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アメリカで出会った100の光景 No. 42(大自然の絶景)熊の爪痕が残る?巨大な岩 、デビルスタワー

大きな岩を見に行く。
ただそれだけのために、こんなに車を走らせるものなのか。
何もない平原の中をもう飽きるほど、あきれるほど走っている。
大きな岩ねえ・・・、そこが映画のロケ地だと聞いても、まったく興味がわかなかったのだが、その姿が台地のはるか向こうに姿を現してきたとき、わたしの興奮度メーターはビュンっと上がった。

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岩の大きさは想像を軽く上回っていた。周りに同じような物体はおろか目立つものは何もなく、孤高さすら感じられる。
岩の上が平らなのでお皿の上にプリンをポコッと置いたような感じ。

回りの草原にはプレーリードッグが住んでいる。
じーっと見ていると、どこが住処の穴なのかがわかってくる。
そこを見つめていると、ときどきプレーリードッグが現れる。その愛らしさといったら!
しかも、キューキューって鳴くのだ。鳴き声もまたかわいくて、見ていて飽きない。

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いよいよ車を止め、岩の真下へ。
近づくにつれて、岩の表面の筋がはっきりとわかるようになってくる。
そばまで行って、見上げる。いやいや、高い。上までは約380m。

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岩の表面は、プリンの表面にフォークで筋をつけたように、柱状に固まっている。
この岩の形がどうやってできたかについては、学術的な観点からの説(地下のマグマがどうのこうの・・・)の他に、昔からの言い伝えもいくつかあるようだけれど、わたしは、熊がよじ登ろうとしたときについた爪痕だという言い伝えが一番好き。

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よくよく見ると、爪痕の中に人の姿があった。ときどき動くので本物の人間だというのがかろうじてわかるくらいに遠い。
どれくらいのスピードでどうやって移動するんだろう。しばらく眺める。あっ、腕が動いた。あっ、足が動いた。都度感心する。しかしなかなか上には動いていかない。
「暇な奴もいるもんでさあ、あいつは一日中釣りしてましたぜ、俺はずっと見てたから間違いないですぜ」なんていう、落語の小咄を思い出す。
自分もそんな与太郎にならないように、そこはまあ、ほどほどに。

岩登りをしない場合には、この岩の周りをぐるっと一周歩くことができる。
大雨の日に歩いたところ、低い雲が頂上を隠す幻想的な風景に包まれながらのトレッキングになった。

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なかなか神秘的ではあったけれど、せっかくなら天気のいい日に歩くことをお勧めします。
もちろん、この日は岩登りの人はいませんでした。


デビルスタワー国定公園(ワイオミング州)
Devils Tower








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