金魚坂めいろ騒動の私見のはじまり sec3

【ライバーだってお仕事です】

今回は職業としてのバーチャルライバーを見ていきたいと思います。

リスナー側から見ると少し違和感があるかもしれませんが、ライバーたちにだって生活はあります。皆さんのスパチャやメンバーシップによって生計を立てているのです。

もちろん彼らは露骨に私たちに金銭を要求はしません。
スパチャやメンバーシップは必ずしも支払わなければならない対価ではないからです。

「応援したい」「もっといろんな企画や配信、動画を見たい」という気持ちをお金という形でいただくわけですね。
似たようなもので言えば、路上ライブの投げ銭と同じようなものです。

エンターテイメントを提供し、そのエンターテイメントにお金を払いたいと思わせる。一般的な職業とは異なり、時間や労働量に対して対価が支払われるといったものではありません。(案件などは例外に入りますが)

Vtuberだけに限りませんが、人気や好感度がその人物やキャラクターに対しての「価値」になるわけです。

この「価値」とは誰が決めるのでしょうか?

ここでも例を挙げますが、有名人の不倫問題。この数年大きく取り上げられるゴシップのひとつです。
個人的に芸能人の不倫に興味はありませんが、なぜにこんなに取り上げられるのかと考えると、脳死で叩きやすい材料であるということ。

夫や妻、家族を裏切り、浮ついた気持ちで不貞行為に走った。
どんなに好感度や人気のある人物でもマイナスイメージを払拭するのはかなり難しい。(個人的には家族の問題であると思うので、外野が大騒ぎするのはいかがなものかと思います)

この不倫問題は当人のイメージによって、その人のダメージは大きく変わってきます。

私が興味深いと思ったのはベッキーと川谷絵音の騒動。
ベッキーのタレントイメージは元気はつらつで表裏がなく明るい。
不倫問題は彼女のこのイメージを180度変えてしまい、あっという間に仕事は無くなってしまいました。
世間が求めていたイメージからかけ離れた行動が人物そのものを否定してしまった。
過去のようなイメージで売り出していくのは難しいし、新しいタレントイメージをつけるにしても不倫という問題は影のようについてまわる。

例が長くなってしまいましたね…
まとめとすれば「一旦ついてしまったイメージを払拭するのは難しい」ということです。

ここで例の騒動に話を戻しましょう。
騒動としては一旦の区切りをつけた「金魚坂めいろ引退騒動」
めいろは引退したため、にじさんじとしてのこの先のライバー活動はありませんが、夢月ロアはこの先もにじさんじのライバーとして活動していかなければなりません。

しかし、事実はどうであれ後輩にパワハラと思われてもしょうがないような行動をとった人物というイメージは今後の活動についてまわってしまう。

元々、夢月ロアがライバー同士でのトラブルになったことが初めてでないことはにじさんじ好きであれば周知の事実かと思います。
同期、郡道美玲との不仲説です。

デビュー当初は同期として頻繁にコラボしていた2人ですが、全くコラボ配信をしなくなってしまった。
リスナー(ここでは杞憂民というのが適切でしょうか)はこれに過敏に反応し、本人たちがわざわざ説明しなければいけない事態となりました。
(同期どうしが必ずしも仲良くなければいけないという幻想自体がすでにおかしいような気もしますが、ここでは深掘りはしません。別の記事でじっくりと書きたいと思っています)

これはロア、郡道のどちらかが悪いなんてことはありません。
私たちも同じクラス、同期で入社した仲間に反りの合わない人物がいることもあるでしょう。入学、入社時は知り合いも少なく、とりあえず身近な人間と仲良くなってから関係を広げていくことは至って普通のことです。

ここまででこの話が終われば杞憂民の杞憂で済んだのですが、今回の騒動の中で夢月ロアは騒動になんの関係もない郡道美玲のフォロー外し問題をなぜか騒動に関するツイートの中で触れてしまった。

郡道はこのツイートに関し、

自らフォロー外しは行っていないこと。
今回の騒動に関しては一切関係がないため、該当のツイートに関してこれ以上説明することはない。

と反応しました。
まぁ当たり前ですよね、実際の騒動に関係がないのに、まるで自分もこの騒動に加担していたなんて思われたらたまったもんじゃありません。

ここからは私見です。
夢月ロアにとって今回の騒動は「自分にとっての仲間は誰か」を探ることになってしまったと思われます。

自分がライバーとして積み上げてきたものを一緒に守ってくれる仲間がとにかく欲しかった。
リーク情報として、ライバー全体のチャットで金魚坂が訛りをやめるように運営に言われていることを相談しました。リーク情報は一部切り取りのため誰が反応したかまでは分かりませんが、数人のライバーは新人の悩みに応えようとしたはずです。

この反応は夢月ロアにとってはかなりショッキングな出来事であると考えられます。

「一緒に活動してきた仲間に新人側につかれてしまったら私はどうしよう」
「私が築いてきたものが奪われてしまうかもしれない」

この不安と焦燥感は彼女が今回の騒動につながる行動に走らせてしまったと考えるのも無理はないことだと思います。

その気持ちはわかりますが、今回とった行動はあまりにも軽率で衝動的すぎた。
そもそもライバー活動というのは「仲良しごっこ」ではありません。
かなり現実的なことを言えば個人事業主なわけです。

Facebookを設立したマークザッカーバーグは友人数人と会社を立ち上げましたが、経営方針の違いによりバラバラとなっています。
ここでの例は会社内での話ですから、少し方向性は異なりますが仲良しこよしで利益を生み出すのは思っているよりも難しく、元々あった友情関係をもろく崩してしまうこともあるのです。

ライバー本人がこの人と絡むことで利益が生まれると思ったライバーと活動することは悪なのでしょうか?
逆を返せば、この人と活動しても実入りがないと思われれば一緒に活動しないことはいけないことでしょうか?

もちろん答えはありません。
ただひとつ言えるのは夢月ロアのライバー活動には前途多難が待っているということです。

「閑話休題」
今回面白かったのは花畑チャイカ、文野環が今回の騒動を自分の配信の中で触れたことです。
この2人のキャラクターはどちらかといえば常識から外れている狂人的立ち位置。(2人の推しがいたら怒らないでください、あくまで箱内での立ち位置を客観的に見ているだけなので…)

この2人がとても真面目に真摯に今回の騒動を語ってくれました。
ここで内容は詳細に語りませんが、この騒動を本気で憂い、考えたからこその発言だと思います。
今回の騒動に触れることは彼らにとってプラスなことはないはずなのに。
それでもこの2人が触れたことに小さな光が差した、そんなふうに感じたのは私だけではないはずです。

悪い面ばかり取り上げてきましたが、にじさんじには数多くの素晴らしいライバーが存在します。
もちろん夢月ロア、そして引退してしまった金魚坂めいろもです。

今回でこの騒動に対する私見は終了となります。
この数日、記事を書くにあたり、さまざまなことを考え、いろんな方の意見やツイートなどを拝見しました。

私も今回の騒動でVtuberから少し距離をとった方がいいかもしれないと思うほどでした。

しかしその負の感情よりもまだまだ素晴らしい出会いがあるかもしれない、もっと未来を見てみたいというのが私なりの結論でした。

素晴らしい未来のために関係者は尽力してほしいと願うばかりです。

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