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昇格初年度でも「チャンスはあった」 関東サッカーリーグ2部優勝!成山監督インタビュー

4月6日~9月22日まで行われた第53回関東サッカーリーグ2部において、弊社クラブチーム Criacao Shinjuku が優勝し、JFLから降格するチームがなければ、無条件で来季より関東サッカーリーグ1部に昇格します。


今回は、成山一郎監督へのインタビューを通して今季のリーグを振り返ってもらいました。

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成山一郎監督
1977年岩手県北上市生まれ。高校時代はサンフレッチェ広島ユースに所属し、大学時代は関西学院大学体育会サッカー部に所属。2010年より同大学の監督に就任し、2015年には大学サッカーで2度の大学日本一を含む四冠を達成した。2017年にはJ2・愛媛FCでコーチを務め、2018年より「Criacao Shinjuku」の監督を務めている。


「均衡したリーグだからこそ、チャンスがあった」

関東リーグ2部で優勝することができました。今の率直な感想を教えてください。「優勝という目標を達成できて、ほっとしています。この目標を達成することができたのは真剣に取り組む選手・スタッフ、その選手の力を引き出してくれる運営の方々、応援してくだる方々、全員の力が合わさったおかげだと感じています。今季もこの素晴らしいチームで監督ができたことを誇らしく思っています」

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最終戦後に胴上げされる成山監督



今季は初めて関東リーグに臨みました。シーズン前にはどんな準備をされましたか?

「昨年関東リーグ2部を勝ち抜いて今年から1部に昇格したTUY(桐蔭横浜大の社会人カテゴリーに参加しているチーム)の安武亨監督と関田寛士コーチ、同じように1部に昇格した日立ビルシステムの寺地廉監督にお会いしました。お三方から『昇格できなくても、おかしくなかった。それくらい実力が均衡している』と教えていただき、厳しい戦いになることが分かりました。また、だからこそ昇格したばかりの Criacao Shinjuku にもチャンスはあるということも分かりました」



初戦から8試合負けなしとかなり好調なスタートを切りました。ですが、前期第9節東邦チタニウム戦(0-2)で初めて敗れると、次節(後期第1節)ではさいたまFCに敗れ(1-3)、2連敗となりました。当時のチーム状況を振り返ってみていかがでしょうか?

「自分を含めて、相手チームとの勝負の前に自分自身との戦いに負けていました。東邦チタニウム(前期第9節)に敗れた際には『1回くらいは負けるよ』とか『次は前期勝った相手(さいたまFC)だから勝てるよな』とどこかで甘く考えていました。ただ、自分も選手たちも2連敗をしたことで『さすがに自分自身に目を向けないとまずいな』と気付きました」


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後期第1節さいたまFC戦



「絶対に克つという覚悟を持って臨めるか」
連敗後の後期第2節ヴェルフェ矢板戦では1ー0で勝利し、後期第8節tonan前橋戦(2-0)まで7連勝します。そして、後期第7節では優勝が決まりました。
「ヴェルフェ矢板戦(後期第2節)は連敗の悪い流れを引きずってなかなか得点できない厳しい試合でしたが、どうにか1-0で勝つことができました。1つの試合に勝つということの大変さと、自分自身に克つことの大切さを改めて実感することができました。


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後期第2節ヴェルフェ矢板戦



『ここで勢いを出したい』と思っていた後期3節東京国際大学FC戦(4-1)は、駒沢公園補助競技場で沢山の方々と力を合わせた集中応援でした。株式会社Criacaoのオフィスで自分も仕事をしているので、インターンの学生を中心に社員全員で準備してくれていたのは知っていたのですが、当日会場に向かうと驚きました。日曜の夕方にも関わらず、今まで見たことのないくらい多くの人が来てくれていました。会場の雰囲気や声援が凄く力になりました。おかげで今季一番の会心の試合をすることができ、その後の連勝や優勝に繋がったと思っています。来てくださった皆さま、企画・運営してくださった方、本当に感謝しています」

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後期3節東京国際大学FC戦



振り返ってみると、後期第2節ヴェルフェ矢板戦は大事な試合になったと思います。試合前、チームにはどういうことを伝えたのでしょうか?

「『みんなはシーズン当初は仕事もサッカーも全力でやると決めて、その通りにやってきた。どちらも頑張るのは本当に大変なことだったと思うが、やると決めたことをやり抜く強い自分で結果を出してきた。ただ、連勝して1位になると「今日くらいは練習を休んでもいいだろう」とか「これくらいの練習でいいだろう」と妥協する弱い自分に負け始めて、その結果が2連敗に繋がった。たしかに、この一週間は初心を思い出して、仕事もサッカーも懸命に取り組んできたと思う。だけど、それでようやくスタートラインに立てただけ。それで勝てるほどサッカーは甘くない。今から始まる試合で、真剣勝負で、辛くなったり苦しくなったりした時にも、弱い自分に負けずに絶対に克つという覚悟を持って試合に臨めるかだ』と伝えたと思います」



後期第4節エスペランサSC戦で、それまでサイドハーフやフォワードで起用していた高橋滉也選手をボランチで先発起用したのは、なぜでしょうか?

「この試合の前週に中央大学と練習試合をして頂きました。ですが、選手が集まらなかったことでボランチが空いてしまいました。誰を起用しようかと考えていた時に思い当たったのが、守備意識が高い高橋(滉)でした。試しにボランチで起用してみたら、サイドハーフで起用した時よりも持ち味の運動量とスピードが生きて素晴らしいパフォーマンスでした。周りの評価も高くて、本人に聞いても『すごく面白かった』と言っていたので、後期第4節エスペランサ戦からボランチとして起用しました」



今季よりJ2・徳島ヴォルティスから加入した井筒陸也選手とは、関西学院大学でも一緒でした。Jリーグを経てきた井筒選手に変化はありましたか?

「変わった点と変わらない点がありました。変わった点は、サッカー選手としてサッカーで自分が結果を出す、という強い責任と覚悟です。大学の時はプレーよりキャプテンシーに目が行きがちでしたが、今ではその能力を持ったまま、プロの勝負の世界で培った凄みのあるプレーを披露しています。良い意味で変わっていないのは、人間性の素晴らしさです。J2からカテゴリーを下げて関東2部に来ても、練習も試合も一生懸命にやってくれています。そういう姿勢を自分は本当に尊敬しているし、チームにも良い影響を与えていると感じています。Criacao Shinjuku でまた一緒にサッカーができて本当に嬉しく思います」

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井筒陸也(後期第7節アイデンティみらい戦)



「できるかできないか」ではなく「本気でやろうとしているか」


成山監督は大学やJリーグをはじめ、様々なカテゴリーでの指導経験があります。関東リーグといういわゆる「社会人」カテゴリーは、他のカテゴリーとどう違うと考えていますか? 

「関東リーグには学生チームもあれば、プロのような環境のチームもあるので、『社会人』と一括りにすることはできないと思います。ですので、様々な特徴を持ったチームが参加しているというのが違いではないでしょうか。そのような違いの中、大事だと思うことは、自分たちの立場をどう捉えるかです。大学チームには大学チームのメリットがあり、プロのような素晴らしい環境を持ったチームにはそのメリットがあると思います。そして、Criacao Shinjuku の選手やスタッフは、仕事とサッカーの両立という立場をメリットとして捉えています。仕事で学んだことをサッカーに、サッカーで学んだことを仕事に生かそうとしています。それが Criacao Shinjuku の違いや強みになっていると感じています」


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今季はまだ終わっていませんが、来季のことを少しお聞きしたいです。関東1部に昇格する可能性が高い中で、何を大切に戦っていきたいですか? 

「2つあり、1つ目は理念です。自分は就任二年目ですが、それよりもずっと前から Criacao Shinjuku は『サッカーを通じて、世の中に感動を創造し続ける存在でありたい』という理念を大切にしてきました。どのカテゴリーに所属することになっても変わらずに、この理念を大切にしていきたいです。2つ目は目標です。『2025年に世界一のサッカークラブになる』という目標があります。そのために、来年の目標はJFLに昇格することです。スケジュール的にも過酷で、難易度も高いです。世間から見ても『無理だ』と思われるかもしれません。ですが、『できるかできないか』ではなく『本気でやろうとしている』という在り方を大切に、来季も戦っていきたいです」


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