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被災地からみる都民ファースト~「相手の立場になって考えよう」

高校生の頃、覚えたフレーズです。これを、昨今の #blacklivesmatter の話題を取り上げるCNNニュースの中でも使われていたので懐かしくなり、お題にしてみました。

put oneself in another shoe

直訳 自分を誰かの靴の中にツッコめ
意訳 相手の立場になって考える

今、正直Twitterの東京都知事選をめぐる動きを〈地方〉と呼ばれる地域に住む民として傍観していて…なんとなく悲しくなるのであります。

私がTwitterで政治情報を収集・発信するようになったきっかけは地元を襲った西日本豪雨です。

とにかく暑い夏でした。私は体力に自信がなく、スコップではなく、ペンを取ってなんとかこの惨状を知ってもらおうとしました。早々に全国メディアでとりあげられる回数が減ったので、忘れられてしまうことを危惧しました。SNS上で被害状況をツイート、RTすれば「景気の邪魔だ!」という罵声がとんできました。そこで紹介してもらった独立系メディアで私が書き集めた被害状況の様子をネット記事にして頂くことができました。趣旨を説明したところ、地元のプロバスケットボール関係者の方も被害状況の写真の提供にご協力くださいました。

〈実際の記事〉

東京五輪の建設ラッシュと重なり、被災地は復旧が遅れました。人、重機、資材が足りないのです。そもそもボランティアをしようにも、ホームセンターから、安全靴、スコップ、ヘルメット、軍手が売り切れました。

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「人が集まらないねぇ…」とぼやく建設関係者の方ともお話をしたことがあります。実際ボランティアが家屋にたまった土砂を除去する作業をしている最中に、行方不明者がご遺体となって発見されたり。

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〈カープ エルドレッド元選手〉

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私は災害から1週間後に東京に行く用事がありました。不謹慎だけど、新幹線が奇跡的に動いたのでキャンセル料がかかってしまう。それならば、この機会に東京の人にもこの災害があったことを知ってもらいたいと、募金箱の設置のお願いを方々にしたこともあります。

新宿にある馴染みの美容室の美容師さんはインスタグラムのストーリーを使って、有名女優やモデルの方々も含む顧客のみなさんに呼び掛けてくださいました。そのときの画面を拝借してTwitterもnoteもアイコンとして使用しています。忘れない為に。この手と手が握りあったアイコンを拡大していただくとメッセージがびっしり詰まっています。「助けて!」とだけ丸投げでお願いしたならば、帰りの新幹線の中で開いたインスタグラム、この写真とメッセージがアップされていて心強かったです。こんな粋なことをしてくださったのは、新宿御苑前 エリルミー という美容室です。

また思わぬところで心寄せてくださる方々がいらっしゃることに感動したこともあります。小樽、名古屋で出会った募金箱。

でも、ボランティアと募金箱頼みで本当に良いのでしょうか?

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まだ終わっていません。

西日本豪雨発生当初から情報発信、現地ボランティア活動されている方が、随時そのことを教えてくださいます。

このとおり、もうすぐ災害から2年が経とうとしているのに終わっていないのです。仮設住宅にお住まいの方々も。

それを思うと、いま世間で騒がれている東京都知事選がどこか遠い国のお話に聞こえてしまいます。あれだけ、オリンピック招致決定に騒いでおきながら、いまさら、オリンピック中止でやんやと盛り上がる。

『復興五輪』というネーミング、東北の震災に遭われた方々は今どうご覧になられているだろうかと。もっともっと御辛いかと。

だからこそ、原発問題を契機に政治家を志すようになったと言っていたはずの山本太郎氏が、ここで「都民!都民!」といって立つことには落胆しました。山本氏は国会の場で西日本豪雨についても、災害復旧に小型重機が必要だということ等、安部総理に熱心に訴えて実現してくれたのも知っているだけに国政に再チャレンジしてほしかった。

この小さな島国で「都民ファースト」を叫ぶのは、何だろうか。結局は皆「自分ファースト」なんではないだろうか。東京以外の痛みは〈無かったことに〉するんだろうか。

毎日じゃなくていい。
他の立場にある人の痛みや苦しみを想像できたならば、この国はもう少し優しくなれるんじゃないかって。そう願います。

※私は東京以外を〈地方〉と一段さげてみる呼び方が苦手なので使いません。

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