飲食店のテイクアウト商品の考え方と作り方
久しぶりの投稿になってしまいましたが、飲食店の方の少しでも参考になればと思います。
現在、緊急事態宣言が10都道府県、まん延防止等重点措置が8県に発出されています。
そして明日には6月20日までの延長が決まりそうです。
昨年の3月から影響が出始め、1回目の緊急事態宣言が出てから1年余り。
さすがにここまでくると今まで通りの通常営業だけでは経営が成り立たない飲食店が続出してきます。
昨年と違うところはランチ営業やテイクアウト、デリバリーに対応している(対応できている)飲食店が増えた事だと思います。
ただし、ランチをしてもテイクアウトをしてもデリバリーをしてもほとんど反応がなく、ロスやコストだけが増えている飲食店も多いのが実情です。
そこでもう一度【飲食店のテイクアウト商品の考え方と作り方】について考えてみましょう。
まず考え方からです。
1番重要なポイントとなるのが【自店の特徴やコンセプトから外れていないか】という事です。
例えば海鮮居酒屋が唐揚げを販売するとして、唐揚げ専業のお店に勝てるでしょうか?
また、お客様は海鮮居酒屋の唐揚げを望んでいるでしょうか?
海鮮居酒屋のウリは“海鮮”です。
そこを外してランチやテイクアウトを考案しても、自店の顧客層には響きません。
当然、新規のお客様が一気に増えるわけではありませんから売れないという事になります。
海鮮居酒屋では同じ揚げ物を商品とした弁当でも、唐揚げ弁当より【玄界灘で一本釣りで釣り上げた鯵を一匹丸ごと使った“一本釣鯵フライ”弁当】の方が売れる確率は高い事は容易に想像できます。
2つ目のポイントは先ほどの【玄界灘で一本釣りで釣り上げた鯵を一匹丸ごと使った“一本釣鯵フライ”弁当】のようにネーミングです。
焼き鳥屋が単純に【焼き鳥弁当】というネーミングで販売するのと、同じ商品でも【8種類の焼き鳥が入ってボリューム満点!備長炭で焼き上げたこだわり焼き鳥弁当】とどちらが美味しそうかという事です。
3つ目のポイントは【薄利多売にしない】という事です。
飲食店が作るお弁当やテイクアウト惣菜を薄利多売の商品構成にしても、スーパーの弁当や本業の弁当店、惣菜店には価格面では太刀打ちできるわけがありません。
自店の商品を高付加価値化して《粗利をしっかり稼げる》商品にいかに仕上げるかが飲食店がテイクアウトで利益を生むためには重要です。
原価も人件費もランニングコストも使って利益が残らないのであれば、それは毎日営業していても『心が折れて』いきます。
考え方をもう一度整理すると以下の3点です
1、自店の業態から外れた商品は作らない
※作るならゴーストレストラン化する
2、商品ネーミングはしっかりと考える
3、粗利の残る商品を作る
次にテイクアウト商品の作り方でのポイントです。
大前提は食中毒に細心の注意を払った調理や商品を作る事です。
そこは当然の事ですので、考え方のポイントだけに絞ります。
1つ目はフードロスにならないような商品にするという事です。
現在、テイクアウトやデリバリーは戦国時代です。
特別な事がない限り、売れるまでは時間がかかります。
品数ばかりが多いと注文が分散しますし、お店で通常出している商品をテイクアウト化するだけでは注文は入りません。
そうなると仕込んだ材料が余ってしまい、フードロスに繋がります。
フードロスばかり出てしまうとテイクアウトは続きません。
2つ目はオペレーションを考えるという事です。
粗利を多くしようとすれば、低価格で仕入れた原材料を調理して高付加価値商品に変える事が必要です。
そこは絶対必要なのですが、全ての料理をそうしてしまうと《製造原価の考え方(原価+調理する人の人件費)》で考えると、実は高利益商品ではない事が往々にして起こります。
そこのバランスを取らないと、手間暇ばかりかかり疲弊していきます。
3つ目は自店の客単価を考えてパッケージや提供方法を考えるという事です。
テイクアウトを行う上で意外にかかるコストが【包装費】です。
そこを利益だけを考えて全て一番安いモノを使うと、通常営業のお店の表かを下げることにもつながりかねません。
パッケージも自店の客単価を考えて決定しましょう。
4つ目は自店の業態がテイクアウトやデリバリーに向いていないなら、無理にテイクアウトをするのではなく、ゴーストレストランを新たに考えた方が縛りがなく自由な発想で商品を考えることが出来るので、成功する確率が上がります。
5つ目はテイクアウト商品は仕込み8割、注文後調理&盛り付け2割くらいにしないと、注文が重なった時に非常にお客様をお待たせする事になります。
そうなるくらいなら、予約オンリーのテイクアウトにしたほうが良いです。
どれだけ美味しくて、素晴らしい商品でも待たされると美味しさは7割減です。
鰻など元々待つことが当たり前の料理もありますが、テイクアウトで30分は待てません。
テイクアウト商品の作り方のポイントをもう一度おさらいします。
1、フードロスにならない商品
2、製造原価でコストを考える
3、自店の客単価を考えたパッケージにする
4、自店がテイクアウト向きでない業態なら、無理にテイクアウトをするのではなく新しくゴーストレストランを作る
5、極力お待たせしない商品にする
以上が簡単ではありますが、飲食店のテイクアウト商品の考え方と作り方です。
少しでもお役に立てば幸いです。
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