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ベビー服製造でできること、できないこと。

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。


さてさて、

本日したツイートで反響が大きかったのがこちら


弊社には年間数百件の新規お問い合わせをいただきます。

そんな中1番か2番目に多いお問い合わせが、

「ベビー服を作って売りたい」


というものです。

僕も3才と1才の小さな天使たちがおりますので小さい服ってそもそも可愛いし、

子育てしてるうちに

「なんでこんなキャラクターものばっかりやねん」

とか

「日本製で可愛い洋服少ないやろ」

とか思うんです。

もっとこういうものがあればいいのになぁ。

って、

そこで弊社にお問い合わせをいただくことが多いわけです。

弊社では普段パリコレブランド、東京コレブランドなどコレクションブランドさんの洋服を多く作っています、

他にもコレクションには出ていなくてもセレクトショップで売られる尖りまくった洋服を小ロットから縫製しております。


ですので技術としてはもちろん「できる」わけです。

しかしビジネスとしては「できない」

その理由を少し詳しく説明させていただこうと思います。


Tweetにも記載していましたが、

そもそもベビー服(24ヶ月まで)を販売するにはアレルギー物質の規制があるわけです。

子供ってすっごくふわふわで、可愛くて、そして弱い。

そんな子供達に着せる服だからこそしっかりとしたルールを決める必要があります。

人体への影響に関しては

「ホルムアルデヒドは毒性があり、皮膚障害、呼吸器障害が良く知られています。
他にも発がん性、催奇形性、神経毒性などがあり、経口、経皮など体内に取り込みやすい性質を持っています。また、環境毒性も懸念されており水生生物にも影響を及ぼす物質です。

特に肌着や乳幼児用品では「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」により厳しく規制されています。また、ホルムアルデヒドは揮発しやすい性質を持っており、原料としてホルムアルデヒドを使っていない製品であっても、保管中や移送中に他の製品からホルムアルデヒドが移染する恐れがあるので、袋に密閉するなど取扱いに注意が必要です」

とのこと。(検査機関BOKENさんのHPより抜粋)

しっかりと法律で規制されています、

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*独立行政法人製品評価技術基盤機構HPより


簡単にいうと

「子供服や肌着を作るにはアレルギー物質が入っていないようにしなきゃダメ」

と法律で決まっているわけです。


そして厄介なのがホルムアルデヒドなどはどこでどう付着するかわからないため、

「子供用品を縫う!」と決めた時点でミシンを洗浄し、

室内の壁なども洗浄を行い、

検査機関に入ってもらい検査を行い、

そこで認定書をもらい、

製品にもホルムアルデヒドが入っていないか検査する。


というなかなか難しいステップを踏む必要があります、

もちろんその認定を取った後に一般のアパレル商材を扱うことはできません、

だって一般の生地屋さんから来た生地や型紙にホルムアルデヒドが付着してたら?


そしてもちろん工場もそれだけのリスク、コストをかけて「子供服専用」を作るわけですから「小ロットで」とか「低コストで」は通らないわけです。

技術的にはパリコレなどの複雑な商材を扱えるのですが、

ベビー服は取り扱いがとっても難しい。


大手のMIKI○OUSEとかそういうメーカーはそういう専門の協力工場をガッチガチに抑えていて、そんな工場は新規の依頼はほぼ受けていません。


最近クラフト市場が活性化してきて、

めちゃくちゃ可愛い子供服やスタイ、肌着などがハンドメイドとして販売されています。

それ自体は業界を盛り上げるためにとても素敵なことだと思うんですが、


お金を取って販売をする場所がネットであろうと、ハンドメイドであろうと、

関係ありません。

手芸屋さんで買ってきた生地で作った商品にアレルギー物質があって、

子供にアレルギーが出たら。。。


その責任を取ることができますか?

とっても難しいですよね。


服づくりにチャレンジするということは素敵なことだし、

もっともっともっともっと

活性化してほしい。

だけどそこには超えなければいけない壁もたくさんあることを理解してもらいたいと思います。


もしこれからも販売をされる方がいらっしゃるのであれば、

BOKENさんで試験してもらえるみたいなので、一度試験に出してみてはいかがでしょうか?


服づくりを愛しているからこそ、

真面目に、しっかりと問題と向き合いたい、

そしてたくさん悩んで、

壁を超えていければと思います。


何かわからないことがあればお気軽にお問い合わせくださいね!

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