洗顔料の性能 ー洗浄機能編①ー
本編の前に、注意事項を書かせてください。研究者にも様々な考えの方がいます。数式とは異なり、企業の研究において、正解は一つではないので、一見解として書かせていただくことをご容赦ください。
本記事は、洗顔料の性能の一つである洗浄機能の実態について、研究者と消費者の視点で解説します。どちらかと言うと、夢を壊すような内容かもしれませんが、「へぇー」、くらいに読んでいただけますと幸いです。
洗顔料の洗浄機能は剤型ごとに違います。はじめに、剤型を大別すると、下記6種に分類されます。
・固形洗顔料
(代表製品:カウブランド 赤箱 (しっとり))
・クリーム洗顔料
(代表製品:オルビスユー ウォッシュ)
・パウダー洗顔料
(代表製品:スイサイ ビューティクリア パウダーウォッシュN)
・リキッド洗顔料
(代表製品:ソフィーナ 乾燥肌のための美容液洗顔料〈リキッド〉)
・泡洗顔料
(代表製品:ダヴ センシティブマイルド クリーミー泡洗顔料 )
・ジェル洗顔料
(代表製品:ビオレ おうちdeエステ 肌をなめらかにする マッサージ洗顔ジェル)
●研究者の視点
大手企業の製品において、各剤型を洗浄機能の強さを並べると、下記の順になります。
固形洗顔料 ≒ クリーム洗顔料 ≒ パウダー洗顔料 > リキッド洗顔料 ≒ 泡洗顔料 ≒ ジェル洗顔料
さらに、各社各製品で洗浄機能の強さに差があります。
この差の主因は、洗浄成分である界面活性剤の量や種類、組み合わせによるものです。
また、大手企業の製品の全剤型において、洗浄機能が不足している製品は殆どありません。一昔前と異なり、近年の大手企業の製品は、剤型問わず十分な洗浄機能を備えている製品になりました。
●消費者の視点
多くの消費者は、「泡質」や「洗浄後の肌感触」、「製品の技術情報」、「ブランド力」などから洗浄機能を推し量っています。
例えば、有名な美容雑誌や美容ライターさんにおすすめされた洗顔料を使用すると、洗浄機能が良いと評価する人が多くなります。一方で、酷評された洗顔料は洗浄機能が悪いと評価する人が多くなります。
このように、消費者にとっての洗浄機能は様々な要素から評価されるため、化学的な洗浄機能の意味とは異なります。
両者の視点の違いは、洗顔料の新たな価値を創造する上で理解しなければならない点です。一方、界面活性剤による洗浄機能はあって当然の基本的な性能になります。
次の記事から、新たな洗顔料の性能について、ご紹介したいと考えています。新たな性能は、消費者と社会に新たな価値をもたらすと考えています。普段の洗顔料を選ぶ際、皆様に新たな視点を加えられるように、記事を書きたいと思っていますので、引き続き、よろしくお願い致します。
まとめ
1. 現在の洗顔料の洗浄機能は十分な水準に達している
2. 消費者と研究者の両者にとって、洗浄機能は意味が異なる
3. 洗顔料の新しい性能が消費者と社会の価値となる
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