地方創生への挑戦。

2月の後半にあるTweetをした。



このTweetを取引銀行のスタッフが見ていただき、

それを地元の役場の方にお伝えいただいたそうだ。

(SNSすごい)


そして地元の役場から「地方創生にかかる参考人として意見を伺いたい」と言っていただけました、

会議自体は来週にあるようですが、

それを前に地方創生の難しさと面白さを改めて書いておきたい。


地元の町が好きだ。

僕は地元の町が好きだ、

小学生のころから歩いた街並み、

昔から変わらない何屋さんかわからないお店や、

喫茶店、

無駄にでかい公園、

僕だけではなく地元が嫌いだ!という人は比較的少ないんじゃないか?

そう思う、

最終的に住むのか、働くのかは別として、

やっぱりそこに"在って"欲しい地域なのだと思う。


地元の町が好きだ搾取

その"在って"欲しい地域、

それは愛される地域、地元。

それを守ろうと動く人たちがいる、

例えば地元の祭りの開催だったり、

子供向けの催しだったり、

ボランティア活動だったり、

それはとても大切なことなんだ、

しかし、その"好き"という気持ちが当たり前になってしまうことが一番怖い。

実はこういう会議に参加したりするのは初めてではなく幾度となく近隣の市町村も合わせて地方創生に関しては議論を重ねてきた。

そこでいつも発言しているの、

「若者の"好き"な気持ちを搾取しないで欲しい」

といことだ、

それはもちろん時間、お金の部分だ。

約5年前、

僕はこの地元の町でお祭りを開催した。

厳密にいうと過疎が進んで消滅したお祭りを地元の方達と一緒になって復活させた。

町とも何度も協議して、

少し予算を出してもらって、

僕たちは本当ほぼ無償でお祭りを開催した、

ボランティアを募り、芸人さんにきてもらったり、

地元のアーティストに歌ってもらったり、

なくなった地元のも復活して、

痴呆と老衰で動けなかった老衰でおばあちゃんが立ち上がって踊り出して、

みんな号泣する。

そんなドラマも生まれたお祭りになった。

消滅前は10名程度しか来なかった祭りに400名近い人たちが集まって、

お祭りは「成功」したのだ。


そこでもちろん「来年は」という話になった、

1年目はまずGIVEだろう、そう決めていた僕たちだったので、

1年目はほぼ無償で行った(何ヶ月かかけて数万円の収益)わけだが、

来年に向けて僕たちには1年目の実績がある、

それにタイミング的に僕は娘が生まれたばかりで、生活がある。

そんな中提示されたのは1年目とあまり変わらない予算だった。

(具体的な金額は避けておく)


僕はすぐに諦めた。

地元の町は好きだ、

しかし当時貯金がなくて、0歳の子供と妻を抱えて、

とてもじゃないがお祭りの開催はできなかった、

結局運営は地元の方にお願いし、規模を縮小しての開催になったそうだ。

そこで「お金、お金というのはだめだ」とすら言われた。


地元だからこそ

「地元のために!」という言葉が重くのしかかる。

だけどどれだけ好きであっても、

食べていけなきゃできないのだ。

今回のコロナで「休業と補償はセットだ」とよく聞くが、

地方創生と収益化はセットなのだ。


地方創生を考える時、まず考えるべきは経済合理性である。

補助金や地元の人のボランティアに頼っていてはいつかは終わる。

続かない。

地元を愛するからこそ"好き"を搾取してはいけない、

むしろ地元だからこそ生きていける仕組みを作る必要があるのだ。


魅力的と経済合理性は一致しない

そんなことを書いているが、

僕はやっぱり地元が好きだ、

その証拠に地元で企業しているし、新社屋を建設するための土地ももちろん地元で探している。

地元に法人税を落としたいと思っているから。


僕は19歳で大阪に出て、23歳にはオーストラリアに行った。

だから地元から離れて、その後帰ってきたので、

外から見た地元の魅力もとてもたくさん知っているつもりだ、


奈良の僕たちの地元は大阪市内まで電車で20分かからないし、

土地はめちゃくちゃ安いし、

事務所にできるマンションなんか2万円代でも探せばあるだろう。

それに待機児童もいない、保育園も充実しているし、

何よりゆっくり時間が流れていて、

"何もない"が"ある"町だと思っているのだ。



だけれど、

その魅力が=経済合理性

かと言われるとそれは違う。

居心地がいいだけではお金は入ってこないのだ。


地方創生を考える時に地方は4つに分類することができる。

住む、住まない

働く、働かない

を軸に考えるのだ

例えば

1「住む、働く」

これが理想的ではないだろうか?

地元に住みつつ、地元で働いてお金を落とす、

地域として成立している。

他の地域に依存せずに雇用を生みつつ、住む環境も整っている。


2「住まない、働く」

これも成立する、

大阪などは住むには高いが、都市部なので働きに出る。

そうすると日中のお金はもちろん大阪で落とすだろうし、企業も儲かるのだ。


3「住む、働かない」

これもなんとか成立する、

都市部に働きに出て、家は地方にあるパターンだ、

いわゆるベッドタウンだろう。

生活するための買い物などのお金は落ちていくし、魅力的な土地だと住宅なども購入されるだろう。


4「住まない、働かない」

これは問題だ、

そもそも人がいない、

住まれないし、働かれない。

言い換えれば地域として"新しく住みたい"という魅力もなければ、

"働きたい"とも思われない状態だ、

うちの地元はまだギリギリ3つ目のフェーズだと思うが、

少し駅から離れると4のフェーズになりそうなのだ。

この4の「住まない、働かない」の地方をどう変えていくのかを考える時に、

「うちの地元は心地いい」というのは関係ない、

経済的に合理性がある魅力が必要で、

その魅力を発信する覚悟と、リソースが必要なのだ、

今足りないのはその魅力の発見、

そして覚悟とリソースだと僕は思っている。

魅力の発見

この部分は間違いなくできる、

どんな地方でもできる。

僕はそう思う。

例えば、

僕はこの奈良の田舎で2つ目の会社を起業しようとしている、

それは圧倒的に物価が安いからだ。

マンションの1部屋を借りて6畳が2部屋ついて、リフォーム済みで敷金、礼金、保証金0円で、家賃33000円なのだ。


画像2

大阪市内までは車で30分、

物流でいうと東京でも物は翌日の午前中には届く、

正直どうしても東京、大阪ではなければいけない!というビジネス以外は地方で立ち上げるメリットはめちゃくちゃ大きい、

僕はここでアパレルブランドの立ち上げを行なっているのだが、

大家さんに「ここ壁とかいい感じにリフォームしていいですか?」って聞いたら即答で「もちろん」って言われた、

だからここの部屋を撮影できるスペースにもしようと思うし、商品写真くらいはしっかり撮れるだろう。

こういう優しさも地方ならではだろう。


地方はとにかく起業がやりやすい、

それに使っていないハコモノがめちゃくちゃある、

町と仲良くなれば無料、もしくは逆に地方が補助金を出してその建物を使うこともできる。


起業だけを進めるつもりはないが、

この様に地方はその地方特有の魅力があり、それをきちんと発見し後は発信を続けることだ、そうすれば地方創生が見えてくる。


小さな決断×巻き込む人×時間=変化

地方創生をする時にはやらなくてはいけないことはまずは目標を決めること。

10年後に今から何%の人口減少にとどめ、企業を100社増やす!

とか達成できる、少し頑張ればできる目標は立てられるはずだ。

これから間違いなく地方は衰退する。

しかしだからこそ「どう衰退するか」そして「どう継続させるか」を考えなくてはいけない。

そして継続させるために必要なのは"自走"することだろう。


その仕組みを作るためには

小さな決断×巻き込む人×時間=変化

なのだと思う。

小さな決断は本当に小さくていいと思う。

例えば

使っていない町の施設を1年間だけ起業する人に激安の家賃で使わせてあげる、

とか、

wifi引いてあげる、

とか、

とんでもない金額を動かさなくてもいいのだ。

小さな”許容"をいくつか作る。

そして人を巻き込む、

つまり参加者を募る。

そして最後の掛け算である「時間」をかけることだ、

物事は1日にしてはならず、

やっぱり続けることだ、

町長が変わったからとか、体制が変わったからとか、

そうではなく、

しっかりと続けて根付かせること。

それを続けるとやっと少しずつ変化が見えてくる。

僕はそう思う。

どんな長い道も1歩からだ。



僕はこの街で生まれた。

そして今会社があり、地元に少しでも貢献したいと思っている。

だからこそ経営者としての脳を使って、

"好き"にとらわれず、コツコツと実行していきたいと思っている。


というか、

奈良で起業しませんか?


Hide




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?