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風船飛行

一つの風船が飛んでいる
どこゆく宛てか 尋ねてみたい
フワリフワリと舞いながら
その風船は私の許から少しずつ
西の彼方へゆっくり遠去かる
その光景が画(え)になる位に美しくなり
夕陽と共に私の視野に華が生まれて
まるで自分まで宙に浮く気分
フワリフワリと感じ出し
私の頭の中は空っぽになる
就いてゆきたい 就いてゆけない
風船の後(あと)を物欲しそうに目で追うばかり

所詮私も地上と触れ合う人間
風船みたいに まさか飛ぶなんて
考える事すら おかしなこと
なのに飛んでる気持でいっぱい
フワリフワリと飛びたくてたまらない
いつだって飛びたいという事を
じっとしていたら 忘れられない

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