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書評:分断社会と若者の今


編者情報

吉川徹 

1966年生. 大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了 現在, 大阪大学大学院人間科学研究科 教授

主要業績 『日本の分断 切り離される非大卒者たち』(光文社, 2018年)、『現代日本のの社会の心 計量社会意識論』(有斐閣, 2014年)他

狭間諒太朗

1989年生. 大阪大学大学院人間科学研究科後期課程修了 現在, 大阪大学大学院人間科学研究科 助教

主要業績 「現在指向が若年層のおとなしさに与える影響 政治委任意識と格差肯定意識に着目して」『ソシオロジ』62(1)(社会学研究会, 2017年)、「若者の地位アイデンティティ 現在指向と宗教性の効果に着目して」数土直紀(編)『格差社会のなかのイメージ』(勁草書房, 2018年)

概要

「今の若者は◯◯」。

「若者」とは一体何だろうか?それはバブルが崩壊する前の若者像と一致しているのか?「若者」とは常に同一の性質を持った集団なのだろうか?パターン化してもよい存在なのだろうか?

この本は、そんな若者についての内実を検証し、その“分断”を探るための一冊。


感想

ふ~ん。

そう感じただけだ。

この本は意外な情報や新事実のようなものを記述しているというよりかは、検証結果をつらつらと重ねているもの。

まぁ、こういう本もあるよね・・・と思った。

楽しさや意外性を求めて読む一冊では、少なくともない。

今の世代の人なら、読んでいて、「まあそうだろうな」と思うことばかりなので、読まなくてもいいですね。

一つ知っておいて欲しい事、この本を読んで学んで欲しい事の一つは

「若者は◯◯」という発言や考えに、もっと慎重になるべきだということ。

粗野なパターン化、直線化は、誤解を生むことにもつながりかねない。

引用❶

これまでの結果をまとめると、若者の現在指向はこの二〇年で強まっていないが、二〇年前にはなかった学歴による違いが認められる。(狭間諒太朗、2019、34)

最近は、学歴を重視する傾向がほんの少し弱まってきてると聞いたことがあるが、無くなっているわけではない。

就業経験のない、且つその実態がよく把握できない若者を判断するには、やはり「学歴」という指標が分かりやすいのだ。加えて、あまりはずれが無い。

しかし問題なのは、「学歴」という一つの指標が若者の意識にまで影響を与えてしまっていることだと私は思う。

「このままでいいや」という意識は、現状維持への固執を助長することになる。

経済資源の差異は、人的資源(学歴)に大きな影響を与え、そして厄介なことに、学歴がそれら当人の努力によるおかげであると勘違いしてしまうこと。

学歴というほとんど最初から決まってしまっているといっても過言ではない要素が、非大卒や低学歴と言われる人々の意識をどんどん、どんどん現在指向へと向けていく。

この問題を解決することで、幾分か若者の重荷が減るかもしれない。

引用❷

現在の日本社会において準拠するに足るような「権威」はすでに希薄化し、そのほとんどが失われてしまっているようにも思われる。また、従来の価値観を踏襲して「標準モデル」を目指すという生き方は、多くの若者にとって困難な道であり、簡単に実現できるような状況にはない。高度経済成長やその後の安定成長時代の成功の記憶も、今後は徐々に薄まっていくと考えられる。(濱田国佑、2019、86)

もはや「普通」と考えられるような生き方が難しくなっている。

普通に学校を卒業し
普通に会社に就職して働いて、
普通に家を買って
普通に家庭を築いて
普通に家族を暮らして、

だろうか

こういった暮らしはもはや「難しい」のだ。

もう日本は、経済規模自体を縮小して、と言いたいところだが、今や経済規模が地球全体のものになっている。

そう易々と日本のみで断行できるわけではないだろう・・・。

引用❸

興味深いことは、家事や育児の負担を分担するということに関して、よりジェンダー平等的な態度を有するということが、いずれの女性グループにおいても幸福感を低減させているということだ。(ホメリヒ・カローラ,清水香基、2019、171)

これは意外だった。

ジェンダー平等的な態度が、一部の女性たちにそのような感情を抱かせているとは。

過程よりも、職場の方がストレスを感じない女性もいることを考えると、より不思議に見えるが、一つの原因が考えられる。

男性は、もしかしたらジェンダー平等的意識を持っているだけで、実際の家事や育児の分担を行っていなのからではないか?

という恐れだ。

言動や考えと、行動が一致しないとなると、そりゃ周りの人々はあきれるでしょう。

男女平等、男女平等ののたまっておきながら、自分ではなんにもしない。形だけのものなんて、誰も望んじゃいないでしょうに。

まとめ

どうでしたでしょうか。

なにか参考になれば幸いです。


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