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グレインフリー ・グルテンフリーの落とし穴

実は…みんなよく知らない⁈

さて今回は、人のダイエット業界でもペットフード業界でもよく耳にするグレインフリーとグルテンフリーについて解説していきたいと思います。
(動画はこちら♪)

ミランダカーがグルテンフリーダイエットをしていたり、最近のプレミアムペットフードではグレインフリーの一強になっていたり、
正直なにかよく分かっていないけれど、とりあえず体に良さそう!ってな感じで選んでしまっていませんか?
かくいう私もグルテンフリーいえーい!と思ってしまっていた(…思わされていた?)時期もあります。。

でも本当?誰にとってもいいごはんなのでしょうか??
「ていうかそもそもグルテンとグレインって一体何⁈」から始めていきましょう!

グルテンとグレインの違い

グレインとは穀物のことで、米・小麦・トウモロコシなどの種子のことを示します。グレインフリーとは、これらの穀物が使用されていないという意味になります。

一方、グルテンは穀物のタンパク質部分のことで、グルテンフリーは穀物由来のタンパク質が含まれていないものを指します。

ただし近頃は、グレインフリーとグルテンフリーが混同されていて、どちらも小麦を使っていないという意味で商品に対して使われていることもあるようです。

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犬と猫は肉食性だから穀物はNG⁈

「本来肉食の犬猫には肉だけを与えるべき!」
っていう誇大広告よく見かけませんか?

確かに猫は肉食性ですが、犬は雑食性ですし、肉食の猫であってもデンプンの消化ができない訳ではありません。
きちんと加水加熱処理されたデンプンは、犬猫でもある程度代謝・利用することができるため、犬猫に穀物はNGという訳ではありません。

猫の母乳にも20%ほど炭水化物は含まれており、40%程度以内の炭水化物であれば消化・代謝に問題はないと言われています。

グレインフリー・グルテンフードがおすすめな子

なんだ、グレインやグルテンがフリーじゃなくても大丈夫なんだ、
だったら流行りのグレインフリー・グルテンフリーフードって誰得なの?
と疑問に思われますよね。

例えば、グルテン過敏症や小麦アレルギーで皮膚トラブルや下痢などを起こしてしまっている子に対しては、グレインフリーやグルテンフリーフードは有効であると考えられます。(グルテン過敏症はアイリッシュセターに多いと言われています。)

テニスのジョコビッチ選手はセリアック病とよばれるグルテン反応性疾患をもっていたため、グルテンフリーフードでパフォーマンスが劇的に改善したそうです。
犬猫において、食事アレルギーの検査というのは、まだ精度があまり高くないので、原因不明の皮膚病や下痢などが続くという場合は、ごはんを一度低アレルギー食やグレインフリーに変えてみるというのも一つの手かもしれません。

グレインフリー・グルテンフードを避けるべき子

すべてのごはんにメリットとデメリットがあるのと同じように、グレインフリー・グルテンフリーフードにもデメリットはもちろんあります。
デメリットの中でも、特に考えられる点を3つご紹介します。

(1) 高タンパクであること
グレインフリーフードは炭水化物の割合が少ない分、タンパク質の割合が高くなっている可能性があります。

タンパクが多く必要な成長期の犬猫であればいいのですが、腎臓病や尿石症などではタンパク質を制限する必要があるため、タンパク質が多い可能性のあるグレインフリーフードはあまり向いていません。

また、老犬・老猫の場合、定期健診の血液検査で腎臓の数値が正常値内だったとしても、腎臓病が隠れていることが多いので、高タンパクフードは避けることをおすすめします。

(2)高リンであること
腎臓病やストラバイト尿石症の場合、リンの制限が重要となってきます。
リンというミネラルは肉などに多く含まれています。

一方、グルテンというのは穀物由来のタンパク質であるため、リンの含有量が少ないタンパク源として、腎臓病食で重宝されることがあります。

腎臓病やストラバイト尿石症などを持っている場合は、リンの割合にも注意する必要があります。

(3)心臓病との関連の可能性
多くのグレインフリーフードには穀物の代わりに、イモやマメが炭水化物源として使用されています。

2019年6月にアメリカの食品医薬品局FDAが調査した結果によると、マメ科植物の含有量の多いグレインフリーフードによって拡張型心筋症が引き起こされる可能性があることが発表されました。
心臓病と関連の深いタウリンと呼ばれるアミノ酸が不足することが部分的に関係しているのではないかとされています。

これはまだはっきりと証明された訳ではなく、全てのグレインフリーフードでマメ科の植物が多く使用されているわけではないでしょう。
商品によっては、タウリンが添加されていたり補強されている可能性もあります。

これに関しては未確定な要素も多いため、追加の調査が報告され次第また解説していこうと思います。

ごはん選びについて

いかがでしたでしょうか?
グレインフリーとグルテンフリーの違い、またそれらのメリット・デメリットをなんとなくお分かり頂けましたか?

グレインフリーに限らず、どんなごはんにもメリット・デメリットはあります。
どの子にとってもすばらしいようなスーパーフードはありません。
その子の年齢や状態を考慮して、常に最適なごはんを選んであげるられようにしましょう!

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