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密着。1期生、今後の新規事業を考える

5月27日(水)に行われた1期生山口くんの「事業アイデア発表会」。

フェローに対して、月一回メンタリングの時間を設けているVENTURE FOR JAPAN。直近でのことだけでなく長期ビジョンとも向き合う時間です。
今回、山口くんはメンタリングを通じて考えた今後の事業アイディアを、事務局やVFJにプロボノで関わるメンバー、1・2期生へプレゼン、今後に向けてフィードバックをもらう発表会を実施することに。

初めての試み。
今回はその様子、発表後の山口くんの想いを聞きました。

VENTURE FOR JAPANからフェローへの想い

2年間「経営者の右腕」として働き、事業の発展に貢献しながらフェローとして過ごすなかで4つの段階を踏んで欲しいと考えています。

①:経営の実践経験、マインドを身につける。
②:自分自身の価値観理解をする
(自分自身がどんなことに喜びや悲しみや憤りを感じるのか)。
③:社会に対する想いを持つ
(誰のどんな状況に違和感や課題感を抱きどのように働きかけたいのか)。
④:②と③を落とし込んだビジネスモデルを創る

※実際に卒業後、ビジネスを実践せずとも「一度自分の価値観を事業として成立しうるところまで落とし込む」経験が、どんな将来を選択するにしても「真のアントレプレナーシップ」を育むには大事だと考えています。

山口くんのバックグラウンド

実家は農家を営み、食に恵まれた環境で育ちました。
しかし学生時代の相撲部では「食べるのも練習のうち」と自分や先輩が吐きながらも食事を取り続けなければいけない苦い経験をしています。
大学時代、経済学を学ぶなかで「世界には困窮し食事を取れない人がいる」との事実を知り「食」への関心、課題感が現れてきたそうです。

山口くんのVFJ1期生としての歩み

普段の業務は、会社の仕組みづくりや改善、商品開発など会社の経営に携わっています。1年間はチームのまとめ役として、経営陣と従業員の繋ぎ役として実践を積み、壁に直面しながらも日々を過ごしてきましたが「事業をゼロイチで創る」経験はしていませんでした

右腕

一方、自身の長期ビジョンは毎月のメンタリングで向き合ってきました。
課題感を持つ「食の偏り」や「飢餓」に関わるNPOでボランティアをしてみたり、自社で事業にできないだろうかと案を練ってみたり。
自分なりの価値観の掘り下げ、課題感へのアクションを模索してきました。

今回の発表について

発表・フィードバックの時間はそれぞれ30分。
「今回の発表は、自身の価値観と関心テーマに対する現状と課題分析が中心です。ビジネスモデルは仮案ですが、もっと改善していきたい。次のステップに移行するための意見をいただけると嬉しいです」との山口くんの言葉で始まりました。

山ちゃん事業発表会2

なぜ食に興味を持ち、課題感に変わり「世界中の人が1日3食食べられる社会」にしたいと思うに至ったのか。
実際に食を取り巻く現状(世界での飢餓、栄養状態の偏り、フードロスの問題)と現状に対する課題の分析(賞味期限というボトルネック)。
最後には「自社の事業として形にできるのでは?」とビジネスモデルの発表を行いました。

参加者からは、それぞれに鋭くも温かいコメントや質問が。

・ 自身の価値観( WHY)の部分はよく深掘りできているが、まだ本当の本当に誰のどんな状況を変えたいのか?(WHO, WHAT)の部分はまだ絞りきれていない。より詰められるといい。
・ 飢餓やフードロスの話は多くの人が課題感を持っている。でもなかなか解決できない難しさがある。なぜ解決されないのか、の真の理由を問うてみるのも大事かもしれない。
・ 社会をどう変化させたいか(世界中の人が1日3食食べられる社会にする)の理想像に対して、ビジネスモデルのインパクト規模が小さいと感じる。理想像に合わせてビジネスモデルのスケールを大きくするか、ビジネスモデルに合わせて理想像を小さくするか、どちらかだと感じる。

それらの多くは次のステップに向けたものでした。

発表後の山口くんインタビュー

発表会後、今後に向けて話を聞きました。

山ちゃん事業発表会5

・実際発表してみてどうでしたか?
既存プロジェクトの課題解決や、その一環で商品企画はしていたが、事業を一から考えたのは初めて。緊張はなかったが、第一線で働く皆さん、実際に事業を創る同期の武さん(武田くん)には特に自分の考えを発表するのは少し気恥ずかしさを感じました。
・フィードバックを受けての感想は?
想いはあるけれどまだ漠然としていること、ビジョンはある程度持っているがプランがない」ことに自分でもハッとした。頭の中で思い描いているだけでは分からなかった。人に話してフィードバックをもらった分、現状が整理され、次どうするかを考えやすくなった。現在は、自分の現状を受け入れている状態。ここからどう対象や事業を掘り下げるかを考えている。
大学時代に知った、孫正義さんの「人生の豊かさは夢の大きさに比例する」という言葉をとても大切にしている。「豊かさ」は幸せだけでなく、喜怒哀楽全てが豊かさだと思うので、今は困難や壁もあるが、山を登り、登った時の満足感を感じたい。
・ 今後の具体的なアクションは?
「飢餓そのものをなくす」のは今の自分のスキルだと難しいと感じた。
まずは「フードロスをなくすこと」を目標にしたいと考えている。
貧困層でも多様な階層の方がいて、金銭が全くない人を助けに行くのは今の自分には難しい。今の自分にできることは「所得が少しはあるが食の面で課題のある方に向けた事業を展開し、利益が生まれてきた時に、最貧困層にアプローチする」流れかなと考えている。
・ 直近の目標は?
会社でIT技術を身につけていく予定なので、テクノロジーも取り入れて、会社の新事業と自分の夢につながる自身の事業を作っていきたい
また定期的に発表の場を設けて事業案を改善していきたい。

これから行動を重ね、時に発表の場を持つことで、社会観・事業案が具体化されていきます。
毎月山口くんからのレポートもありますが、今後をお楽しみに!