芸歴と年齢の関係

自分より年下ですが芸歴が上だから先輩という人がいます。僕は大卒で芸人になったので、3つ年下の先輩もいます。

僕より先にこの業界で努力されている方々なので先輩として敬うのは当たり前ですし、ちゃんと尊敬の念を持って接しています。こんなことは社会では当たり前ですし、これについて何の異論もありません。

でも僕はたまに考えることがあります。

僕は寒いのが苦手なので冬がめちゃめちゃ嫌いです。子供の頃から冬を心の底から憎んでいます。一年中夏でお願いしたいです。お願いします。一年中夏を申請します。ネットでも出来ますか?

本当に冬が嫌いです。僕は今年30歳、死ぬほど辛い冬を30回も耐えてきたことになります。毎年毎年「もう無理や」と思いながらも、僕は冬を30回も耐えてきました。

例えば僕より1つ年下の人は、僕より1回だけ耐えた冬が少ないです。1回冬少ない。僕より1回楽してる。そう考えると、なんや、大したことないな、と思うことがあるのです。なんじゃい。俺より1回冬少ないんかい。コーヒー買ってこい。

3個下て。3回少ないんはやばいよ。話にならん。3回は価値観が違いすぎる。君が何言ってもちょっと響かんわ。まず俺と同じ数冬こなしてからもう一回おいで。早よ帰り。

そうなると常夏の赤道付近の国の人たちは全員年下です。1回も冬耐えてませんから。貫禄あるおっさんも賢そうなサラリーマンも何も怖くありません。僕たぶん鼻ほじりながら大統領と握手できると思います。「俺冬30回やねん」というだけで向こうは何も言い返せません。

亜熱帯の沖縄は、冬になっても少し肌寒いくらいなので、本州の半分くらいの経験値しかないと思っています。沖縄にずっと住んでる人は、還暦になってやっと今の僕と対等に話すことができます。沖縄の60歳は僕と同じような思い出持ってます。

グリーンランド。こーれはいかつい。一年中冬ということは僕の4倍のペースで冬を耐えてるということです。尊敬しかありません。グリーンランドの60歳は、日本の240歳ということになります。もう木です。悟り倒してるでしょう。そらオーロラくらい見てください。

僕は冬が嫌いなので、僕より多く冬に耐えた人を尊敬します。だから後輩でも僕より冬が多かったら尊敬します。冬の数が肝心です。冬の数が何より大事です。冬の数を忙しい日々の中で忘れそうになります。失って気がつくのが冬の数です。

皆さんも冬の数を大事に生きてください。落ち込んだ時、苦しい時、冬の数はいつでもあなたの味方です。前を向いて、次の冬を越えましょう。それがまた、あなたの冬の数になるのですから。
俺何書いてるんやろ。おやすみなさい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?