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トークン設計の反省と再定義

VALUサービスのチーフディレクター、高橋です。

VALUの社員ノート、第5弾の更新となります。
本業に全力を尽くす前提において、なかなか良いペースでリリースできているように思います。(このように自分で自分を褒めることでモチベーションを維持しています)

さて、今回ですが「僕らが先々どこに向かおうとしていて、その中で、先日リリースしたイベント・チケット機能にどんな意味を込めたのか?」について、説明したいと思います。

スタートアップの僕らに失うものは何もないので、僕が考えている計画的なものはさらけ出してやろうという所存です。


イベント・チケット機能はトークン取引を活性化させる仕組みのひとつ

まず、改めて―となりますが、

VALUサービスの根幹は「自分のトークンや誰かのトークンを売り買いすること」です。

サービスを利用するために、売り手には "トークン発行" というセットアップが必要で、買い手には "BTCデポジット" というセットアップが必要です。

売り手のセットアップ導線を徹底的に改善しよう!というのが、先日のエントリ『使いたくなるVALUプロジェクト』の目的で、トークンの売り買いを活性化させる仕組みづくりは先々で対応を進めていく予定です。

― ですが、先日リリースしたイベント・チケット機能は "トークン取引を活性化させる仕組み" に位置付きます。当該機能は上記プロジェクト計画以前から既に開発が進んでいたので、現行の開発計画とはオーバーラップしている部分です。

順番が前後したとはいえ、イベント・チケット機能は先々において必要な機能・ユーティリティのひとつとなります。


トークン設計の反省と再定義

2017年、VALUサービスの立ち上げ期において、人に紐付くトークンの取引モチベーションはまだ分からない状態でした。とりあえず『マニフェスト』と『優待』という “箱” を用意してβ版リリースに至っています。

結論から言うと、いずれもトークン取引におけるモチベーションとしては充分に機能しませんでした。その要因として、下記のような問題認識を持っています。


1.有期性がない
 - マニフェストは「いつまでに□□したいから◯◯欲しい」というものではないので、支援してもされても進捗はハッキリしない
 - 優待に対象期間があっても、トークンに有効期限がなく無限性を持つ

2.見返りが約束されない
 - マニフェストは自分の思想や決意表明といったものであり、クラファンのように支援者に対してリワードをお返しするものではない
 - 優待は設定必須ではなく、履行責任も無い

3.履行が管理できない
 - 優待が履行されたか?その評価は?等を捕捉する仕組みがない

また、トークンを商品やサービスを購入するための通貨として運用することに違和感があり、「VALUではトークンが何のためにあって、トークンによって何が取引できるのか?」を再定義することにしました。

< これまでのトークン取引 >

この振り返りを経て、「有期的」で「見返りが明確」で「履行が管理できる」ユーティリティとして企画されたのがイベント・チケット機能です。

また、チケットの決済とトークンの決済を切り分けたことが、これまでとの大きな相違点となっています。

< イベント・チケット機能とトークン取引 >

イベント自体はイベント主催者が設定した金額を、BTCまたはJPYで決済します。そして、自分のトークンを持っているユーザー(VALUER)に対して、イベントへのアクセス権を付与したり特別価格で提供することが可能です。

要するに、あるイベントの人気が高まってきてアクセスできなくなってきたとき、その主催者との関係値が強い人が優先的にアクセス可能になる、という状態になります。

VALUにおけるトークンは、そういった人と人との関係値の強さを可視化する仕組みとして再定義することにしました。

一言でいうと、『会員権』です。


会員権トークンの構想

最近、VALUご利用者の中で地道に努力してきた方々による成功事例を目にすることが増えてきました。

日本を代表するつみき作りを目指したイノウエシンヤ@クミノ工房さんによるKUMINOは、先日、第14回ロハスデザイン大賞2019 モノ部門大賞を受賞しました。
金もコネもない青年だったという中島匠一さんは、人気財布を世に送りだすヒットメーカーとなりました。
同じく、金もコネもなく、更にVRに関する知識もなかったという春野カズユキさんは、先日、10時間に及ぶVR音楽イベント「アルテマ音楽祭」を主催されました。

これらの事例に共通しているのは「VALUで活動資金を集めることができた!」…ということではなく、「VALUを通じて伴走してくれる協力者を得た」ということでした。トークン保有者は発行者を支援し、そこから仲間の輪が広がり、発行者のモチベーションも高まっていく。

何かを実現するために「資金さえあれば何でもできる」ということは決してなく、人による協力が必要です。今までは、人による協力を得るために法人化したり、 “誰か” や “どこか” に属する必要がありましたが、それが CtoCプラットフォームで自由に実現できる世の中になってきました。

VALUでは皆さんがより連携しやすくなる仕組みをつくりたいと考えており、VALUらしくトークンを用いた "仲間集め機能" を予定しています。

また、この度、VALU LTD.としては「評価の基準を変え、お金の流れを変え、フェアな世界をつくる。」というミッションを掲げました。

その中でVALUサービスは、がんばる人の “好き” とか “夢” が価値になり、誰かの「やりたい」とか「なりたい」という想いが叶えられるプラットフォームにしていきたいと考えています。

VALUご利用者の皆さんが、それぞれ仲間と連携しながら会員権トークンを用いた会員制ビジネスを展開できる場を提供したいと思っていまして、その青写真を図示すると、こんな仕上がりを目指しています。

< VALUステークホルダー相関図 >

現在地は「トークン発行までのユーザビリティ改善」の最中であり、「イベントチケット機能をいったんリリース」したところです。当該機能もUI/UXに課題たっぷりなので、開発体制を増やしてアップデートしていかなければなりません。

現状の"優待" は決済と履行管理が可能な『サービス販売機能』に昇華したいと考えています。

その他、構想段階のユーティリティ詳細については固まってきた段階で説明します。内製するものや外部サービスと連携するもの等、これから走っていく中で、いろいろ出てくるかと思います。

…とにかく、仲間が足りません。(夢と意志はあります)

世の中に新しい仕組みを生み出したいスペシャリストの皆様、ぜひご応募ください!

イベント・チケットの使い方

僕は『VALUユーザー座談会』という無料イベントを起案しました。実施は7月です。今後のVALUをユーザーと共創していきたいし、VALUの方向性を考えるうえでも、ご利用者一人ひとりの物語にめちゃくちゃ興味がありますので、当日が楽しみです。

代表の小川もイベントを起案したいと言っていたので、僕も手伝いますよと言って、『CEOレンタル企画』というタイトルで代表小川を時間貸しすることにしました。

7月9日の中で2時間ご指定いただき、所定の場所に小川を送り込みます、というチケットを5万円で販売しました。

属性はアントレプレナー。得意領域はブロックチェーンやトークンエコノミー、そしてFinTech全般です。

今回は売れてしまいましたが、反響次第では継続を検討していきます。もし小川を借りたいという方がいらっしゃったらご連絡ください。

また、我々は "価値に変えたい好きなこと" がある方々や、"叶えたいこと" がある方々とも日頃より接触していまして、必要に応じて是非サポートしていきたいと考えています。ここも、何かしら企画のようなカタチで動かしていきたいです。

引き続き、イベント・チケットまわりの動向にも、ご期待ください。

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