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ブロックチェーン革命⑧

4章 在来技術型のフィンテックとその限界①

フィンテック(FinTech)とは新しい送金・決済サービス、ソーシャルレンディング、人工知能による投資アドバイスなどのことです。
この章ではブロックチェ―ン技術を用いないものを取り上げます。言葉的にはファイナンス(金融)とテクノロジー(技術)を合わせた造語です。金融にIT(情報技術)を活用する新しい技術革新を起こすものです。

フィンテックは次の3つの主要分野をもちます


①送金・決済
②銀行を介さずに融資を行うソーシャルレンディング
③ビッグデータを用いる投資アドバイスや保険


全ての分野でここ1~2年で格段の売り上げを出し成長しています。
フィンテックに期待が集まる背景には、既存の金融機関へ不満、反発があります。現在の金融サービスは使いにくい。店頭で待たされ、15時で閉まる。オンラインバンキングは使いにくい。特に送金コストが高く、新興国に対する送金コストが極めて高すぎる
金融業における情報技術の利用が他の産業と比べて著しく立ち遅れているのはこのせいです。大手金融機関が新たなイノベーションの潮流に追随するための努力をしていないと指摘されており、今ユーザーの立場からの新しいサービスが提供されれば既存システムに革命が起きます

※イノベーション
J.A.シュンペーターの経済発展論の中心的な概念で,生産を拡大するために労働,土地などの生産要素の組合せを変化させたり,新たな生産要素を導入したりする企業家の行為をいい,革新または新機軸と訳されています。技術革新の意味に用いられることもありますが,イノベーションは生産技術の変化だけでなく,新市場や新製品の開発,新資源の獲得,生産組織の改革あるいは新制度の導入なども含みます。シュンペーターはイノベーションにより投資需要や消費需要が刺激され,経済の新たな好況局面がつくりだされるのであり,したがってイノベーションこそ経済発展の最も主導的な要因であるとしています。

<送金・決済でのフィンテック>

オンラインショップで支払いをする場合、最も使われるのがクレジットカードです。個人や零細企業がオンラインショップを運営する場合は、カード決済を導入するためにカード会社の審査に合格する必要があります。これに通っても登録費用や月額費用がかかります。
そこで「オンライン決済サービス」が登場しました。オンラインショップがカードや初期費用や月額料金を無料で、主に受け取り金額に対して課金されるシステムです。
クレジットカードでは、月締め後の1~2か月後に入金される場合が多いですが、オンライン決済では最短で数日での入金が期待できます。


ペイパルは1998年に始まったオンラインサービスでイーロン・マスクが創設しました。利用者がペイパルにアカウントを取得すると、資金がプールする口座を持つことができ、これを銀行の口座のように用いて購入代金を支払ったり、販売した商品の代金を受け取ることができます。ネット上の財布のようなものです。
ペイパルが金銭の授受を仲介するので、取引先にクレジットカード番号や口座番号を知らせる必要がなく、安全なサービスとされています。
口座の残高が不足する場合、クレジットカードや銀行口座から引き落とされます。アカウントにプールされた受け取り代金は銀行口座で引き出すことができます。送金者に手数料はかかりませんが、受け取り側には金額に応じて手数料がかかります。
※日本では銀行からペイパル口座への振り込み入金はできない。

最近更に簡便なサービスが登場しており、代表的なのがStripe(ストライプ)です。サイト内にコードを数行埋め込むだけで、同一区画内での決済機能を簡単に追加できます
世界のユーザーを相手に決済機能を提供するサービスの場合、他国通貨との変換が容易にでき、日本でもサービスが展開されています。国内手数料は一律3.6%

もうひとつがBraintree(ブレインツリー)で、サービス内容はペイパルに近いですが、決済にかかわる様々なサービスを簡単に実装できます。
SPIKE(スパイク)はメタップスという会社が運営するオンライン決済サービスで、日本で急速にシェアを拡大しています。
個人事業主や小規模事業者向けの「フリープラン」では、初期費用、月額費用、決済手数料が無料で、月額100万までの決済に利用できます
同様のサービスは、国内ではウェブペイ、ヤフーワレット、ファストペイ、楽天ID決済などがあります。

・スマートフォンを用いる「モバイル決済」

モバイル決済は現実のショップでの支払いを容易にします。特に小売店やサービス業などの小規模事業者向けのサービスです。
クレジットカード決済では読み込み端末システムの導入にコストがかかりました。モバイル決済ではスマートフォンを決済端末にするためコストはかからない。
買い物の支払いはスマートフォンの料金と一緒に支払います。決済手数料は総じて低く、3.24%程。代金の受け渡しも最短で翌日です。

個人間(P2P)送金サービスもあり、アメリカでは「ヴェンモ」(Venmo)というアプリが登場して学生の間ではやっていいます。
ヴェンモ口座の残高、デビットカード、銀行口座を用いる場合は手数料が無料。クレジットカードを用いる場合は3%程度の手数料がかかります。
アメリカのP2P送金システムは今急速に拡大しており、個人のみではなく企業間の決済にも使用できそうです。

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