自分を取り戻すための日記　39

2022.7.30　静寂

私の中に何人もの私がいる。
その私たちが毎日毎時私に話しかける。
「お前はダメだ」
「こんなのではまた笑われる」
「何をやってもダメだな」
「お前には何も出来ない」
 
頭の中で煩く煩く私に話しかける。
その大きな声は耳を塞いでも聞こえてくる。
頭の中に響き渡る。
その声が大きくてうっとおしくて、私はずっと酷い頭痛に悩まされ続けている。
 
その大きな声を聞きたくないから、より大きな声で叫びまくる。
その声を聞きたくないから、やることをいっぱい作って忙しく動き回る。
その声を解りたくないから、どうでもいいことを考え雑念で頭をいっぱいにする。
私の中はいつも様々な音で爆発しそうだ。

様々な人が、様々な声が、様々な命令が、様々な意見が、私の頭を支配する。
それはどれも自分のことばかりを激しく主張し、私本人の言葉を聞いてくれない。
私が言いたいことをひたすら無視する。
 
私はいつも自分の言葉を飲み込む。
私の声は毎回大きな声にかき消される。
私はひとり透明になって、多くのものに無視され存在を消されて、空間に放り出される。
 
私にいま必要なのは静寂だ。
涼しく風通しのいい快適な静寂の中にただ座り込み、じっとしていること。
静かに自分の中にあるものと対峙する時間。
たったひとりで、自分と向き合うこと。
 
静かなところに行きたい。
もう人の声は聴きたくない。
周りの声が大きすぎて、自分の心の声が聞こえない。
 
私は私の声を忘れてしまった。
ただ、黙って静かにゆっくりと自分の声を思い出したい。
私はどんな声をしていたのだろう。
 
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