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VTuberに必要なスキルとは何か?

はじめに

この記事では、VTuberを職として捉えた際に、必要となるスキルについてまとめています。

同様の内容を11分でまとめた動画もありますので、よろしければご覧ください。


VTuberには様々なスキルが求められます。これは従来からある多くの職とは異なるものでしょう。
これまでの職種は専門性が求められていました。例えば画家なら絵の上手さ。野球選手なら野球のうまさ。プログラマーならプログラミング力。何か一点特化の人が強みを持っていました。しかし、これからのAI時代は、様々なスキルを持った人材が求められると私は考えています。

これについては有識者たちも同様の意見を述べています。例えば堀江貴文氏は著書の「多動力」で、様々な業界の壁を飛び越える超越者を目指せと新時代の働き方を示しています。

また、戦略デザイナーの佐宗邦威氏は「21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由」という本で、これからはハイブリッド人材が求められると述べています。
著者曰く、右脳+佐野を使いこなす人材。つまり多動力のような分野の架け橋となる超越人材のことです。「デザイン(構想)」「エンジニアリング(実現)」「ビジネス(商売)」これら三つをすべて兼ね備えた人材が求められているとのこと。

これからのビジネスにおいては、相手の分野のことも理解していることが大切となります。一つの分野で専門性を持ち、かつ他の分野の知識もカバーするのです。そうすれば、チームでの連携もより取りやすくなるという話です。


AIによって消える仕事、消えない仕事

これからの仕事については、AIをなくして語ることはできません。
オックスフォード大学のオズボーン教授はコンピューターの進化によって消える職業調査という研究でAI によって消える仕事消える仕事と消えない仕事を分析しました。

この調査によると、AI によって消えない仕事は2つに分類されます。
1つ目は「人との深いコミュニケーションに関わる仕事」です。例えばヘルスケア、ラーニング、心理学が挙げられます。ラーニングとは学習のことです。ここでは人に教えるような教育関連でしょう。科目の教員というよりはどちらかと言えばコーチングなどの指導者が該当すると考えられます。

2つ目の「想像の仕事の中心にいる仕事」もAIが代替困難な仕事です。デザインだったりエンジニアリング、経営など。これらのクリエイティブな仕事は消えない仕事であると分析されています。


では、逆にAIによって消える仕事は何なのでしょうか?
それは分析や管理の仕事です。分析というのはAIの得意分野であり、最近のビジネス界では「ビッグデータ」を使いこなした企業が勝者となっています。


VTuberに必要なスキル

話をVTuberに戻すと、VTuberは新時代に求められている「超越者」だったり「超越人材」、まさにその典型のような職なのではないでしょうか。
その理由は、VTuberは文系理系芸術全ての領域のスキルが求められるからです。これは自身がVTuberになって気づいた発見です。


これは私が自分用に簡単に作ったマインドマップです。本来はこのような単純な形態ではないですが、分かりやすく考えるためにあえて「文系」「理系」「芸術」の3つにカテゴリ分けしています。
それぞれのカテゴリにおいて、どのようなスキルが求められるのかについて説明していきます。


文系スキル

例えば、文学だったらライティングのスキルに関係しています。Twitterだったりnoteだったりファンブックの記事だったり、これらを書くためにはライティング能力が必要ですね。例えばVTuberのライブ配信のトップである「月ノ美兎」さんはnoteに定期的に記事を投稿しています。ほとんどの記事で、記事を評価する「スキ」の数が500以上というとんでもない数字を叩き出しています。一定以上の程度のライティング能力がないとこれだけ多くの人に文章は読んでもらえないでしょう。

語学で言えば、VTuberは海外ファンも多いので英語や中国語を使いこなすことができればより幅広い層にアプローチができます。2番目に誕生したバーチャルYouTuber「電脳少女シロ」さんは英語が堪能なことで有名です。彼女は初期の活動として、日本語の動画とは別に、英語の吹き替え版動画を作ることで幅広いファン層にアプローチをかけていました。


心理学の知識があれば安定したメンタルで発信活動を続けることができるでしょう。VTuberなどの発信活動においては、レジリエンス能力が不可欠です。レジリエンスとはメンタルが傷ついた時の回復力のことです。心理学を学び、レジリエンスを鍛えておけば、例えばアンチからの攻撃だったり、批判を受けたときのメンタルの回復力が早くなります。

また、心理学はマーケティングにも関わってきます。動画や配信の企画での、視聴者の心理を分析することで、視聴者が面白いと思うようなものを作りやすくなるのではないでしょうか。


経済学もやはりマーケティングにかかわってきています。VTuberはただコンテンツを垂れ流すだけでなく、SEO対策や宣伝能力も求められるからです。
また、VTuberとして活動を続けるにはマネタイズも必要です。マネタイズとはお金を得る方法のことですね。結局ゼロからVTuberを始めてもなかなかお金は入ってきません。なのでどうすればVTuber活動を通じて、職としてお金を得ることができるのかという、このあたりのマネタイズ能力も求められます。

あとは分析力も必要ですね。自分の Twitter の投稿や YouTube の動画の再生数や視聴時間やリツイート数から受け手の反応を見て何が正解で何がダメだったかという分析能力も求められます。


経営学コミュニティの運営に関わってきます。VTuberの中にはある程度伸びてきたら運営側に回るというケースもあります。自分で小さい事務所を作って他のユーチューバープロデュースしていくのです。最近ではVTuber「もちひよこ」さんが個人VTuberプロダクションを立ち上げました。

https://www.youtube.com/channel/UCZ1WJDkMNiZ_QwHnNrVf7Pw

コミュニティの運営は、経営学の知識やスキル無しでは難しいでしょう。

理系スキル

次はVTuberに必要な理系のスキルって何? という話です。
私は理系ではないのでそこまで詳しくないのですが、VTuberにはおそらく工学に分類されるスキルが求められます。
VTuberが3Dモデルを動かす場合は、VR機器であるOculus riftやHTC Viveを使いこなし、VR空間で自分のモデルを動かさなければなりません。VR空間の環境構築はUnityと言うゲーム開発用のソフトが主に使われています。プログラミング能力があればUnityを利用してVR空間内で自由自在に様々なことができるようになります。

私はTwitterで他のVTuberと交流して、個人VTuberは理系の人が多いのかなと感じました。VRを研究している技術者が多い印象ですね。
VR開発の知識がある人と言えば、個人VTuberの「ねこます」さんですね。彼は豊富なVRの知識を活かしてVTuber黎明期の地盤を固めた一人です。


芸術スキル

VTuberには文系理系だけではなく芸術的なスキルも求められます。VTuberに必要な芸術は、「音楽」と「美術(デザイン)」の二つに分けられるでしょう。
まず音楽について言えば、ほとんどの動画にはBGMや効果音がつけられますよね。その時に一体何がBGMとして最適なのか、この場面の効果音はどれがいいか、など適切な選択能力が求められます。
また、VTuberは非常にアイドル性が付与されますので、自分で作曲をしたり歌を歌ったりすることができれば、多くのファンを得ることができるでしょう。
作曲家として有名なのはハニーストラップの「周防パトラ」さんですね。

https://www.youtube.com/channel/UCeLzT-7b2PBcunJplmWtoDg


彼女は自分で様々な曲を作詞作曲して自分たちのグループで歌うCDとして歌を出したり、他のVTuberに楽曲を提供することもあります。


VTuberは発声も必要なスキルです。動画を撮るときにどれぐらい視聴者の方が聞き取りやすいよう滑舌よく話せるか。ナレーターや声優のような能力が求められるのかなと思ってます。普段のボイストレーニングが重要となるのでしょう。
VTuberで言えば、プロの声優の2人が運用している「みあたみちゃんねる」が挙げられます。


https://www.youtube.com/channel/UC7yqc24BjJwi3PoqhXrx6og/featured



発声で言えば歌唱力もVTuberには求められます。歌唱力に関しては必須ではありませんが、歌唱力を持っていればさらにアイドル性を広げられるでしょう。
例えばバーチャルシンガーのYuNiさんは圧倒的な歌唱力で世界初のバーチャルシンガーとして登録者30万人を超える人気を誇っています。

最後に芸術における美術、つまりデザイン的な分野ですね。VTuberにはデザイン力も欠かせません。
まず内容がどれだけ良かったとしても、見やすい動画でないとそもそも見てもらえない可能性があります。そのためにはレイアウト能力が必要となります。色彩心理学を用いて、どういう色が見やすく、どういう色が目をひくのかなど。YouTubeやTwitterのヘッダー、サムネイル、アイコン。これらも全てレイアウト能力が試されます。

VTuberを始めるならば。まず自分のキャラクターをデザインしなければなりません。そのために必要なのは2 Dや3 Dの作画力ですね。そのキャラクターを作り出すソフト、「CLIP STUDIO」や「Live2D」「VRoid」などのスキルが求められます。これらの作画スキルが高いVTuberとしては犬山たまきさんが挙げられます。


https://www.youtube.com/channel/UC8NZiqKx6fsDT3AVcMiVFyA


彼女は本職が漫画家のVTuberなので高い作画力を生かして可愛らしい自分の2 Dモデルを自分でデザインして動かしています。

さらに高度なデザインのスキルとしては3 D空間のモデリングが挙げられます。モノや空間を自分で作り出すことができれば、オリジナルの家だったり、家具や装飾品など様々な小道具を実装することができます。

これは3 Dモデリングソフトの「Blender」「Maya」「3 ds max」などのソフトのスキルが求められます。例えばVTuberのヒメヒナさんは非常にクオリティの高いミュージックビデオを制作しています。


https://www.youtube.com/channel/UCFv2z4iM5vHrS8bZPq4fHQQ


彼女たちのミュージックビデオの1つは全VTuberの中でトップの再生数を誇っています。制作方法は公開されていませんが、おそらく何らかの3 Dモデリングソフトが使われているでしょう。

最後に必要なスキルは編集力ですね。VTuberには編集力が求められます。高い編集力をつけようとすると、やはり世界的に使われているを最高品質の製品の理解が必要となります。それはAdobeソフトですね。Adobe社のツールはテレビや映画の編集にも使われています。「Premiere Pro」だったり「After Effects」そして「Illustrator」「Photoshop」これらのソフトを理解して使いこなすことが求められています。
高い編集力のVTuberと言えばケリンさんが有名でしょう。 彼は独自の面白い編集で個人VTuberであるにもかかわらず、登録者10万人を超える圧倒的な人気を誇っています。

https://www.youtube.com/channel/UCeAfiVvEuyICYJW-f3GnQjQ



人間の強みはスキルの複合力

ここまでで、VTuberに求められる様々なスキルを紹介しましたが、実はこれらのスキルはどれか一つを極めたらそれだけで職として成り立つほどのものです。

どれか1つで成り立つようなスキルが複合的に求められるのは、VTuberがAIにより単純労働が減少した代わりに生まれた新しい仕事だからでしょう。なぜAIの発展でVTuberが増えるのかについては私の出版書籍内で詳しく紹介しています。


今後、AIが発展していく社会において非常に大切なのがこのスキルの複合力です。
なぜかといえば、AIは何かに特化することが得意で、一点特化勝負では人間は太刀打ちできないからです。何か一つの事を極めたとしても簡単に AI に取って代わられてしまう可能性があるのです。
しかし、AIは二つのことを掛け合わせることは苦手です。例えば、将棋が世界一強い将棋のAI「AlphaZero」はボードゲームしかできません。そのため、似顔絵や100M走など他の分野の勝負では、人間が勝つでしょう。
つまり、人間がAIに勝つためには複合力が不可欠なのです。
AIの苦手分野の話は、東京の国立大学院で人工知能のディープラーニングの開発を行っていた私の弟から聞いた話です。AIの専門家の意見なので信憑性は高いのではないでしょうか。


結論として何が言いたいかと言うと、ありとあらゆる分野のスキルの複合が求められているVTuberは、今後のAI社会でますます増えていく職種なのではないかという話です。
そのためにも、今回挙げた様々なスキルを磨いておけばAI社会で重用される、多動力を使いこなす「超越者」と呼ばれるものになれるのではないでしょうか。
こう考えた私は、実際にVTuberとなり様々なスキルを平行して磨いています。

とはいえこれらのスキルをまとめて全て一人で行うというのはほぼ不可能です。手の届かない分野はアウトソーシング(外部委託)することになるでしょう。
大切なのは、様々な分野の知識を万遍なく知っておくことです。そうすれば、自分のできない分野をアウトソーシングするときに、ワーカーと連携が取りやすくクオリティーの高い成果物が作れることになります。

これはフリーランスの友人から聞いた話ですが、依頼者が依頼した仕事に対して何も知識がないと、仕事の連携が取りづらく、作業に不備が生じることがあるそうです。


これからのAIにより単純労働が淘汰されていく時代では、人間に任されるのは複雑でクリエイティブな仕事となっていくでしょう。プロジェクトでチームを組んだ場合でも、自分の専門ではない領域について知っておけば、よりチームでの連携が取りやすくなるでしょう。


まとめ

この記事では、AI社会に求められる人材や、VTuberに必要なスキルの多様性について解説しました。
今後のAI社会では、AIへの代替されにくさから、VTuberのようにスキルを複合させる仕事が更に増えていくと考えられます。そして、様々なスキルを持った人材が重用されるようになっていくのでしょう。
私たちは新時代を生きぬくためにも、得意分野に他の分野のスキルも掛け合わせることで、唯一無二となる人材を目指すべきではないのでしょうか。


2019/8/13 バーチャルエコノミスト千莉

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