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J2第4節 モンテディオ山形 プレビュー

前節長崎に勝利を収め、今シーズン初勝利を挙げた甲府。
今節はホームに山形を迎え、連勝を目指す。

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1.対戦成績

甲府から見て15勝11分20敗と負け越している。
だが、ホームでの成績を見てみると印象は変わる。

10勝7分6敗と勝ち越している。
ホームでの山形戦は得意と言っても良いだろう。
直近の成績も見てみたい。

直近10試合では4勝4分2敗と相性は良い。
ここ3試合は負けておらず引き分けに終わった前々回の対戦も終了間際まで勝っており、相性という面では悪い印象は無い。

2.前節

甲府

https://www.jleague.jp/match/j2/2022/030505/live/

開幕から2試合勝ちが無い同士の一戦はホームの長崎が先手を取る。
前半に追いついた甲府が後半にもゴールを決め、逆転勝利を挙げた。
試合内容については以下のレビューをご覧ください。

山形

https://www.jleague.jp/match/j2/2022/030611/live/#live/

前節同様のメンバーで臨んだ一戦。
立ち上がりは山形が千葉陣内でプレーする時間が多くなる。
5分には千葉に決定機を許す。
左サイドからサウダ−ニャがクロスを上げると櫻川がヘディングで合わせるが、クロスバーに当たり難を逃れる。
決定機こそ許したものの試合の流れは山形が掴む。
山形のパスワークの前に千葉はボールを奪いに行くことができないが、山形もボールは持てるが決定機を作ることができず、ピッチ中央でボールが動く展開が多くなる。
静かな展開ながら山形のパスワーク、千葉の堅守が前面に出たゲームとなる。
37分に千葉がCKからチャンスを作る。
見木のキックに後ろから遅れて入ってきた福満が合わせるが、惜しくも枠には飛ばず。
ボールこそ持てた山形だが、前半は千葉のペースで進んだ試合と言えるだろう。
共に選手交代が無く、後半が開始される。
立ち上がりは前半同様に千葉の守備ブロックの外でボールを回す展開が続く。
千葉の532で構えるブロックに対し、山形はSBの位置ではボールを持てるがブロックの中に入っていくことができない。
徐々に千葉を押し下げていく山形だが、シュートにまで繋げることが出来ない。
60分にはCKからチャンスを作るが千葉の粘り強い守備を打ち破れず。
63分には千葉が佐々木のFKから直接ゴールを狙うが、壁に当たりCKに逃れる。
試合を動かしたい山形は66分に3人の交代を行う。
加藤、吉田、横山に代えて河合、山田拓巳、國分を投入する。
70分には南がミドルシュートを放ち、千葉のDF陣が出てくることを狙う。
千葉は73分に櫻川ソロモンと小島に代えてブワニカ啓太と篠原を投入する。
千葉がカウンターからチャンスを増やしていく展開が増えるが共に決定機は作れず。
85分には共に選手交代を行う。
千葉がチャンミンギュと西久保に代えて風間とユース所属の矢口を投入する。
一方の山形はふじもとに代えて木戸を投入。
89分には山形が藤田に代えて岡崎を投入する。
そのまま千葉が守りきった形で引き分けに終わった。

3.今季成績

両チーム比較

https://www.football-lab.jp/comparison/team/2022/150/2022/294/

共に1勝1分1敗の勝ち点4となっている。
甲府は毎試合得点を挙げているが、失点も毎試合喫している。
開幕戦の4失点の影響もあり、リーグワースト2位の6失点と守備の立て直しは急務となる。
一方の山形は3試合で失点は1と堅守を誇っている。
開幕戦こそ失点をしたが、2試合続けて完封中である。
得点は3試合で3ゴールを挙げているものの2節の熊本戦で決めたもので残り2試合は完封されている。
継続的に得点を重ねていけるかが今後のポイントとなりそうだ。

甲府

https://www.football-lab.jp/kofu/

相手を押し込んでいる印象はある甲府だが、データ上でも現れていることがわかる。
30mライン侵入回数はリーグ3位、CK獲得数は4位、シュート数、ゴール数も5位と攻撃面においては成果は出ていると言えるだろう。

https://www.football-lab.jp/kofu/

こちらのデータを見てもチャンス構築率はリーグ2位とチャンスは作れている。
毎試合点が取れている一方、追加点が取れずに勝ち点を逃した前々節の大分戦。
その要因として枠内シュート数の少なさが挙げられるのではないか。
リーグ5位のシュート数に対して枠内シュート数は11位とシュート数の割には少なくなっている。
シュートの精度向上が得点力アップに繋がるのではないか。
また、クロス数はリーグ7位の17.7本であるが、リーグでも下から数えた方が早い成功率となっている。
クロスに繋げる形まではできているだけにクロスの精度やゴール前への入り方を工夫出来ればクロスからの得点も増えそうだ。

一方で被シュート本数はリーグ3位とシュートは打たれておらず、被攻撃回数も3位、被チャンス構築率は4位とデータ上はリーグトップクラスの数値は残している。
だが、被シュート決定率はリーグワーストとワースト2位の6失点を喫している要因となっている。
だが、アクシデント的な失点も多く今後は失点数も減っていくのではないかと思われる。

山形

https://www.football-lab.jp/yama/?year=2022

パス数、30mライン侵入回数はリーグトップ、インターセプト数、ボール支配率がリーグ2位、クロス数、コーナーキック数、オフサイド数はリーグ3位とアグレッシブさが数字として現れている。
一方でパス交換をした数を見てみると少し印象は変わってくる。

https://www.football-lab.jp/yama/ranking/

いずれもボランチから後方の選手であり、ボール保持が高い位置で行えていない印象も数字からは受ける。
ただし、敵陣でのプレー割合を見てみると秋田、甲府に次いでリーグ3位となっておりDFラインでのパス交換とはいえ敵陣で行えていることもわかる。

https://www.football-lab.jp/yama/

ご覧のように自陣でのプレー割合はリーグ平均と比べて少なくなっていることがわかる。

また、データ上はアグレッシブなことが伺えるが、昨シーズンと比較してみるとバランスが良くなっているとも言える。

https://www.football-lab.jp/comparison/team/2022/294/2021/294/

攻撃的な数値はいずれも下がっているが、守備的な数値はいずれもプラスとなっている。
攻守のバランスは昨シーズンよりも増している。

4.予想スタメン

甲府
前節と同じメンバーと予想した。
離脱していた選手も続々と復帰してきたようだが、2試合続けて好パフォーマンスを披露しているメンバーを変更する必要はないのではないか。
ベンチには新井や鳥海が戻ってくる可能性もありそうだ。

山形
こちらも前節と同じメンバーと予想した。
開幕から藤本を除いた10人は固定されており、クラモフスキー監督もメンバーを固定する傾向にあるだけにベースは変わらないだろう。

5.注目選手

甲府

https://www.jleague.jp/player/1632206/#attack

野澤陸
プロ2年目となるが、昨シーズンは同期の須貝や鳥海、関口、長谷川が活躍する中で出場は1試合、出場時間はわずかに6分とチャンスを得ることが出来なかった。
今シーズンは開幕戦でプロ初スタメンを飾り、ここまで3試合連続でスタメン出場を続けている。
持ち味であるビルドアップでの貢献度が光り、ここまでの活躍は充分なものと言えるだろう。
その中で離脱していた新井や北谷が復帰し、来週にはレナト・ヴィスキも合流するという報道が出た。
今後はより厳しい競争が予想される中、ポジションを手放さない活躍に期待したい。

山形

https://www.jleague.jp/player/1604300/#attack

山田康太
今シーズンは完全移籍に移行しての残留となった。
横浜F・マリノスから昨シーズン期限付きで加入したが、町田ゼルビアに移籍した吉尾海夏や同じく山形に移籍した樺山諒乃介も同様に期限付きで出場機会を模索し今シーズン横浜に戻ったのに対して山田は山形残留を決めた。
横浜では同ポジションを務めていた彼らと比較し、吉尾には数字で劣り樺山とは年齢的なこともあり横浜に戻ることは無かったと推測できる。
だが、現状山形に残った山田がチームで絶対的な存在なのに対して復帰した2人の出場機会は多くは無い。
1年遠回りとなるかもしれないが、自身の活躍で山形をJ1に導けば選手としての価値は一気に上がるだろう。
ここまでは目立った活躍は見せられていないが、今節をきっかけに上昇気流に乗りたい。

6.展望

ピーター・クラモフスキー監督といえばアタッキングフットボール。
山形就任前の清水エスパルス時代には超攻撃的なサッカーを標榜していた。
昨シーズンから指揮を取る山形でも攻撃的な姿勢は変わらないが、コーチを務めていた川井健太(現サガン鳥栖監督)の影響もあるのか守備を蔑ろにすることは無くなった。
その傾向は今シーズンより顕著に現れている。
先程紹介した昨シーズンのデータとの比較から見ても伺えるが、理由として今シーズンから新たにコーチに就任した渡邉晋コーチの存在も大きいはずだ。
中原輝(現セレッソ大阪)が移籍した影響もあると思われるが、自慢のアタッキングフットボールに怖さは無くなってしまった印象もある。
反面、手堅く戦えるようにはなりシーズン通して勝ち点を稼いでいくには良い方向に進んでいるようにも感じる。
だが、前節はジェフ千葉にゴール前を固められ崩すことが出来ずに得点を奪うことが出来なかった。
山形の攻撃面における特徴はタッチライン際に張り出したアタッカーからの突破にある。

ボール保持時の山形は433気味に構え、両サイドからの突破を狙っていく。
加藤、横山共に縦への突破に優れたドリブラーであるが、この突破を止めることが出来れば山形の脅威は半減する。

また、タッチライン際に張り出す狙いは他にもある。
相手DFラインを引き伸ばすことでギャップを作り、そこへのランニングから相手の背後へと飛び込んでいく。

このエリアにはSBの選手が内を駆け上がり、サイドの攻略を狙っていく。

こちらの場面はタッチライン際に開いた横山の内側を半田が駆け上がり、再度横山を使いクロスに持ち込んだ。
サイドへボールを運んでいくために山形は4バック+ボランチの南、GKの後藤によってビルドアップを行う。

南がアンカー気味に構え、藤田と山田が前方にポジションを取り433のような形でビルドアップを行っていく。
この際、SBはタッチライン際に張り出すよりもインサイド寄りにポジションを取り、タッチライン際に張り出した加藤や横山へのパスコースを確保する。
ビルドアップからボールをサイドに運んで打開を図ると書いたが、ゆっくりとしたボール運びは好ましい展開とは言えない。
狙いとしているのは以下のような形。

SBが内寄りのポジションを取ることでサイドに張り出した選手へのパスコースを確保し、一対一で仕掛ける場面を作った。
このように素早くアタッカーに展開し、一対一の状況を作れることが理想なだけに自由にボールを前線に運ばせないように嵌め込みたい。
データ上はパス数がリーグトップであることは先程見ていただいたが、パス本数が増えてしまうことは山形として理想的な状況とは言えないかと思う。
前節も見られたが、中央を固められ上手くボールを運べないと山田が降りてきてボールを引き出すことをしてくるが、そうなると前線で藤本が孤立することとなり甲府としては良い展開となる。
山形としては山田がいかに藤本の近くでプレーできるかもポイントとなるだろう。

このように藤本に縦パスを通し、収めることができると山田が下がってボールを引き出す必要は無くなるため甲府としては縦パスを入れさせない、入れられても厳しく潰しに行けるかが重要となる。

ボールを失った後の山形は切り替えが早く、高い位置でのボール奪取を狙う。

相手のミスも絡み、得点を挙げたがご覧のようにボールを失った瞬間に一目散にボールにアプローチを掛けている。
前から人を捕まえるように圧力を掛けてくるが、冷静にいなして相手を下げさせることができるかはポイントとなる。

この場面は山形の良さも悪さも出た場面。
素早くサイドに展開し、クロスに繋げる。
味方には合わずボールを失うも直後に奪い返しに出て行く。
しかし、剥がされたことで一気にカウンターを許すこととなった。
ボールを奪った直後の相手のプレスを剥がせるか注目だ。

押し込まれた際の山形は442のような形でブロックを構える。

前線は山田が下がり気味に中盤を消していき、甲府の3バックの脇にはサイドの選手が出てくることとなる。
それに連動し、SBはWBまで出て行き捕まえに来る。
ブロックを構えた際にはと言ったが、引いて構える訳ではなく横パスやバックパスを合図にボールを奪いに出ていく。
引くことは好まず、アグレッシブに守備も行う。
SBが前に出ていくということはその背後は空いてくることとなる。
SBがWBへスライドしてボールを奪いに来るが、距離もあり守備の強度は高いもののWBは比較的自由を持つことはできるため、WBを起点に山形のSB裏を突きたい。

左右共にシャドーとWBの関係性は良く、特に右サイドでは須貝が相手を引き付け飯島が背後を取る場面は何度か見られている。

こちらは大分戦の得点場面だが、このような形は狙い目となるだろう。
また、山形も開幕戦で似たような形から失点している。

ここまで4バックのチームとの対戦が続いているが、SBとCBの間を割る形からチャンスを作る場面もあり今節も有効となるだろう。
山形の対抗策としてはDFラインがスライドして空けたスペースはボランチが埋めている。
SB裏のスペースが出来た際に流れていく選手がいなければ対応はしないかと思うが、シャドーやボランチの選手が流れていけば藤田や南が付いていき対応する。
ここまでの甲府は相手を動かし、空けたスペースを突いていくことは出来ているだけに今節も相手を見て攻略するエリアを見つけていきたい。

押し込んだ際の甲府はクロスに活路を見出だしていく。
山形だけでなく、4バックのチームは大外が空く傾向にあるだけにゴール前に人数を掛けていくとチャンスは広がるだろう。
だが、ゴール前に立ちはだかる後藤は大きな壁となっている。

https://www.jleague.jp/player/1604772/#gk

こちらが後藤の開幕からのスタッツとなるが、クロスに強くペナルティエリア内でのセーブ率も高いことがわかる。
クロスからゴールに迫るのは容易ではないだろう。
そうなると前節の同点ゴールのようにブロックの中に侵入していくことや逆転ゴールの場面のように目先を変えるパスを入れていき、後藤を脅かす場面を多く作りたい。

ハイプレスが仇となる可能性もある一戦。
群馬、千葉と堅守を誇るチーム相手に苦戦し、アグレッシブな熊本相手にはスコア上は快勝を収めたようにどちらかと言うと今シーズン志向するスタイルよりもJ1時代の戦い方の方が勝てる可能性は高いように思うが、今の甲府はあの時とは違うチームである。
ハイプレスに出ていくことは相手の土俵に上がるように感じるが、同じ土俵で相手を上回る戦いが出来れば勢いも付くはずだ。
熊本も圧倒された訳ではなく、アクシデント的な失点から先制を許してしまい試合を難しくしてしまった。
甲府も毎試合良い時間帯は作れているだけに決め切ることが出来れば自分達のペースで試合を運ぶことはできるはずだ。
前節の後半見せた良い戦いを今節も継続し、連勝に期待したい。

注目ポイント!
・両サイドからの突破を防げるか
・SBの動きに警戒
・カウンタープレスを剥がせるか
・相手のSB裏を突け!
・後藤の壁を破れるか
・達磨スタイルで立ち向かえ

7.あとがき

前節長崎に逆転勝利を収め、今シーズン初勝利を挙げた甲府。
今節はホームに戻っての一戦となるが、次はホーム初勝利といきたいところ。
特にホーム開幕戦はあと1プレー凌げば勝てていた中で失点を喫し、勝ち点2を失ってしまった。
だが、毎試合課題を克服し成長を続けているチームが今節どのような歩みを見せるのか楽しみだ。
また、個人的にも今シーズン初観戦と今から楽しみでならない。
テレビ越しに見るサッカーも楽しいが、やはり現地での観戦を超えることはない。

山形としては開幕からのアウェイ4連戦のラストマッチ。
昨シーズンまでとは多少印象は異なるが、ホームで試合が行えないことも影響しているかもしれない。
アウェイ4試合で勝ち点7を稼いでホームに帰ることが出来ればスタートダッシュは成功と言って良いだろう。
次節のホーム開幕に向けて勝って弾みをつける一戦としたい。

山形戦に向けては米沢牛を食べて験担ぎをしたいと思う。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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