月刊Synthwave生活 2024年6月号

このシリーズでは、だいたい月1を目標にSynthwave、Outrun、Darksynth、Chillsynth等の作品のレビューと言うか紹介をしていきます。
先月くらいの話ですが、Bandcampで私の2作目のシングルをリリースしました。私事で申し訳ないです。現在ほかにも作りためた曲があって全部合わせて10曲ほどあるので、近いうちにアルバムのほうもリリースしようという運びになっています。同じような曲が10曲入ったChillsynthアルバムになります。普段ここで紹介している作品は基本的に自分の趣味嗜好に偏っていますが、毎月いろんな作品を聴いて、それのどこに良さを見出しているのかというのがこのアルバムにも反映されているんじゃないのかと思います。
というわけで、今月もレビューの方に行きましょう。

Windows96 - Yes Da Da Da

ここ数か月で何回Windows96関連の作品レビューを書いたかわからないが、さすがにもうあんまり書くことがない。このように沢山の作品をリリースしているアーティストの場合、初めて聴く人はどのアルバムから聴いたらいいかわからなくなると思うが、Windows96の場合は基本的にどこからでも問題ないだろう。どこをとってもWindows96という感じなので。しかしこのクオリティを維持し続けながらこれだけ作れるのは驚異的だ。

Cynthoni - Sewerslvt Presents: Cynthoni, Pt. 1 - EP

CynthoniはBandcamp上で「Formerly Jvne/Sewerslvt」と明記されているので、実質的なSewerslvt後継のアーティスト名義とみて問題なさそうだ。多分この人は戻ってくるだろうと思っていたが、やはり戻ってきた。基本的な作風はあんまり変わってないように思える。独特の不穏さに満ちたサウンドと、アトモスフェリックなサウンドが入り混じる。人々がこのサウンドに何を求めているのか、それがこのジャケットの絵の表情によく表れているような気がする

ELECTROMANCER - Enforcer

MASTER BOOT RECORDのようなかなりメタル寄りというかSynthwaveをベースにしたメタル。私は普段あまりメタルは聴かないが、これは普通にかっこいいと思った。全編インストだが、普通メタルはボーカルありきだと思われるので、インストだけでちゃんと聴かせるものを作るのは相当腕があると思う。ジャケットも良い。

Zane Alexander - Refractions

非常に正統派のChillsynthで割とHOMEのODYSSEYの作風に忠実だが、壮大さと奥行きの感じられる音作りで素晴らしい。

NewRetroWave - Aliens Expanded: Original Documentary Soundtrack

映画「エイリアン2」の制作についてのドキュメンタリー「Aliens Expanded」のサウンドトラック。NewRetroWaveによるコンピレーションで、現役のSynthwaveアーティストとしてのおなじみの顔ぶれが名を連ねている。基本的にはDarksynth、Cyberpunk寄りのサウンド。Synthwaveのムーブメントはなんだかんだで今は一段落した感じだが、このジャンルの根底には映画サントラからの影響も多く、サントラ音楽としての使いやすさはあると思うのでそういう需要はこれからもあり続けるのかもしれない。