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活動報告01(2020年12月)

 本プロジェクトのチーム名とnoteでのクリエイター名の登録を異なってつけてしまったので、以後はプロジェクト名を表に出していきます。

さて、本プロジェクトで製作したい「薬箱」とは、中に薬を格納しておける箱だけど、もちろん単なる入れ物ではなく、服薬支援機能を有している装置(以下、本装置)であることが特徴。
 発端となったのは、「患者さんが薬を薬局に取りに行き、薬袋で持って帰り、自宅で服用する」という行為に数十年来まったく進歩がみられないことに疑問を抱いたこと。処方局面では、電子カルテ、処方箋の電子化、電子お薬手帳等といった技術が導入されているのに、服用局面に関しては依然として患者の自主性に依存しており、そのため飲み忘れといった問題も生じることになる。
 実際に、4割前後の患者さんは薬を飲み忘れたことがあり、また、きちんと飲めたと思っていても実際には処方通りには飲めていないことが報告されている。これは医学的には「服薬アドヒアランス」として知られる問題で、「ポリファーマシー」という問題にもつながっていく。飲み忘れを防ぐだけならば実際にそういったアプリも複数開発されているが、いずれもアラームの域を出ない。

本装置は「服薬アドヒアランス」を向上させるために、単なるアラーム機能を超えて、服薬に関する行動変容を促す仕掛けを施している点が新しい。この「行動変容」というのがキーワードで、本装置により飲み忘れを防ぐだけでなく、服薬や医療に積極的に関わることができるようになる。
 このあたりが分かりにくいと思うので「早起き」を例に挙げて説明すると、夜型の人が「早起き」という行動変容に取り組む場合、目覚まし時計のアラームで無理やり起こされている状態ではまだダメであり、決められた時刻に自然に目が覚めすぐに始動できるようになるのを目標とすべきであり、そういう積極的な行動を促す特別な目覚まし時計を製作する、といったところが服薬における本装置の位置付け。

さて、製作したいものを明確にしたところで、このスタートラインは6ヵ月という期間限定であり、気を抜いたらすぐに過ぎ去ってしまう可能性が高い。そこで、まずはDMM.make AKIBAのスタッフに、プロジェクトの進め方や到達目標について相談にのって頂いた。
 その結果、本来意図したものの実現は現時点では極めて困難なので、機能を限定した試作品を作成することとなった。製作の各段階では自ら手を動かして試作準備品を作りつつ各種ノウハウを蓄積する一方で、制限期間内に一定水準の試作品を完成させるためにはモノづくりのプロとして定評のあるテックオーダーを利用することが最善であると判断した。

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