J2第5節 東京ヴェルディvsヴァンフォーレ甲府

1.今シーズン初の中3日

前節初勝利の甲府。
今節は未だ勝ちなしの東京ヴェルディ戦。
昨年は2連敗と悔しい思いをした相手となる。

中3日ということで前節からスタメンは変わった。
甲府は8人、ヴェルディは3人入れ替えた。

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ヴェルディの配置が分かりにくかったがこの形ではないだろうか?

オール日本人のスタメン。
2018年7月4日金沢戦以来となる。
ベンチに今年初めて中山、宮崎の若手2人が入った。

2.明確なウィークポイント

立ち上がりから戦前の予想通りボールを繋ぐヴェルディ。
それに対し、人を捕まえにいく守備をする甲府。
しかし、ヴェルディの選手たちの立ち位置が絶妙。

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このような立ち位置を取り、甲府の守備陣に捕まらないように立つ。
奈良輪、小池で幅を取り端戸が深さを作る。
藤田を起点に佐藤、井上を2ライン間で浮かせ、井出がフリーマンのような形でボールを受けに降りてくる。

一方の甲府は人数かけず前線3人で完結させることを狙う。
しかし、サポートも少なく効果的な攻撃はほとんど見られない。

ヴェルディは給水明けから長いボールで背後やサイドへのボールが増える。

ヴェルディ33分の決定機。

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相手を食いつかせ、幅と深さを取り、最後は最終ラインの選手がフィニッシュ。
ゴールとはならなかったが素晴らしい形。


37分鮮やかなパス回しから完璧に崩しヴェルディが先制する。

甲府のボランチの背後に2人完全に浮いている。
出しての佐藤にもノープレッシャー、背後を消せている訳でもない。
山本が遅れていくが時すでに遅し。
今津が山本のカバーに動いたスペースを使われ失点。
もう1つのウィークポイントはこのように2ライン間の守りがはっきりしないこと。
2ライン間で浮く選手をどうするのかが定まらない。

逆に今年のストロングポイントになりそうな形から追いつく。
44分CKから今津のヘディングで同点。
ピックアップされている映像が見つからず…
3分15秒頃より


去年までなかなかセットプレーから点が取れなかったがこれで2戦連続ゴール。
超過密日程の今季セットプレーは重要なだけに早い段階から点が取れていることは好材料。

甲府のウィークポイントの1つ左サイドの守備。
そこから勝ち越される。

荒木が釣り出され54のブロックで守るなら本来ここに対応するのは泉澤。
しかし後半の甲府は泉澤をインサイド寄りに置きブロックを組む。
おそらくはアンカーの藤田対策。
しかしそこを藤田に逆に利用される。
その結果ここにプレスをかけに行くのは荒木となりその背後を突かれる。

関わるポジションこそ違えど再三新潟に狙われた形に近い。
左前の守備が緩い結果SB(WB)が遅れてプレスに行ったところを利用され背後を突かれる。

このシーンは2つのウィークポイント両方を突かれたシーンであり、この後も各チームに狙われるだろう。
早急に修正が必要である。

3.発揮できないアグレッシブさ

前半の給水タイム以降ヴェルディが大きな展開も見せるようになったことによりDFラインを下げざるを得ずボランチも出ていけない後ろを消せないといういるだけ状態となってしまう。

そんな中65分2枚代え。
太田、中村に代えてドゥドゥ、マイク。
これにより甲府は4バックに変更。
山本がボランチに入る。

しかし、直後に追加点を許す。

ゴラッソ!

奈良輪、井上が動き直すことにより甲府DF陣を動かしシュートコースを作る。
しかし、甲府は適切にマークの受け渡しをしていればここまでフリーで打たせることは無かったのではないか。

それでもゴラッソ!
これは井出を褒めましょう。

ここからはヴェルディ劇場。
湧いてくるように選手が飛び出てくる。
アグレッシブとはこういうこと。

今節出たメンバーにはこのヴェルディの姿勢を見習って欲しい。
後々いい勉強になったゲームと言えるようにしないといけない。

給水タイム後甲府は若手コンビを同時投入。
中山陸遂にJリーグデビュー。
そして宮崎純真。

しかし、また交代直後に失点。
5分58秒頃より

こちらも交代直後の新井が藤田との一対一からクロスこぼれ球に若狭。
新井の仕掛けに対して誰もカバーに行かず…
なぜそこに若狭!?
この積極性。
見習おう。

甲府もその後1点返す。
6分40秒頃より

山田J初ゴール!
これをきっかけに成長したい。
マイクの落としから中山陸の繊細なパス。
彼の技術の高さを感じるパス。
これからもたくさん見せてくれることを期待したい。

4.あとがき

完敗。
この一言に尽きるのではないか。
結果、内容ともに。
チームとして勝ちを最優先するのかスタイルの構築を最優先とするのか?
去年であれば内容より結果。
今年は若返りを敢行し、よりアグレッシブに攻撃的に行こうという今季。
もっとアグレッシブにプレスに行く、もっと積極的にボールを繋ぐ、受ける。
怖がらずチャレンジしていいのではないか?
今津は吹っ切れたのか今年に懸ける思いからなのか表現できている。
今年は核になっていく雰囲気も出てきた。
1人でも多くチャレンジする選手が出てきて欲しい。

今節のヴェルディから見習うことはたくさんある。

次の試合はすぐにやってくる。
切り替えてアグレッシブな戦いを期待したい。

MOM  井出遥也
終始この選手を捕まえられず。
攻撃の起点となり続けた藤田と悩んだが試合を決定づけたことから井出の方を選んだ。





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