週末の夜は映画をお供に「ちょっと思い出しただけ」
週末の夜は早めに家事を済ませてソファに腰掛ける。
サブスクの海からみたい映画かドラマを探り当てるこの時間が好きだ。
最近は部屋の明かりを暗くして,さながら映画館のようにしてみている。
今回選んだのはこれ。
『ちょっと思い出しただけ』というちょうど1年前に公開された作品。
最近こういう一つの恋愛の始まりから終わりみたいな映画をよくみるような気がするが,流行りなんだろうか。ただこの映画の場合,しばらく何が起きているのかわかりづらい仕掛けがしてあるので,初見だと入り込むまで少し時間が必要かもしれない。
『花束〜』で号泣した私だからこの映画も泣くかなと思っていたが,結論から書くと全く泣かなかった。多分,私自身のキャラや状況的にこの主人公たちが暮らしている世界と遠すぎて感情移入しきれなかったからだと思う。
でも,泣けるかどうかは別としても面白い映画だなと思ったし,クリープハイプの『ナイトオンザプラネット』がいい仕事していた。
やっぱりこの曲あってのこのストーリーなんだな,と。
少し前までの恋愛系の映画って,片想いの切なさとか二人がすれ違ったり右往左往したりしながら最後は結ばれてハッピーエンド的なストーリーが王道だったように思う。特に女性向けは,さらに白馬の王子様的要素も盛り込まれがちだった。
でも,ここ数年始まって終わる恋のストーリーがすごく増えた。私がそういう映画を好んでみているというのもあるかもしれないが,確実に結ばれて終わりという映画ばかりではなくなったように感じるのだ。
主人公もキラキラしすぎず,いい意味でその辺にいそうな感じがする。
そしてそういう楽しい,先のない恋愛はいつか終わるという暗黙の了解も含めてリアルだなと思う。
だからこそ自分のこれまでの経験と重ねて,気軽に感情移入できるのかもしれない。あぁ,そういうことあるよね。こういう恋愛って楽しいけどいつかは終わるんだよねって。
私がこの手の映画をみてホッとするのは,私だけがこういうイタい時間を過ごしていたわけではないと安心するからなのかもしれない。日頃から客観的にみた自分に対して,恥ずかしくて何やってるんだろうんなんて思うことの多い性格なので,なんだ皆こんなものかと思えると気持ちが楽になる。
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これは余談だが,クリープの曲も久しぶりに聞いた。
大学生の頃だったか一時期どハマりして何度もリピートしてライブのチケットを取ろうとしていこともあったのに,当時の恋人から「ふーん。そういうの好きなんだ」と冷めた声で言われてそこからぱったりだった。
誰もが名前をしるメジャーなバンドが好きな彼は,サブカルなものをどこかみくだして小馬鹿にする節があった。
でも今思い返したって,やっぱりいいじゃんと思う。
よかった,あの頃の私の感性は死んだわけではなかったようだ。
当時の恋愛を思い出すのではなく,好きだったアーティストを思い出した。
私にとってはそういう映画だった。
そしてもう一つ余談。
私は喫煙者ではないし,一度も吸ったことはない。
けれどこういう喫煙シーンの多く出てくる映画を観ているとなんというかカッコがついていいなとほんのり憧れる。だからと言って明日から吸おうとはならないんだけれど。
場を持たせるための煙草,気持ちを落ち着かせるための一服。手持ち無沙汰な時間や間を埋めるのにちょうどいいんだろうな。
そんなこともぼんやり考えていた。
そのお気持ちだけで十分です…と言いたいところですが、ありがたく受け取らせていただいた暁にはnoteの記事に反映させられるような使い方をしたいと思います。