていたがCBからのパスをダイレクトで中央へ送るプレーが見られた。
これにより植中のコメントにあったボランチに前を向かれる場面を作れていたわけだが、甲府のボランチに長崎のボランチが圧力を掛けていくとなると長崎のボランチの背後が空いてしまう。
そうなると中央にポジションを取るリラや長谷川、宮崎に起点を作られてしまう。
また、ウェリントンハットがボールに食いつく傾向もあり、鍬先の脇が空くこともあった。
WBへのボールに対してはSBが出ていき、SHが中央を締めることで対応することも可能であったが今度はSBの裏が空いてしまい、宮崎が積極的に背後へのランニングを繰り返していたため背後を突かれてしまう。
甲府のビルドアップや立ち位置を大事にしたサッカーの積み重ねが、長崎の守備を混乱に陥れることとなる。

選手の配置を動かすことで同点に追いついた甲府は前からの守備も機能し、長崎が思うようにボールを保持できない。

試合後のカイオセザール選手のコメントより。

『ビルドアップについて言えば、蹴らずにつなぐことを練習してきました。風が吹いていたかもしれないですが、それでも、できたと思います。ちょっと蹴ってしまった試合になってしまった。ロングボールの多い試合になると、自分たちのサッカーがあまり見せられないと思っている。』

カイオセザールのコメントにあるようにビルドアップで苦労する。
この要因は甲府は長崎の右サイドにボールを運ばせるような形で前から牽制を掛けたこと。

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右のCBが左利きの二見ということもあり、内からプレスを掛けていくことで窮屈にボールを持たざるを得なくなる。
象徴的な場面は19分のゴールキックの場面。
GKの富澤から二見に繋ぎ、ビルドアップを開始したがリラが左サイドを切る形でプレスを掛けていく。
これに合わせ、野津田が縦パスのコースを切ることで二見に残された選択肢は右SBの毎熊への横パスと利き足でない右足からのロングパスとなる。
この場面では毎熊への横パスを選択し、そこへ長谷川が中央を消しながら縦パスを誘導すると須貝が狙いを定めインターセプト。
CBに左利きが2人並ぶことを利用した形で甲府の前からのプレスが機能する。
また、狙い所とされたウェリントンハットはイライラも募り、その後プレーに集中できない場面が度々見られた。

ビルドアップで前進が図れるとSBが幅を取り、中央に前線4人とボランチのカイオセザールが絡み厚みのある攻撃を仕掛けていくのが本来の長崎だが今節は上手くいかない。

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試合後の植中朝日選手のコメントより。

『思っていたよりも堅かったというのに近かったですが、想像していたようにタイトに中を閉められていた。そこからの攻撃がなかなか、工夫ができなかったというか、相手がこう来るならこういうアイディアがあるかもというものが共有できなかった。』

植中のコメントにあるように中央を堅く守る甲府に対し、中央を破れなかったがサイドから攻撃を仕掛けていきたくてもボールの奪いどころとされてしまい機能しない。

30分には宮崎のミドルシュートから甲府がゴールに迫る。

野津田からのパスをライン間で受けてミドルシュートを放つが枠を捉えられず。
宮崎のミドルシュートはアウトに掛かる傾向にあり、右寄りの位置でパスを受けると枠を外れてしまうことが多いように思う。
左サイドからカットインしての形の方が得意ではないか。

32分に野津田とカイオセザールの接触によって試合が荒れ模様となってしまう。
競り合いの際にカイオセザールの肘が野津田の頭に入り、両ベンチがヒートアップする。
個人的には危険なプレーであると思う。
カイオセザールは先に飛んだとアピールはしていたが、明確に野津田の方が遅れていたようには思えなかった。
ただ、長身のフィジカルが強い選手には得てして起こりうることでもある。
野津田がその後プレーを続けられたことは良かった。
だが、甲府ベンチの対応は良くなかったように思う。
伊藤監督は長崎ベンチに向けて激しい言葉を掛けていた。
渋谷コーチも三上主審にレッドカードではないかとしきりにアピールしていた。
気持ちはわかるが、このようなアピールからは何も生まれない。
印象が悪くなるだけである。

37分にはデザインされたセットプレーからチャンスを作る。

右サイドからのCKで野津田が荒木へと短く繋ぎ、横パスから宮崎がスルーして須貝が狙う形を作るが長崎に読まれてしまい阻まれる。
だが、セカンドボールを拾うと右サイドの荒木から逆サイドに残っていたメンデスへ。
胸トラップからシュートを放つが、江川がスライディングで対応する。

アディショナルタイムには今度は甲府が危険なプレーを行ってしまう。
リラが江川に対し、遅れてタックルに行くような形となる。
自身へのマークがキツくフラストレーションを溜めているような素振りも見せていたが、このプレーはしてはいけない。
江川に対して脳震盪のチェックを行うと三上主審の声が聞こえてきたが、無事であって良かった。

立ち上がりからお互いに気合が入った試合であったが、良い面も悪い面も出た前半となった。
だが、昇格レース生き残りを掛けた試合にふさわしい見応えのある前半でもあった。

3.夢叶う小瀬

共に選手交代は行わなかったが、長崎はボランチの左右を入れ替えて後半に入る。
狙いはウェリントンハットの空けた背後のスペースをカイオセザールに埋めさせることか。

最初のチャンスは甲府。

CKで攻め残ったメンデスへ荒木から対角線のクロスが入り、競り勝つと新井が抜け出しシュートを放つ。
前半にも似たような場面はあったが、長崎DFラインが高さが無いことを利用した攻撃を見せる。

長崎が53分に最初の交代を行う。
名倉に代えてイバルボを投入する。

試合後の松田浩監督のコメントより。

『コンディションがどんどん上がってきていて、トレーニングでも相手に脅威を与えるようなプレーができていたので、そのあたりを期待していました。前半に同点に追いつかれてから少し、押されるようなムードもあった。空気を変えるというか、パワーを持つ選手を入れて流れを変えようかというところも含めての起用でした。』

リスクを掛けてでも勝点3を取りに行く姿勢を打ち出す。

イバルボを投入したことで長崎は前線に4人が張るような形となる。

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イバルボはサイドに張って幅を取るが、ウェリントンハットは自由にポジションを変えながらボールに絡むことを狙う。
両サイドの選手が攻め残りすることもあり、中盤はオープンな場面が増えていく。

後半も前半同様に球際での争いが激しい展開となるが、ハーフタイムで共に頭を冷やすことができたのかクリーンなバトルが多くなる。

62分に河田を含めてビルドアップを行うが、河田のパスを奪われピンチとなる。
クロスを入れられるが新井がクリアをし、難を逃れる。
すると今度は甲府が逆サイドへ展開すると須貝が仕掛けペナルティエリアまで侵入する。
自陣でビルドアップすることのメリットもデメリットも出た場面。
自陣でボールを持つことを恐がる人も多いが、回避できると広大なスペースが用意されている。
今節の甲府は長崎のブロックを引き出すために河田が積極的にビルドアップに参加していた。

すると65分に甲府が逆転に成功する。

この場面もウェリントンハットの不用意なファールがきっかけとなった。
河田からのFKをリラが競り、セカンドボールを拾った山田から左サイドへ展開。
ウェリントンハットがボールウォッチャーとなった隙に須貝が背後を取り、野津田からパスを受けるとクロス。
リラがワンタッチで合わせ、甲府がリードする。
前半は厳しいマークに合い、潰されるシーンも多くフラストレーションを溜めていたが一発で結果を残した。

試合後のウィリアン リラ選手のコメントより。

『トレーニングで同じようなシーンが二度あったので、クロスに対するイメージがありました。トレーニングの成果だと思います。』
『FWとしてはワンタッチで打ったほうが、相手のGKは反応しにくいという考えがあります。良いボールが入ってきたのでワンタッチでシュートを打つことを優先しました。』
『今日は特別な試合。ビッグマッチ。直接対決で希望がある、夢がある試合になった。3週間前に私の兄が亡くなり、いろいろな思いがあったが勝ち切れて良かった。』

想いが詰まったゴール。
甲府サポーターには伝わった。
天国の兄にも届いただろう。

逆転を許した長崎はビルドアップの際の立ち位置に変化をつける。

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右サイドでウェリントンハットへのパスコースを空けるために毎熊が内に入る形も見せる。
これまではウェリントンハット以外はポジションを崩すことはあまり無かったが、変化をつけ前進を試みようとする。

74分に共に選手交代を行う。
甲府は長谷川と野津田に代えて中村と野澤を投入する。
一方の長崎はウェリントンハットとエジガルジュニオに代えて加藤と都倉を投入する。
中盤の選手を入れ替え、運動量と強度を高める甲府とキックの精度の高い選手と高さのある選手を入れ得点を取りにいく長崎。
また、この直前から甲府は守備ブロックを下げ始め1点を守りきりにかかる。

右サイドから連続してクロスを入れていくと76分には都倉が決定機を作る。

毎熊からパスを受けた鍬先のクロスに都倉が合わせるが、クロスバーに救われる。

守備ブロックの位置は下げたが、前からボールを奪いにいく姿勢は変えない甲府。
全体が連動してボールにアプローチしていくため、長崎も思い通りに前進が図れない。
長崎としてはボールを運べると右サイドに移った米田の推進力を活かし、クロスを入れることはできるが甲府の守備陣の集中力の前にシュートまで行けない。

84分には足を攣った宮崎に代え、山本を投入する。
野澤がシャドーに上がり山本がボランチに入った。
宮崎は全てを出し切ったと言える。
攻撃で目立つ場面は多くなかったが、守備での貢献度は高かった。
特に宮崎のプレスバックが無ければカウンターを喰らっていた場面もいくつかあり、未然にピンチを防ぐことに貢献していた。

90分には足を攣ったリラに代え、内藤を投入する。
クラブ最年少出場となり、期待の選手の登場とスタジアム全体が盛り上がりを見せた。

試合後の伊藤彰監督のコメントより。

『まずはリラが足を攣って走れなくなっていました。そこで(内藤)大和が入る時に、「前への推進力」と「プレッシャーを掛ける事」ここを「思いっきりやってくれ」と伝えました。今日出たことは良いタイミングだったというか、日頃から真摯にトレーニングを行っていますし、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれています。ここで使おうという気持ちにさせてくれたこと、これは彼が掴み取ったことだと思います。彼の第一歩を踏み出しことにおめでとうと言いたいです。』

使おうという気持ちにさせたのは日頃の内藤の練習でのパフォーマンスが大きいのはわかる。
だが、この大一番の緊迫した局面で使う判断ができる伊藤監督の決断も見事である。
内藤にとってはこの雰囲気でのデビューは忘れられないものとなるだろう。
ここがゴールではない。
この先、内藤の得点で勝利する甲府をたくさん見たい。

投入された内藤が前線から積極的にプレスを掛けてくれることもあり、DFラインも押し上げことができ長崎はゴール前にボールを入れていくことができない。
やっとの思いでクロスを入れてもメンデスが立ちはだかり、都倉やカイオセザールと高さのある選手はいるものの効果的とはならない。

このまま試合は終わり、1点差を守りきった甲府が激闘を制した。

試合後の伊藤彰監督のコメントより。

『今日のこの決戦に約5,700人の方々に来ていただいて本当に嬉しく思います。また直接対決で勝ってみんなで喜べたことも非常に嬉しく思います。』
『前半からお互い激しく気持ちやコンディションなどの色々なものをぶつけ合うゲームだったので、我々が勝ちましたけど、どちらに転んでもおかしくないゲームだったと思います。一瞬の隙で我々がゴールを奪い、また今日のテーマであった「左サイドからのクロスに対して右から入ってくる」というところでもゴールを取れたので嬉しく思っています。最後まで河田や(新井)涼平を中心にディフェンスラインがすごく踏ん張ってくれたので、実りある勝ち点3だったなと思います。』
『1点目の追いついた時間帯が良かったと思います。リードされる時間が長く続いていればもっともっと苦しくなっていたと思います。すぐに追いつけたことは、選手たちの落ち着いたプレーやメンタルなどが良かったからだと思います。ただ年間通して「逆転勝ちが今まで無かったこと」「引き分けまでしか行けなかったこと」「勝ち点1しか取れなかったこと」これらは年間通して課題でした。しかし残り数試合のところでチームが成長して逆転を掴み取ったことや、選手たちが成長し力をつけてきたことに私も感動しています。これからもっともっと強くなっていかないといけないと思いますので、先に取られるよりも、先に取って盤石の状態で勝てるゲームにしていく必要がこの先あると思います。』

この大事な終盤戦で今シーズン初の逆転勝利。
頭打ち感が漂った時期もあったが、ここに来てチームは成長を見せている。
まだまだ成長の余地はあり、歩みを止めてはいけない。

試合後の新井涼平選手のコメントより。

『脅威を与えながら終わらせる試合もあったが、今日はゴール前でブロックを作って全員が自陣に戻って結果を出せた。戦い方に幅が出たことに経験や積み上げがあると思う。』

試合後のガッツポーズを見てもいかにこの試合に掛けていたか気持ちが入っていたかがわかる。
終盤は自陣でブロックを敷き構える戦い方の中でも新井の存在感は光った。
新井のパフォーマンスが良い時の甲府は強い。

試合後の松田浩監督のコメントより。

『重要な一戦で、勝点が取れないということで非常に残念な気持ちでいっぱいです。うまいこと先制できて、アウェイに乗り込んで良い入り方ができたという印象だったんですが、そこで畳みかけて追加点を、というチャンスがあったところでちょっと気を緩めてしまったようなところが残念だなと思うところです。そういうことになると相手もかなり強い気持ちでこの試合に懸けてきていたので、段々とペースがきっ抗してきて、同点に追いつかれたということであとは一進一退かなという感じになったところがちょっと残念なところです。選手たちは最後まで気持ちを見せてくれましたし、甲府さんも勝ちたい気持ちが非常に表れていた。そういうところが甲府さんのほうが上回ったのかなというような感じですかね。あとはリトリートした相手を崩して、なんとか同点にというところでもっともっと精度を上げていく必要があるかなと思っています。』

伊藤監督のコメントにもあったが、拮抗した試合であった。
どちらに転んでもおかしくは無い試合は甲府の方が気持ちで上回ったのかもしれない。

試合後のカイオセザール選手のコメントより。

『練習でやったことが出せなかった。特に前半、空いた部分がありました。個人の気持ちとしては正直、非常に悲しいです。ここに勝利を求めて来たのに、負けてしまったので非常に悲しいです。残りの可能性は非常に少ないですね。』
『自分にしてもクワ(鍬先 祐弥)にしてもボールを失っていないので、もっともっとつなぐことができたと思います。J1に上がるチーム、J1でプレーするチームはボールをよく動かして、怖がらずにやる部分があると思います。相手がプレスに来ても、しっかりキープできるとか、違うところが見えているからはたくことができるとか、クオリティーが高いと思います。そういうところを考えると、もっと自分たちの試合をやらないといけなかったと思います。』

長崎のクオリティーが低かったとは思わないが、当事者としてはまだまだであったということだろう。
大事な終盤戦で強い長崎と戦えたことは良かった。

奇跡が起きるかもしれない。
そんな雰囲気を感じさせるJITリサイクルインクスタジアムであった。
最終節小瀬で夢が叶うことを信じ、戦い続けよう!

4.MOM

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荒木翔
得点もアシストも無かったが、攻守両面で存在感を見せた。
守備ではテクニックのある名倉、スピードもパワーもあるイバルボとタイプの違う選手とマッチアップしたがいずれの選手にもチャンスは作らせず。
攻撃面では逆サイドへ展開やクロスと正確なキックでチャンスを演出し、立ち位置を動かし長崎の守備に捕まらず前からのプレスを無効化する働きを見せた。
目立った活躍はしていないかもしれないが、荒木の存在が無ければ結果は違っていたかもしれない。

5.あとがき

昇格レース生き残りを掛けた一戦でチーム、サポーター全員で掴んだ勝利。
今シーズン初の逆転勝利、幼い頃から期待され続けた内藤大和のデビューと勢いが付く最高の勝利となった。
今節のような一体感を持った小瀬の雰囲気が大好きなだけに残り3試合となったホームゲームも全勝といきたい。
まずは次の東京ヴェルディ戦。
一戦一戦積み重ね、奇跡を起こしたい。

長崎は追いかける立場で無ければ今節のような戦い方はしていなかったのではないかと思う。
リスクを掛けた結果が上手くいかなかった。
この強いチームでも昇格圏と差が開いていると思うとJ2リーグは恐ろしいリーグだと再認識した。
磐田戦が残っているだけに期待したい。

磐田も京都も勝点を落とし、徐々に差は縮まり始めた。
だが、まだまだ現実的な差では無いと思う。
それでも甲府はまだ死んでいない!
俺たちは強い!!
諦めず最後に笑えるシーズンとしたい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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