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2020年のお盆。

秋には光になって 畑にふりそそぐ
冬はダイヤのように きらめく雪になる
朝は鳥になって あなたを目覚めさせる
夜は星になって あなたを見守る

21歳のお盆。例年と比べて妙に現実味を帯びながらも、先祖や亡くなった人たちが地上に戻ってきて一緒に過ごす期間について、なんて日だ、と思う。


父は、帰ってこれるのだろうか。
いや、そもそも成仏できているのだろうか。
縁起でもないことを言うが、事実は誰にも分からない。お盆、皆さんはどう過ごされているのだろう。

つい先日、父の親友と、私の母と、お墓参りに行った。「はじめまして」とあいさつをしたら「実は初めてじゃないんよなおちゃん」と言われた。私がこの世に誕生した直後に会いに来てくれていたらしい。
終日色んな事を感じたが、わざわざ県外からお墓参りに遥々やってきてくださった父の親友は、恐ろしいほどいい人だった。父は、私のことをまあまあな度合いで親友に話していただけあって、親友経路で父が感じていたことをたくさん知った。なんで知るのが今なんだよ、と思ってももう遅い。亡くなった人のことを懐かしみながら色んな話をすることも供養のひとつだと聞いたことがある。だから、その時だけは自分の頭の中を父でいっぱいにした。

帰り際に、親友からたばこを受け取った。ふたが開いていたので疑問に思うと、「お墓に着いた直後に吸わせてもらいました」と言った。お供えはコーヒーとたばこでいいと言っていた父のそばで、一緒に吸ってくれたのだと言う。親友はとても朗らかで寛容で的確な人で、笑っていたけれど、実際どんな気持ちでわざわざ県外から車を走らせ、同級生のお墓の前でたばこを吸ったのだろう。親友の気持ちを想像すると、涙が出そうだったのですぐにやめた。とりあえず、感謝の思いでいっぱいだった。


それまた先日は、ひいおばあちゃんたちが眠っているお墓に行った。
わたしは特に信心深いわけではないのだけれど、すこし遠くで社会人生活をすることが決まっているので、今のうちに、行けるうちに、お墓に出向いておこうと思った。2~3か月お参りしていないだけで、紅い草がぼおぼおになっていて、将来このお墓はどうなるんだろうなあ、そもそもお墓をもつ文化が将来日本からなくなるんじゃないかなあと思ったりもしたが、永代供養というものもあるし、海外でも墓地を見たことを思い出して、そう簡単になくなるわけないだろー、とすぐ自分をつっこみ、またお参りにこないとなあと、思った。


これだけお墓参りについて書いたが、私が大切にしている言葉がある。内定先の最終選考後に社長にかけられたお言葉。

『お父上も、天から見守ってくれています。
心の中に愛する父上は存在しています。』

私はこの言葉にすべて詰まっていると思っている。
冒頭に綴った“千の風になって”の歌詞にあるように、きっと魂は生き続けているのではないかと、すこし不気味さを覚えながらも感じる。大切な人の死は誰しも避けられないことなので、わたしもこんな愛ある言葉を、かけられるような人でありたい。

今のご時世でお墓参りに行けない方も、お墓が遠くて中々お墓に行けないとしても。いつまでも祈り続け、たまに故人を思い出すことが何より大事だと、私は思っている。
良いお盆をお過ごしくださいませ。♥



2020.08.13 菜緒

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