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J2第18節 ジュビロ磐田戦 プレビュー

京都、新潟と首位相手の連戦を共に引き分けて迎える一戦はアウェイでの磐田戦。
2試合連続の引き分けを無駄にしないためにも勝ち点3が是が非でも欲しい一戦となる。

1.対戦成績

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これまで21度の対戦を経てきたが、2勝8分11敗と半分以上で負けている苦手な相手となる。

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アウェイでは1勝3分8敗と大きく負け越している上に、リーグ戦では過去1度も勝利していない。

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直近10試合で見てみても5分5敗と1度も勝てていない。
J2での対戦は昨年の2回だけだが、共に引き分けと負けてはいない。

2.前節

甲府

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京都戦に続いての首位との一戦。
終盤に追いつき、勝ち点1を得た。
試合内容はレビューをご覧ください。

磐田

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金沢戦から大森に代えて大津をスタメンに起用。
大森はベンチにも入らなかったことからアクシデントか?
北九州は普段とは違う立ち位置を取り磐田対策を取る。
磐田のWボランチに対し、マンツーマン気味に人を付けビルドアップを阻害しにかかる。
対して磐田は遠藤を中心にボールを動かすだけでなく、ルキアンをシンプルに背後へ走らせる形と多彩な攻めを見せる。
共に中盤での攻防が多く、シュートを打つ展開とはならないが、最初のチャンスは磐田。
ショートコーナーから遠藤の逆サイドへのクロスに森岡が合わせるが、ゴールライン上で北九州がクリアする。
続いては北九州。
前からのプレスでボールを奪うと佐藤がシュートを放つが、三浦がセーブする。
一進一退の攻防の中で、飲水タイムへと突入する。
飲水タイムを経て、最初のチャンスは北九州。
ゴール前で得たFKを高橋が直接狙うが、クロスバーに阻まれる。
攻めあぐねていた磐田だが、33分にセットプレーから先制に成功する。
遠藤からのFKを大井が折り返し、最後は鈴木が押し込む。
磐田としては流れの中でチャンスを作れていなかったが、セットプレーを活かすことができた。
先制を許してもチャンスは北九州の方が多く作っていく。
ビルドアップから左サイドを攻略し、クロスから前川がフリーで合わせるが三浦に防がれる。
決めきれずにいると磐田が追加点を挙げる。
左サイドでパスを繋ぎ、ルキアンから逆サイドの鈴木がパスを受けシュートを放つと逆サイドネットを揺らす。
狙いもハマり、チャンスを多く作ったのは北九州であったが個の能力の高さを活かし磐田がリードして前半を終える。
後半から北九州は永田と永野に代えて乾と狩土名を投入する。
セットプレーを中心に高さで後手を踏んでいたこともあり、高さのある選手2人を起用。
後半は磐田が流れの中からチャンスを続けて作っていく。
良い形を作れない北九州は61分に斧澤に代えて平山を投入する。
選手交代でも流れは変わらず、交代直後にルキアンが2つ続けてチャンスを作る。
67分には北九州が生駒に代えて藤谷を投入し、より攻撃的に得点を取りに出る。
飲水タイムを経て71分に磐田が山田に代えて小川を投入し、2トップに変更する。
80分に磐田は遠藤と大津に代えて鹿沼と藤川を投入する。
直後に北九州は前川に代えて西村を投入。
87分には磐田がルキアンに代えてファビアン ゴンザレスを投入する。
北九州は井澤のミドルシュートからゴールに迫るが、三浦が弾き得点とはならない。
後半は北九州に大きなチャンスをほとんど与えなかった磐田が守りきり、4試合連続の完封で4連勝となった。

3.今季成績

両チーム比較

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8勝6分3敗で5位の甲府と11勝2分4敗で3位の磐田の一戦。
ホームでの磐田は得点も失点も多くなっている。
一方の甲府はアウェイでは勝ちきれない試合が増えている。

甲府
直近5試合成績

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週中に天皇杯で敗れ、8試合ぶりの敗戦を喫した。
リーグ戦では、上位連戦で勝ち点3を得ることができなかったが、2勝2分と負け無し。
新潟には2失点したものの、4試合中3試合完封と守備が安定してきた。

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前節2失点したものの、リーグで2番目の失点の少なさとなっている。
山形戦以降、岡西の安定感も目立つが、失点の少なさの要因として被シュート本数の少なさが挙げられる。
新井のラインコントロールもあり、ゴール前に侵入される回数が少なくなっており、そのことが被シュートの少なさに繋がっている。
被チャンス構築率も6位と少なく、新井と岡西中心に安定した守備を構築しチャンスを与えていないことがわかる。
得点力の向上が上位追撃には必要となるだろう。

磐田
直近5試合成績

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5戦全勝と好調を維持している。
5試合連続完封と守備の安定が好調の要因となっている。
また、天皇杯では小川航基にも今シーズン初ゴールが生まれる等上昇気流に乗っている。

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攻撃面のスタッツは軒並みリーグ上位となっている。
5節までに喫した失点が11、6節以降12試合で喫した失点は8と攻撃の力強さに守備の安定が付いてきた。
特に12節以降の6試合で失点はわずかに1と抜群の安定感を誇っている。

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被シュート本数は少なく、被チャンス構築率も少ないことがわかるが被シュート成功率はリーグ下位に沈んでいることがわかる。
5節までの大量失点の尾を引いているが、6節以降三浦をGKに起用したことを境に失点が減っている。

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得点パターンは豊富であるが、セットプレーとクロスからの得点が半数を越えている。
高さや身体能力の高い選手が多いチームなだけに、特徴を活かした得点が多くなっている。
一方で失点はクロスからとこぼれ球からが多いことがわかる。
こちらもボールウォッチャーになる磐田守備陣の特徴が表れている。

4.予想スタメン

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甲府
前節と同じメンバーを予想した。
トップのリラに代えて三平を起用すると予想していたが、天皇杯でスタメンだったこともあり、今節もベンチスタートか。
新潟戦では2失点したがDFラインの変更はないと思われる。

磐田
前節大森がベンチ外だった理由が定かではないため予想が難しいが、前節と同じメンバーを予想した。
遠藤が復帰した14節以降はメンバーも固定されており、他のポジションでの変化はないと予想する。

5.注目選手

甲府

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メンデス
J1クラスのタレントを揃えている磐田相手に耐える時間は長くなるだろう。
特に前線にはルキアンというJ2トップレベルのタレントがいるだけに、メンデスが渡り合えるかが鍵となる。
攻撃面でも成長を見せているが、メンデスの攻撃参加によって磐田を押し込む展開も作りたい。
前節は終盤に同点ゴールを挙げたが、ここまで3ゴールと得点も決めているだけに今節もセットプレーからの得点を期待したい。

磐田

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遠藤保仁
今節出場するとJリーグ通算700試合出場という大記録達成となる。
日本代表でも歴代最多の152試合に出場している鉄人は、41歳となった今でも衰えない技術と相手をいなす冷静さは健在。
セットプレーでも存在感を発揮し、磐田の攻撃のタクトを振る。

6.展望

磐田は今J2で最も勢いのあるチームである。
先にも触れたように、4試合連続完封での4連勝で7戦負けなし。
甲府も7戦負けなしであるが、甲府の4勝に対し磐田は5勝している。
磐田の好調の要因は遠藤の復帰に合わせ、メンバーを固定できたことにある。

前節新潟戦後の伊藤彰監督のコメントより。

『磐田のチーム力、個人の能力はJ2の中では抜けていると思います。京都さんも新潟さんもそうだと思いますけど、個の能力にプラスしてチーム力、そういうところでみたら磐田は得点を決め切れる選手もいますし、ゲームをコントロールできる選手もいますし、1人で守れる選手もいますし、すごくまとまってもいます。さらには個人で剥がせたり、チームで剥がせたり出来る素晴らしいチームだと思います。その相手に我々は一体感を持って強固にグループで戦わなければならない、相手の隙をついていかなければならないと思います。』

伊藤監督のコメントにあるように磐田はJ2屈指のタレント集団であり、このタレント力こそが磐田最大の特徴である。
日本代表経験者は遠藤保仁、今野泰幸、山田大記、大津祐樹とおり、年代別代表経験者も多数揃えている。
また、外国人選手も得点ランキングトップに立つルキアンと強力な選手を擁している。
磐田は組織的なチームというよりはこのタレント力を活かす自由度が高いチームであり、メンバーを固定できたことで連携が高まってきたことが好調の要因となっている。

攻撃の特徴は自由度を重視した即興性にある。
個人の技術や能力が高いため、再現性が低くても噛み合うと破壊力の高い攻撃を見せる。
また、守る側としても即興であることから対応が難しい。

一人一人の能力が高いため、個人で打開しゴールに迫る回数も多い。

だが、即興性が強いため噛み合わないと逆にピンチに至る場合もある。

遠藤を中心としたポゼッション、ルキアンを活かすカウンターと攻撃の形は多彩にあるのも特徴となる。
サイドではWBが幅を取り、相手守備陣を広げる狙いを持つ。

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ビルドアップしての遅攻となると、3バックの一角である伊藤が攻撃参加してくる。
ボランチが本職である伊藤は左足のキックの精度が高く、サイドを変える大きな展開やクロスには警戒が必要となる。
ビルドアップ時には3バックの一角である大井からも精度の高いロングボールが供給される一方で、森岡はビルドアップを得意とはしていないため森岡へ誘導したい。

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磐田は右サイドからの攻撃が多いが、森岡がビルドアップで苦戦すると鈴木が高い位置を取りにくくなる。
これにより、磐田の多彩な攻撃を防ぐためにも選択肢を減らすことに繋がる。

甲府としては新潟戦のようにコンパクトなラインを敷き、オープンな展開は避けなくてはいけない。
水戸、京都相手にオープンな展開の中で進んだ試合は押し込まれる時間も長かったように甲府はオープンな展開を苦手としている。
個人の能力が上回る相手にはオープンになると危険となる。
特に磐田は身体能力の高い選手が多いアスリート型のチームであるだけに、スペースを与えると危険となる。
一方、新潟戦はコンパクトな陣形を保ち守備が機能する時間が多くあった。
ポゼッションの上手な新潟相手ということもあり、ボール保持を許す時間は多くあったがブロックを破られる回数は多くはなかった。
2失点を喫したが、甲府の守備に問題があったというよりは新潟の攻撃陣が上回っていたからと言える。

守備では磐田は541でブロックを敷き、ブロックに入ってきたところにプレスを掛けていく。

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一方の甲府は可変を行い、磐田守備陣のギャップを突き磐田のブロックを崩していきたい。
可変を行わないと対面の相手がハッキリと決まるミラーゲームとなり、個人の能力で上回る磐田には後手を踏むだけに相手に掴まらない立ち位置を取りボールを保持したい。

磐田はボールに食らいつく傾向があり、一つ剥がせるとゴール前に迫ることができる。

リトリートしてブロックを敷くことは決まりごととしてあるだろうが、そこからプレスに出ていくタイミングや判断は各々に任されているように感じる。
特に右サイドの鈴木の背後や森岡の脇が空くことが多い。

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森岡は対人の強さがあり、前への意識が強いが背後への対応には弱い。
攻守共に森岡を狙いにしたいが、身体能力も高く逆に森岡の強みを発揮させてしまう可能性もあるが鈴木、森岡サイドを崩したい。

また、チーム全体としてボールウォッチャーになる傾向も強い。

どちらの場面も逆サイドの選手を認知できていないことがわかる。
ボールとマークが同一視野に入らない立ち位置を取ることで、磐田守備陣を混乱させたい。

個人能力の高さは守備でも垣間見えるが、空中戦や球際で能力を発揮できるのに対し先の展開の予測や判断には欠ける場面が見られる。
遠藤や大井のベテランの存在もあり、回避できていることも多いが甲府としてはサイドチェンジや逆サイドへのクロスで目先を変える場面を作りたい。

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鈴木、森岡の背後を取り逆サイドの関口が飛び込む形を作りたいが、伊藤と大井は高さがあるためゴール前に人数を増やし、マークを分散し2人が触れないボールを入れたい。

セットプレーも攻守においてポイントとなる。
遠藤のキックの精度の高さはJリーグでも屈指のものがあるが、磐田は全体的に高さもありセットプレーは大きな武器となる。

一方で甲府の失点の半数はセットプレーからとなっており、警戒が必要となる。
ゾーンで守る甲府の間にピンポイントで蹴り入れるキックの精度を遠藤は持っているだけに、体を寄せる、相手に体を当てることを怠ってはいけない。

磐田は良くも悪くもタレントを最大限活かすチームである。
4試合連続完封勝利となっているのもメンバーが固定されてきたことが大きい。
即興性が高いチームのため、周りとの連携が噛み合ってきたことが結果が出てきた要因である。
「タレントの力」か「組織力」か?
磐田の圧倒的なタレント力を伊藤監督が作ってきた組織力で立ち向かう一戦としたい。

7.あとがき

水曜日に天皇杯で敗れ、負け無しがストップした。
地元紙には「格下」という文字が乗り、会場の雰囲気は勝って当たり前。
相手を舐めて勝てるほど強いチームであったのか。
FC東京や横浜F・マリノスが「格下」に敗れたと表現することはおかしくはないと思う。
クラブの格も高く、常に強者としてトップに立っているクラブである。
甲府は常にチャレンジャーでなくてはならないのではないか?
J1優勝経験もある磐田相手ならチャレンジャーとして挑めるかもしれない。
だが、磐田相手にチャレンジャーとして挑み勝てたとしても山口、群馬とホームで続く相手を「格下」と見下し敗れれば意味がない。
選手、スタッフは必死にやっている。
外部も成長しなくてはチームが成長しないのではないか。

一方の磐田は今J2で最も力があり、勢いもあるチームである。
タレント力やネームバリューも備え、J2の注目度やプレッシャーではないだろう。
完封、連勝を伸ばし下のチームとの差を広げたいと考えているだろう。

厳しいことも言いましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

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