2021年7月4日 救いようのない映画『愚行録』

「マツコと有吉のかりそめ天国」が無かったこの前の金曜日。たまたま神奈川TV(TVK)を付けたら邦画がやっていて、なんとなく引っかかって見てみることにした。

いやあ。。。なんていうか、あまりにも人間の愚かな部分をつまびらかにした映画。まるで何も良いことない。不幸って言葉で簡単に片づけていいのだろうか。

かといって、こんなひどい人生って本当にあるの??とは思えない、決して所詮映画だしね、とは思わせない。自分が知らないだけ、気づかないだけで、それがとてもラッキーだっただけで、無いことになってまっているだけなのでは。おそらく。

これはネタバレは絶対させないほうがいい映画だ。絶対に。

ひとつ救いだったのは、魅力的な女優さんがたくさん出ていた。そもそも臼田あさ美が好きなので見入ってしまったというのもあった。彼女みたいな顔と声に生まれたかったな~。可愛いけどセクシーさもあって、素朴さもあって。

彼女がこの映画の中で淡々と話すシーン。同じ女としては、言わんとすることわかるよ。。。でもそれって、男性目目線だと、そういう取られ方するよね。。でも、女にしか気づけない世界ってあるのよね。。と。

個人的には、実は彼女がいちばん平均的な女性なんだじゃないかって思った。

松本若菜さん、初めて知った女優さんで、とても可憐な、いわゆる「男が求める大和なでしこ」ってこういう役柄がぴったりだった。現実世界でこういう人がいたら、鈍感な私は、彼女の本性にきっと気づかないで終わるだろうな、男性がそうであるように。ナチュラルにこういうことしちゃうんだ。。。というのが、末恐ろしいというか、近づきたくないタイプだ。この人のそばにいるだけで、何があっても自分が悪者になるだけだから。

それにしても、満島ひかりの演技力。このとんでもない生い立ちを抱えてこのような状況に陥った人間が見せる表情。彼女がそういう経験があるのか、経験がある人に会ったことがあるのか、そういった書物を読んだことがあるのかわからないけど。

あまりに辛い環境で育ち、ほかの世界を知らない人間が、自分のもってる感情がどいうった種類のものなのか、それが憎しみなのか悲しみなのか愛なのか、まだ自覚が出来ない、自覚してしまったら生きていられない、そんな無意識の防御本能なのか。そんなようなことを思わずにいられなかった。

この女優としての才能は、コントロールするのは大変なことだろうな。。。なんて。

そして小出恵介、見事なクズ役だった。いや、世間一般的にはクズにはならないのかもしれん。もしかしたら、男からしたらただのできる男として位づけされてるのかも。怖い怖い。おそらくこの後に事件で活動休止になったかもだけど、やっぱり俳優さんとしての彼は好きだわ。もう「JIN -仁-」のような好青年役は見られる機会が少ないかもだけど、今後は事件を起こさず頑張ってほしいものです。

この映画、小説が元のようだけど、本で読んでたら多分もっとえぐさが心に突き刺さって、読んだ後立ち直れなかった気がする。素敵な女優さんが演じてくれて、映像美も存在してる作品だからこそまだ最後まで見られる映画だわ。

ただ、この世の中にはこういう人たちがいるわけで、その現実から目をそらして、無いことにするのは絶対に良くない気がするので、心のコンディションが良い時にぜひ一度見た方がいい映画だと思った。



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