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ブロックチェーン革命⓺

第3章 ブロックチェーンの応用2 銀行も導入

2 プライベート・ブロックチェーンは悪魔との契約か

<管理され、参加者が限定されたブロックチェーン>

ビットコインはパブリック・ブロックチェーン。管理者なしで誰でもP2Pで参加できる
銀行はプライベート・ブロックチェーン。銀行が管理者となりP2Pに参加するコンピューターを選別する。許可なければ参加できない

<パブリックとプライベートの比較>

ビットコインを送金の手段にすると、取引確認に10分程度時間がかかります。一方、プライベートチェーンは信頼できる主体のみで限定されているため、POWを課していなく、早く処理が行えます。運営のためのコストは低く抑えられ、データベースとしてみた場合にはパブリックはプライベートに勝てまえん。
しかし、プライベート・ブロックチェーンには管理者が存在するため、信頼が必須です。パブリック・ブロックチェーンには管理者がいなく、POWによって信頼性を確立しています
自由で信頼性を気にしなくていいパブリック、安価で速度も速いが管理者が存在するプライベート。

<許可型と非許可型>

許可型ブロックチェーンとは、企業や団体によって許可されたコンピューターが、取引の承認者となります。処理速度は1秒間に10万件程。ブロックチェーンの仕様変更は容易です。
非許可型ブロックチェーンは誰もがP2Pに参加できます。ブロックチェーンの変更にはコミュニティーの合意が必要です。
コンソーシアム・ブロックチェーンという概念もあり、これは許可型の一種で複数の金融機関によって共同運営されているものです。

※パブリック・ブロックチェーンの公開性・透明性は銀行には受け入れづらく、銀行は情報の非対称性を持つことで優位に立ち成り立っています
プライベート・ブロックチェーンの管理下のみでの運用で、低コストで速度が速いは銀行には都合がいい…ですがいくらでも管理者の次第で良し悪しが決まり、とても安定とは程遠いのです。
ブロックチェーンの強みは、管理者不要で改ざんがほぼ不可能な点です。
開放的なシステムでは様々な人や組織が関与するので技術革新が起こりやすいです。閉鎖的なシステムは進歩がなく停滞のみ。

<大胆なリブラ構想が発表された>

フェイスブック発の仮想通貨「リブラ」
フェイスブック利用者は24億人以上もいるため、あらゆる通貨より利用される可能性が有ります。これに恐れを感じ、各国の世界政府や中央銀行は一斉に「強い規制が必要」と一致しました。
リブラは電子マネーではなく仮想通貨です。価格が安定した仮想通貨はステイブルコインと呼びます。仮にリブラが価格安定化に成功すれば、ビットコインが実現できなかった可能性を秘めています

<中央銀行が導入すると事態は大きく変わる>

中央銀行が自ら運営するブロックチェーンで仮想通貨を発行し、これを国の通貨とする可能性はあります。それついては以下の国々が声を上げています。
イングランド銀行は2014年に仮想通貨に関するレポートを出しました。
カナダ中央銀行も同様です。
2016年には中国人民銀行も独自の仮想通貨の発行を計画中と発表しました。
オランダ銀行、韓国銀行も追随しています。
以下が、中央銀行が言うデジタル通貨のメリットです。


① ユーザー利便性の向上
現金や小切手の紙ベースの決済手段の利用のコストはGDPの0.52%。これを削減できます。
② 金融政策の有効性
ビットコイン型の仮想通貨が拡大すれば、金融政策の有効性が低下するので、これを避けられます。
③ ビットコイン型仮想通貨の利用が拡大すれば中央銀行が得られる通貨発行益が減少するので、それを避けられます。

<中央銀行デジタル通貨>

2019年に中央銀行デジタル通貨(CBDC)を巡る動きが展開しました。人民元の発行に向けての中国当局の動きが加速したのです。
「デジタル人民元」とは中国の中央銀行である人民銀行が発行する仮想通貨です。
フェイスブックの「リブラ」の発表に危機感を感じて開発は加速化させたのでしょう。リブラが実現すると、中国からの資金流出の手段に使われる危険があり、中国ではインターネットを検閲していますが、リブラのアクセスを遮断できるのかどうかはわからない
ビットコインについては、銀行の取引を禁止したり、国内の取引所を禁止したりしましたが、ビットコインのインターネットを通じる取引そのものは禁止しなかった
仮にリブラへのアクセスを制限できたとしても資本流出を完全に防止するのは難しいのです。
デジタル人民元が発行されれば、中国国内では全ての取引がこれによって行われるようになります。完全なるキャッシュレス社会到来です。
既に進行しているキャッシュレス通貨は、アリペイやWechatPayなどの電子マネーです。ところが、デジタル人民元はブロックチェーンを用いて運営される仮想通貨です。
仮想通貨とデジタルマネーは本質的に違い、銀行口座から預金を引き落とすことを指示する手段。1回の利用で終わります。
一方、仮想通貨は銀行システムから独立したブロックチェーンの仕組みで運営されており、「秘密鍵」というパスワードのようなものを使用し、転々流通します。

<デジタル人民元は、中国国外で利用される可能性がある>

電子マネーは銀行システムの上に乗っているので、国境を越えた利用は難しいです。それに対して仮想通貨は銀行システムから独立して発行されており、国籍は存在しなく、原理的には世界のどこでも使えます。
デジタル人民元は国外での利用の制限は考えられなく、むしろ推奨される可能性が高いのです。
東南アジアの諸国ではすでに中国のデジタルマネーが進出しており、デジタル人民元は容易に普及するでしょう。
一帯一路の地域での拡大が予想でき、ユーラシア大陸のかなりの地域で人民元が事実上の共通通貨になる可能性があります。各国政府がデジタル人民元の利用を制限しようとしても、インターネットを遮断しない限りできないので、事実上デジタル人民元の使用を禁止するのは不可能です。
日本もその影響を逃れることはできないと思われ、在日中国人旅行者の便宜のために、デジタル人民元を受け入れる店舗が増える。アリペイはすでに数十万店舗で利用されています。
デジタル人民元は人民元の預金残高がなくても使用できると想定されるため、使用者が増えると思われますが、日本人が人民元に対する抵抗感は強い。国内の送金や決済に使わわる可能性は低いです。


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