D2Cブランドが過去最高の結果を残せた方法
先日12月3日から始まった弊社の新サービス「新-ARATASHI-」ですがまぁまぁの滑り出しをさせていただきました。
8月くらいから事業構想を始めまして12月3日にローンチというなかなかのスピードで動かしてきましたが、そんな中賛同していただいたブランドの1つFilvoirが受注期間10日間で過去最高の結果を残し、たくさんのお客様に商品をお求めいただけました。
僕たちのこのプラットフォームの目標の一つに「デザイナーのポテンシャルを最大化させる」というミッションがあります。
そもそもファッションデザイナーとして表現を行って、付き合いではなくお客様が一着でも購入していただける時点で非常に才能があると思っています。
その才能を開花させて、最大化させることができれば日本の縫製業にまた十分な量の仕事が戻ってくると僕は信じていますし、僕たちが行っているMY HOME ATELIERという別のサービスに登録していただいている縫製職人さん達の仕事を確保できると信じています。
今回Filvoirというブランドが過去最高数のお客様にお買い求めいただけた成功要因を書ける範囲で共有しようと思っています。(ご本人に承諾もいただいております)
売上を上げるのは「自分自身である」と認識する
何度も書きますがデザイナーのポテンシャルを最大化させるというのが僕たちのミッションです。
もちろんサポートはしますが今回のFilvoirさんは「売ってもらっている」という意識を全面的に捨てて自分ごととして行動してくれていました。
この後に色々書きますが、正直この部分がこの記事で書きたいことの80%です。
「自分ごとであること」
僕は自分の起業体験からこの重要性を知りました。
僕たちのMY HOME ATELIERはコロナ禍でかなり重大な影響を受けました。
正直コロナ禍で売上が95%減少しそうになりました。(なんとか新事業で堪えました)
しかしそれまでは売上を毎年140%ずつ成長させており順調そのものでした。
しかし「案件の連続は事業ではない」ということに気づいたのがコロナでした。
僕たちの縫製工場としての事業は基本的に売上は減ることはあまりありませんでした、なぜかというと一度生産させていただいたファッションブランドさんはまた次のコレクションも縫製を依頼してくれていたしそのブランドさんが伸びれば伸びるほど僕たちの生産数も増えていきますから売上は伸びていくわけです。
ポイントとしては「離脱」さえ防ぐことができれば売上は下りようがないわけです。
しかしこの体制はまさに「案件の連続」でした。
売上の根源であるお客様を集める作業をデザイナーの皆様に依存していました。
売上を「他者」に依存していたのです。
わかりやすくいうと「あとはよろしく」状態です。
縫製工場なんだからしょうがない、といえばそうかもしれませんが実際問題しょうがなくなんてありませんでした。
コロナの結果ブランドさんが売れなくなった途端に弊社にも大きな影響がありました。
世間一般的には「コロナだからしょうがない」と言われるかもしれませんが、経営者としてはしょうがないもへったくれもなくて、売上がなくなったら潰れるし、やりたことは何もやれなくなります。
そこで気がついたのは売上をあげるのは「他者」ではなく自分自身でなくてはいけないということです。
僕がブランドさん、縫製工場、生地屋さんに「お客様は誰?」って聞くと
「メーカーさん、デザイナー、バイヤーさん」などなどいろんな答えが返ってきます。
自分たちに直接お金を払ってくれる人たちは確かにそうかもしれませんが、それはあくまでもエンドユーザーが払ってくれたお金を「配分」している人であって、本来きちんとお金を払ってくれているのは「エンドユーザー」以外にないのです。
よくブランドさんで「売るのはお店の役割」という人がいます。
もちろんその通りです。
そして売れなかったのを「お店の責任だ!」ということもできますし誰も文句を言いません。
しかし実際手元に現金は入ってきません。
結果として「売れなかった」ということは自分が損します。
厳しいかもしれませんが店頭で売れようが、売れまいが「自分ごと」として考えられるかどうかが大きな道の分かれ道だと思います。
特にD2Cブランドやコレクションブランドにおいてショップで売れるかどうか、ネットで売れるかどうかは自分次第です。
この本質的な部分を認識してくれているかどうか。
この部分でFilvoirさんは素晴らしかったです。
その具体的な理由は次の章で記載します。
思っているより情報は届いていない
僕たちは新-ARATASHI-のプロジェクトが始まる前に販売戦略のミーティングを必ず行います。
今持っているお客様の情報や、フォロワーさんの属性、メーリングリストの数やその中でどれくらいの頻度で購入いただけているかなどを分析します。
その上でどれくらいの回数を投稿しましょう!などのKPIも作ります。
ここでの具体的な数字の記載は避けますが
投稿回数n × SNS毎の投稿に対しての表示可能性A% × 行動までアクション係数B ×コンバージョン率=購入客数
購入客数 x 単価 = 売上
そこから逆算をして売上目標に対してどれくらいの投稿数nが必要かを導き出します。
正直デザイナーズブランドの方やD2Cを始めたばかりの方は投稿数が圧倒的に不足しています。
この事実をしっかりとお伝えして「そうなんですね!」と素直に行動をしてくれたのがFilvoirさんでした。
作業量も増えるし決して楽なことではありませんでしたが実行してくれました。
今回そのアクションを起こしてくれたおかげでおよそ33%のお客様がFilvoirの新規のお客様でした。
つまり元々知らなかった人にリーチした、もしくは知っていたけど購入を悩んでいた方にしっかり情報をお届けできました。
DMを送るのは迷惑行為か?
よくDMを送るが気が引けるとか、何度も送るのはちょっと。。。
と言われますがそれは本当に、本当に大きな間違いだと思った方がいいと思います。
例えばあなたがアイドルのファンだとします。
そのアイドルの情報をチェックしようとインスタをフォローしたりSNSをフォローしたりメルマガを登録しているとします。
しかしある日そのアイドルの新作の限定販売のCDが自分の知らない間に販売開始し、しかも売り切れていたとすると。。。
めちゃくちゃ嫌ですよね。
ファンはしっかり情報を待っています。
実際にうちの別のECサイトでもDMやプッシュ通知などを頻繁にお送りしていますがフォロワーさんは減ったことはありません。
一時的に減ることがあったとしてもそれはさらにブラッシュアップされてより濃いファンが残っているだけです。
デザイナーのみなさんには「自信をもってください!」といつもお伝えしています。
ファンは思っているよりファンです、みなさんからの情報を待っています。
けど優しい人は「忙しい時に宣伝の連絡なんてきたら。。。」と躊躇します。
非常に優しさがありますが、それに対する答えは2つです。
1.忙しかったら無視する
2.宣伝しなければいい
忙しかったら無視する
非常にシンプルですが、もしあなたが昔に買ったことのあるアパレルメーカーからDMを送ってこられたとします。
その時友人と食事をしていたり仕事をしていて忙しかったらどうしますか?
無視しますよね?
正直DM1通で他人の人生を大きく作用させることはありません、もし本当に迷惑だったらメルマガの登録やラインの友達を解除するだけです。
そして元々DMを送ってきただけで解除される方はおそらく今後もご購入いただけない可能性がありますので、自分たちのブランドとは少し合わなかったのかな?と別のブランドとの出会いををお祈りします。
宣伝しなければいい
ここは非常に重要です。
よくDMを送るというと「宣伝ばかりで。。。」とおっしゃられる方がおられます。
しかしそうではありません、お客様にもいろんな属性の方がおられます。
初めて自社の商品を手に取っていただけた方、
二度以上買っていただいた方、
まだ買っていないけどフォローしてくださっている方、
そんなみなさんに「新商品のお知らせ」を送っているとしたらそれは宣伝です。
しかし初めて自社の商品を手に取っていただいた方には
「先日は初めてのご購入ありがとうございました、何か不良はございませんか?弊社の洋服は◯◯のお出かけなどにもよくご利用いただいているので、ぜひいろんな場所に着て行ってみてください、さて実は△△にも似合う新作を発表することになりました」
と書けるかもしれませんし、
二度以上買っていただいている方には
「いつも弊社の洋服を好きでいてくださってありがとうございます、前回のコレクションで出した◯◯とコーディネートするととてもかわいい△を作りました、ぜひ重ね着してもらえると嬉しいなと思いながら作りましたので」
とお送りできるかもしれません。
DMやメッセージ、メルマガはお客様とのコミュニケーションです、
ただの宣伝だと思っているのであればそれはやはり失礼かもしれません。
だってそれは「ただ買ってくれる人」として認識しているのですから、
そうではなく、自分のお洋服を最高に見せてくれるパートナーがお客様であり、そんなパートナーに最高のプレゼントを用意し手紙を書くような気持ちでお送りできるといいかもしれません。
Filvoirの深川さんにもこんなお話をさせていただき、丁寧に送っていただけました。
結果として過去最高の結果を残すことができました。
最後はやっぱりやる気と信頼
最後はやっぱりやる気です。
というのも弊社メンバーが失礼ながら夜中に連絡をさせていただくこともありました、しかしそんな中でも向き合って粘り強く投稿やお知らせを続けてくれました。
もちろん結果が出ない=やる気が足りない
ではありません。
僕たちも完璧にサポートできるわけではありませんしめちゃくちゃ頑張っていただいても結果が出ない場合もあります。
しかし僕たちのことを本当に信頼してくれて背中を任せてくれました。
そしてしっかりと行動してくれました。
その結果がキチンと出たのだと思います。
正直「過去最高」と聞いて泣きました、
そして「自分たちが売った」という意識は皆無でした。
デザイナーの深川さんがご自身の力でしっかりとファンの方に魅力をお伝えできたのが非常にうれしかったです。
僕たちは生産面、スケジュール面、そしてポテンシャルを最大化させられるよう少しのきっかけとお手伝いをさせていただきました。
何度も書きますが僕たちは無力です。
何もできません、しかしデザイナーのみなさんの素晴らしさを最大化させられるよう、しっかりとみなさんの力を発揮できる環境を整えたいと思っています。
僕たちが始めた新-ARATASHI-はデザイナーのみなさんのポテンシャルを最大化させるお手伝いをします。
ぜひ僕たちにお手伝いをさせてくれませんか?
(デザイナーさん、募集しております)
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