心と頭がいっぱいなので今日はベランダで昼寝します
「今日の空の青色は好みの色だわ」
「風が強くて雲がどんどん移動するな」
ベランダに寝っ転がって、うつらうつらとしながら空を見る。
物干しに引っ掛けている掛け布団が日除けにちょうどいい。
「休みの日はテラスでバーベキュー」なんてのとは程遠く、ベランダに子どもの遠足用のレジャーシートを2つ広げて、小さな机とクッションを並べた。
「今日はお昼をベランダで食べよう」
こたぬきずにそう伝えると、娘は喜んだが、息子はなぜか訝しんだ。
「なんで?部屋使えないの?何かあるの?」
5年生にもなると、すっかり分別もついて、ベランダでご飯を食べようなんて、何か「異常」「異変」があったに違いない。そう思うようだ。
たしかに、彼のそのセンサーはある意味で正しい。でも異常があったのは、部屋じゃなくて、「母の心」だ。
昨日の大雨で少し暑さの収まった外の様子を見て、どうしても外で食事を取りたくなった。
家の中は息が詰まる。
3連休の最終日、あいにく夫は仕事に行き、たぬきち1人でこたぬきずを連れてピクニックに行くなんて体力もない。
「そうだベランダに行こう」
スーパーで買ってきた惣菜も、ベランダで食べるとなんだか特別な感じがするじゃないか。
どんどん日が高くなり、流石に居心地は悪くなる。しばらくたぬきちの思いつきに付き合ってくれていたこだぬきずも、昼食を食べ終えるとクーラーの効いた部屋に戻っていった。
熱中症も怖いし、それでいい。
2人がいなくなった分、広くなったレジャーシートに横になって、たぬきちは天を仰いだ。
「暑くても外がいい」
半分は痩せ我慢で、半分は願望
幼子のような
「イヤだ!部屋に入んない」
そんな気持ち。
「イヤだ!もう働きたくない」
そんな気持ち。
仕事で、どうしようもない壁にぶち当たっている。
権力者による「鶴の一声」
その人が「黒」と言えば白いものも「黒」になる。よくある話。
多くの人が関わり、考えて作った見事な「白」を、あのおじさんがやってきて、土足で踏み荒らし「黒」だねと言って去っていった。
周りにいる大人たちも、「いい黒になりましたね。これで行きましょう!」と言って真っ黒になったそれをたぬきちに突き返してきた。
今まで一緒に「白」くしてきたメンバーに、「今回は「黒」になりました」と謝ってまわるのが私の役目。
「何やってんだ」
「私、いらないよね」
さすがに疲れる。
有名な編集者の企画コンペでも相手にされず、noteの創作大賞にも箸にも棒にもかからず、やってることの全てに意味が無い気がする。
「本気で成功したいんなら、血反吐吐いてでも、奥歯噛み砕いてでもやれよ」って?
「送りたいのはそういう人生じゃないんですよねー」
カッチカチのベランダで、暑い太陽に燻されながら、またうつらうつらと夢の中へ。
こんなに暑いけれど、吹いている風に何となく秋を感じる。
今日も地球は回ってるねぇ。
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