跳人ウサギオー!
現代日本!
今なお続く不況の影、暗躍する悪の気配!
暗黒の時代に輝くは正義の光!
超越の力で悪をなぎ倒せ!
その名はウサギオー!
長い耳で悲鳴を聞き、常人の三倍の脚力で駆け抜けろ!
跳人ウサギオー!跳べ!ウサギオー!
「というわけゴボふ」
兄ちゃんが口を開く前に、蹴りが入っていた。壁を突き抜けるとは思わなかったのでちょっと唖然とした。それで多少は冷静になれたけど、しかしこの状況は…。
「…言うことはそれだけか」
「まて、話せばわかる」
「この耳っぽいのは何」
「それこそが超人的パッワーの源」
「このキックの威力」
「スゴイだろう?お前ヒーロー好きだからなあ」
「なんでこの格好」
「ん?」
「なんでバニーガールみたいな格好なんだよ!」
「みたいなってなんだよバニーガールだよ…ああ、むしろバニーボーイがぶ」
ドヤ顔する兄ちゃんの顔面に追加の蹴りが入る。壁がもう一枚抜けた。
因幡つとむ。小学5年生。副業、正義の味方。跳人ウサギオー。
【続く】
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