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ハーバード大学留学経験と自衛隊在職時・退職後のキャリア形成(no.25)

プロフィール
佐野 秀太郎さん
現職:日本大学国際関係学部・教授
自衛隊退職時役職:陸上自衛隊1等陸佐

今回は、陸上自衛隊を1佐で定年退官され、民間企業へ再就職された佐野さんにインタビューをお受けいただきました。幹部自衛官を定年退職され、2021年4月より日本大学国際関係学部教授に就任されます。

佐野さんは在職中米国ハーバード大学の留学経験もあり、防衛大学校の教授を歴任されていることから、今回自衛隊内でのキャリアアップ、再就職先企業の決め方やセカンドキャリアへのマインドセットについてお伺いしました。

経歴

ーーこの度はお時間をいただきありがとうございます。まず佐野さんのご経歴についてお伺いできますか。

佐野さん:防衛大学校で国際関係論を専攻し、陸上自衛隊に入隊しました。陸上自衛隊では、最初に普通科教導連隊に配属されたのですが、すぐ米国留学の声が掛かり、2年ほどその準備をした後に、ハーバード大学ケネディ行政大学院に合格し留学しました。

そこで、2年公共政策の勉強をした後、日本に帰ってきてからは富士学校勤務や指揮幕僚課程に進み、その後幹部候補生学校で戦術教官として勤務。そして、安全保障に関してより学びを深めるために防衛大学校で修士課程、博士課程を修了してから、研究本部に勤務し、その後防衛大学校では教授・国際交流企画官として学生教育や国際交流の業務に携わりました。

定年退職後は、自衛隊援護業務課から紹介を受けて、民間の研究機関である国家戦略研究所に再就職をしましたが、新型コロナウイルスの影響を受けて閉鎖されるため、2021年4月から日本大学の国際関係学部の教授に就任します。

ーー自衛隊キャリアでもかなり特異なキャリアコースだと思いますが、そうしたコースがあるのでしょうか。

佐野さん:防衛大学校在学時は、アメリカに留学するコースがあることすらも知りませんでしたが、ただ将来的には国際的なことをしたいとは考えていました。

最初の部隊配置先であった普通科教導連隊に行って一年くらい経った時に、なぜかロシア・中国・ハングル語のいずれかの語学課程に行かないかと打診があり、その時は、全然米国留学の話は出ていなかったんですね。それが、急遽米国留学を打診されて、もともと国際関係で仕事をしたいと考えていたため、挑戦させていただきました。

試験対策等準備が必要なため、陸幕の指示で慶応義塾外国語学校の夜間英語コースに通いました。当時小平にあった調査学校に配置されましたが、そこから慶應大学に通う傍ら、小平学校では幹部初級課程の学生たちに対して英語を教えていました。

その後、久里浜にある通信学校に配置換えをしてもらい、そこから防衛大学校に通いながら留学準備を本格的に進めていきました。猛勉強していましたね。

ーー抜擢された背景では、防衛大学校の頃から英語ができたのでしょうか。

佐野さん:防衛大学校時は、同期の中でも英語ができた方だったと思います。父の仕事の関係で、幼少期は7年間海外にいたんです。カナダ4年とイギリス3年ですね。幼少期に過ごしたこともあり、会話力、リスニング能力はもともと持っていました。

防衛大学校でも英語の成績は高い方でしたし、「佐野は英語ができる」という認識はされていたと思います。ただ、英語だけではないですよ。学生時代は、専門科目の国際関係論や訓練科目についても、一生懸命勉強しました。

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ーーそうした背景がある訳ですね。そしてハーバード大学のケネディスクールへ留学されるわけですが、当然入試も難関ですよね。

佐野さん:かなり難しいですね。世界中から優秀な学生が集まってくる訳ですから。そのため、対策や勉強はしっかり行いました。願書出願のためのエッセイや試験たくさんがありますし、面接も当然受けます。

4つの学校に願書を出しました。ハーバード大学のほか、ジョージタウン大学の外交政策大学院、ジョンズ・ホプキンズ大学の高等国際関係大学院(SAIS)、タフツ大学のフレッチャー・スクールに受かりましたが、当時自衛隊からハーバード大学に留学した人があまりいなかったことからハーバード大学を選択しました。

ハーバード大学は、面接官がわざわざ来日して、日本人の候補者たちを個別に面接していったことが印象的でしたね。品川の高輪ホテルで面接を受けた記憶があります。

陸上自衛隊から初のハーバード大学へ留学

ーー自衛隊からハーバード大学へ留学されるケースもあるんですね。

佐野さん:少ないですが。ハーバード大学へ行ったのは、私の上の期に航空自衛官がひとりキャリアのコースに合格し、留学したことを聞いています。ただ、陸上自衛隊からは私が初めてで、MPPプログラムに関しては、自衛隊で初ですね。

ーーまさしくパイオニアですね。留学に際しての準備がかなり大変そうです。

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