ジェンダー平等は女性だけのもの?

ジェンダー平等とは、誰もが性別に関わらず平等に機会を与えられることだ。連日新聞やテレビがジェンダー平等について報道するが、“ジェンダー平等は女性だけのもの”という印象を受ける。

しかし、本当にそうのだろうか。


私は、女性が男性と同じだけ能力があり同じだけ働いても、賃金は低く昇進の機会も少ない現状を変えたいと思い、ジェンダー論を学び始めた。学校ではいつでも性別に関係なく学んでいるのに、社会に出た途端“性別”という自分ではどうもできない先天的な要因で正当に評価されないことは悔しいからだ。

ジェンダー論を学んでいると、次第に男女平等が社会全体を幸せにするのではないかと思うようになった。

例えば、家庭内で夫婦が家事と収入を半分ずつ担当すると離婚率が半減する。実は性別による家庭内での分業は、一般に稼ぎ手とされる男性のも悪影響を及ぼしている。男らしさを求められ、1人で家庭を経済的に支えることは彼らの大きな負担となり、自殺率を引き上げている。一方で、育児や介護をする夫は幸福度が高い。さらに父親の育児参加は子供の社会的能力も上がる。

 ジェンダー平等は、マクロな視点でもよい影響がある。女性取締役のいる企業は業績が上がるなど経済を活性化する。平和や環境保全の問題に関して女性の視点は有効だ。こうした結果を前に、ジェンダー平等が女性だけのものと言えるだろうか。性別を考えすぎないことはLGBTQにとっても生きやすい社会になるのではないか。


 では、具体的にはどうしたらよいのだろうか。

ここでは育休の制度の見直しをとりあげる。2018年における日本の育休取得率は女性が82.2%、男性の育休取得率はわずか6.16%であり、大きな問題となった。育休取得の偏りは、女性が家事をするという概念を固定化する。男女がともに育休をとるようになれば、女性が昇進する機会が減っているという現状を打開することにもなる。(現在は女性は男性に比べて会社より家庭を優先すると考えられているためそうした結果になっている。)


 一方でスウェーデンでは、男性の育休取得率は9割である。スウェーデンでは、父親と母親を合わせて480日の有給育児休暇を取得することができる。(480日の内で相手に譲ることができない育児休暇日数は90日。休暇は利用しなければなくなってしまう仕組みだ。)育児休暇のうち、390日は休暇前の給与の80%が支払われる。ちなみに育児休暇をまとめて取る必要はなく6か月ずつ交代で育休をとることができる。(仕事を1年休んだら新しい技術についていけなくなった!という浦島太郎のような悲劇が回避できるのだ。)また、スウェーデンでは育児休暇の分割や子どもが8歳になるまでは、勤務時間を短縮することができる。こうした制度がスウェーデンの父親の育休取得を推進しているのだ。


 日本もスウェーデンの方法を取り入れてはどうだろうか。育休の制度改革は両性が家事をするという概念を浸透させる好機となるだろう。
ここまでで見てきた通り、ジェンダー平等は女性だけでなく社会全体にとって良い影響を持っている。もちろん、すべてを平等にすることを求めているのではない。体力の性差や適性は存在する。専業主婦、専業主夫の生き方を選ぶ自由にも賛成だ。ただ、今は選べない選択肢が多すぎる。だから、ジェンダー平等を達成し1人1人が自分の意思に沿って生きられる社会にしたい。



参考文献

Sandberg, Sheryl author. (2013). Lean in : women, work, and the will to lead. New York, New York :Random House Audio,

ates, Melinda, 1964-. (2019). The moment of lift : how empowering women changes the world. Sydney :Pan Macmillan Australia,

https://president.jp/articles/-/30798?page=2

https://globe.asahi.com/article/13192404

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