
中国語での漫才
◆台湾初漫才
今回は台湾初漫才の話。中国語を全く話せない状態で台湾に来た僕が初めて中国語で漫才をしたのは、台湾に来て二か月の時でした。これだけ聞くと「凄い!」と言ってくれる人が多いんですが何も凄くはありません。ただの無茶ぶりです。急に漫才をやる仕事が入りやらざるを得なくなったんです。
◆漫才って何?
「台湾には漫才がないから頑張らないと」と思いつつ、まだまだ僕の中国語は簡単な返答がやっと出来るレベル。発音も全然分からないから以前書いた発音記号の注音とカタカナを組み合わせてただそれを覚えていく作業でした。参考までに紹介するとこんな感じです。
好懷念 ㄏㄠˇㄏㄨㄞˊㄋㄧㄢˋ ハオホワイニエン 懐かしいね
你在說什麼 ㄋㄧˇㄗㄞˋㄕㄨㄛˉㄕㄜˊㄇㄜ˙ ニーザイシュオシェマ 何言ってんだよ
言葉と意味が繋がらないのでチンプンカンプンです。「何言ってんだよ!」とツッコんでる僕自身が自分が何言ってるか分かってないんです。もちろん相方が言ってる言葉もサッパリわからないので相方が話終わったら覚えたカタカナの羅列をツッコミっぽい口調で言う。もちろん日本語の意味は頭に入れてるんですが実際漫才をやってる時には曖昧になってしまいます。とにかく必死でセリフを覚える毎日。何度も言いますが中国語は発音命!日本語英語のような発音では何言ってるかまったく伝わらないので、発音も意識しつつセリフを覚え台湾人の友達に何度も何度も見てもらいました。
◆台湾初舞台
そんなこんなで迎えた本番。お客さんの数は500人程いてイベントのゲスト枠のような感じで漫才をさせてもらいました。ネタのテーマは台湾に『一二三木頭人』という遊びがあり、それが『ダルマさんが転んだ』と同じ遊びだからちょっと練習してみようというもの。
「聞き取ってもらえるのか」「ちゃんと伝わるのか」とドキドキしていましたが、結果は何回か拍手笑いもありそこそこウケたと言っていい感じでした。これで大成功!と言えたら良かったんですが、ここから『漫才がない』ということの本当の意味を痛感していくことになります。
今思えば初舞台でそこそこウケたのは日本人が下手くそな中国語を一生懸命言ってるからというのが大部分を締めていたんじゃないかと思ったりもします。
稽古中台湾人の友達に「何言ってるか分かるけど、何やってるか分からない」と言われたことがあり、やっぱり「漫才がないから大変だなー」なんて思っていたんですが「大変だなー」ではなんともならない問題がここからどんどん出てきます。
次回は『漫才がない』とはどういうことかを実体験を元に紹介したいと思います。
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