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原理原則を抑える


いろんな角度から、いろんな人が情報を発信する時代になった。完全な情報社会となり、情報を得る事よりも、情報を見極めることが重要になってきたのを日々実感している。



情報の捉え方について

情報整理の方法は色々と試行錯誤したが、最終的に情報を「木」で捉えて考える手法に辿り着いた。

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何かを知ろうと思った時に、
①「原理原則」は何か? 
②そこから派生した枝情報は何か?
③根拠がある話か? 持論か?
④根拠の範囲は?

を考えて情報を取り入れるようにしている。



例えばダイエットの世界では、ファスティング、バナナダイエット、ダイエットマシン、有酸素運動、などいろんな角度からダイエットの手法と根拠を語る人たちがいる。



情報を「木」で整理して、ダイエットについて考えるとこうなる。
※私はダイエットのプロではないので、自分なりに今ある情報の中で整理するとこうなるという内容です。

①原理原則は何か?

<体重原理>
消費カロリー > 摂取カロリー = 体重が減る
消費カロリー < 摂取カロリー = 体重が増える

<消費カロリー原理>
消費カロリー = 基礎代謝 + 運動
基礎代謝は肝臓27%、脳19%、筋肉18%という割合。

<体重が落ちる原理>
体重が落ちると、1脂肪:4筋肉という割合なので基礎代謝が下がる要因となってしまう。そのため筋肉量を維持するための「筋トレ」+「筋肉をつくるためのたんぱく質の摂取」が必要不可欠になる。


②原理原則から派生した情報

ファスティング、バナナダイエット、ダイエットマシン、ダイエットサプリメント、運動習慣、などといった手法。


③根拠がある話か、持論か?

根拠があるから正しい。持論だから間違っているというシンプルな構図ではない。科学的根拠の中にもランクが存在しており、バナナダイエットはダイエットで●●に効果があることが科学でわかりました!みたいな情報ほど怪しいものはない。

例えばバナナダイエットで検索してみると、バナナの中には〇〇の成分が入っており、こういった成分は△△のような効果があります。みたいな文章が記載されている。

ここでわかったことは、「〇〇という成分は△△という効果がある」ということだけで、どれだけの頻度で、どれだけ摂取すると、どれぐらいの効果があるのか?という具体的な情報は一切ない。つまり科学で証明されているのは効果であり、具体的な量と効果については一切ふれていない。効率が悪くても、少しでも影響があればいいという話である。

こんな情報はビジネスの世界に置き換えれば、デスクトップの画面を森の写真にするとリラックス効果が生まれて、ストレスの高い事務作業もストレスが軽減されて離職率防止に繋がりますよ!とPRしているようなものだ。


④根拠の範囲

ここは③に繋がってくるのだが、上記のバナナダイエットの例は根拠範囲が「バナナダイエットの効果」に限定されている。つまり枝情報だけで根拠が設定されており、原理原則と紐づけることはされていない。

こういった部分切り取り型の根拠はかなり胡散臭い。だけど興味・関心が生まれやすい部分ではあるので注意が必要ですね。



個人的にダイエットという分野はかなり情報が荒れている印象だが、(キャリアはダイエット以上に荒れているが...)これはビジネスの世界でも同じことが言える。みんな原理原則を無視して、枝を主張し、枝の根拠をPRしているような情報ばかり。




キレイごとの循環モデル

枝情報が悪だという訳ではないし、枝情報のトレンドをしっかりとキャッチしておくことは重要なファクターです。しかし原理原則が見えていない人間が枝情報のトレンドを追うのは愚かな行為です。こういう人たちは商談をしていて30分ぐらいで違和感を覚えるし、宗教のように枝に癒着したりするので面倒くさいケースが多い。


原理原則を無視した面倒くさい人間が成功している事例もみるが、そういう人のほとんどはビジネスモデルが宗教のようになっています。


「現実を無視したきれいな言葉」を発信し続けて、現実逃避したい人間がそこに群がる。(現実逃避したい人は沢山いるので、たくさんのフォロワーがつく)人が群がればそこにビジネスが生まれ、キレイごとでビジネスが成立する人が生まれる。キレイごとでビジネスが成立している姿を見て、また現実逃避したい人たちがどんどん群がっていくという循環を生み出している。


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とても恥ずかしい話ですが、私も過去にこのキレイごと循環モデルを使って稼いでいた時代がありました。当時の自分は全く悪気がなく、むしろ良いことをしていると思い込んでいました。結局現実逃避させた人材はみんな離職を何度も繰り返し、理想の職場がどこにあるのか迷走する人が多かったです。もちろん成功事例もいくつかあるのですが、それは彼らに現実と向き合う力があったり、良い上司に恵まれたことで実現した結果でしかない。




原理原則を抑える

そんな過去の反省も含めて、皆さんには原理原則と向き合ってキャリアを考えてほしいなと思っています。目的・ビジョン・何のために働くのか?という問いについて考える事も大事なことなのですが、まずは資本主義という社会の現状を受け入れ、向き合う事も必要だなと思います。


最後に原理原則と向き合う上で大事なことを2つ紹介します。


①会計について最低限の知識をいれる
会計のプロになる必要はありませんが、最低限会社の「お金の仕組み」を理解することはとても重要なことです。20代であれば下記のような本を読んでおくことをおススメしたいです。

・マンガ 餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?
・マンガ 美容院と1,000円カットでは、どちらが儲かるか?
・会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方



②振り返りの方法について
仕事をする上で常に下記の問いを考えることは重要です。毎日・毎週・毎月・毎年振り返る癖をつけてみましょう。

A 自分は何を求めているのか?
B それに対してどんな行動をしたのか?
C AとBは繋がっているか?(手法と量)


慣れてきたら精度を高めて自己流にアレンジしていいと思うのですが、まずはここからスタートしてみる事が重要です。




最後に

色々と書きましたが、私はキレイごとを否定しているわけではありません。現実だけの世界は退屈だし、ワクワクしないし、熱量が生まれない。だからこそ現実の先にある理想を追求することはとても重要なことです。

しかし現実逃避と理想は別物です。

他人のきれいな言葉に流されすぎて現実を見失うことが、キャリアにとって最も大きなリスクに繋がることをこのnoteで皆さんに伝たい。


共感とは皆さんの「知識・経験」に比例します。
だからこそ情報を得ようと努力する前に、まずは情報を見極めるための知識・経験を身に着けておくことをおススメしたい。

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