見出し画像

アメリカで出会った100の光景 No. 44(歴史を感じる風景)ロマンと共に走るルート66

ハイスクールを卒業するまでに、赤いオープンカーで迎えに来てくれるボーイフレンドができなかったらどうしよう。
少女は、本気で心配していた。
アメリカ映画を見てそんな青春が自分にもくることを信じていたのだ。
もちろん、ダンスパーティーに行くときには、赤い水玉のスカートに、ポニーテールだ。
現実には、ママはいっこうにおやつのチェリーパイを焼いてはくれなかったし、赤いオープンカーが家の前に停まってパパがやきもきするようなことはまるでなかったけれど・・・。

当たり前だ。昭和の終わりの埼玉だ。

しかし、ルート66には、わたしが少女時代に思い描いていたアメリカの風景があった!
ルート66とは、アメリカの東西、シカゴからサンタモニカを結ぶマザーロードとも呼ばれる国道。アメリカのロードトリップや、ハーレーなどに憧れる人なら必ず走るところだ。

画像1

実際に3700kmを走破するのは、夢あふれるライダーたちにお任せするとして、時間に制限がある旅行者は、いいとこどりで雰囲気を味わうのが賢明だろう。

というわけで、グランドキャニオンからラスベガスに向かうときに、ルート66をところどころ走りつつ、沿道の町に立ち寄った。

テキサス州のウィリアムズには、グランドキャニオン鉄道の駅がある。
ちょうど、通りかかったのは、グランドキャニオンに向かう鉄道が発車するとき。
なんと、線路沿いを保安官が馬で疾走している!
実はこれは、車内で行われているウエスタンショーの一部。この列車で乗客はグランドキャニオンに行って1週間位滞在して、またこれで戻ってくるっていうのがよくあるパターンらしい。優雅だなあ。いつか乗ってみたいな。いつも車の旅だけになおさら列車への憧れがつのる。

画像4

ショーを終えた保安官は、何事もなかったかのように、町中に消えていった。かっこいい。

赤いスポーツカーじゃなくて、馬で迎えに来てくれるのもありかな・・・。

画像4


続いて立ち寄ったのは、同じくアリゾナ州のセリグマン。ここは、特に昔の雰囲気を残しているところで、観光バスも立ち寄る場所。
ルートもの66沿いに、おみやげもの屋さんなどが並んでいる。

画像5

カフェに入れば、赤と白のチェックのテーブルクロスに、厚いガラスのコップに入ったコーラ。流れてくる音楽のくぐもった音は、知らない曲でも懐かしく感じられる。
道路わきに止まっている年代物の車は、オブジェなのか、現役なのか。
とにかく、ノスタルジーがそこここに溢れている。

画像2



実際に移動のことだけ考えれば、並行に走っている新しい国道を通った方が早いし、道もきれいで走りやすいのは確か。
しかし、日本でも、国道17号を通って、ビューンと目的地に向かうよりも、旧中山道を通って昔の宿場町の趣を感じながら旅するのがオツというものです。

・・・

小さい町ハックベリーにポツンと1軒だけあるお土産屋さんも、一度通り過ぎたものの気になって戻ったら、大正解。レトロな雰囲気に満ちていた。通ることがあればぜひ立ち寄って、トイレを借りてもらいたい。
(壁が賑やかで、写真を撮らずにはいられないところでした。)

画像6

・・・

ルート66(ウィリアムズ、セリグマン、ハックベリー)
Route66(AZ)  Williams, Seligman, Hackberry





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?