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勉強♯4 膝OAとは?

いつも通り、患者さん・利用者さんからの質問にあったので、できるだけ専門用語を避けてまとめてみました。

見やすさ・分かりやすさよりも、簡便さを重視したメモ勉強なので、ご了承下さい。「膝OA」と呼ばれる疾患は、高齢者の特に女性に多いと言われています。整形疾患では上位ベスト3に入ると思うので、周囲の知人や親族の方々の中にも、1人くらいはいらっしゃるかもしれません。


●膝OA=「変形性膝関節症」
・ Osteoarthritis=変形性関節症
・一言で言うと、「膝関節のクッションである軟骨のすり減りや半月板の変性・断裂などが要因となって、関節内に炎症が起きたり、関節が変形するなどして痛みが生じる病気」



●原因:関節軟骨の老化、肥満、遺伝、外傷(骨折・靭帯・半月板損傷など)や感染症(関節炎など)の後遺症。
※加齢によるものでは、関節軟骨が年齢と共に弾力性を失い、すり減って関節変形が生じます。



●経過
①軟骨の表面に軽い摩擦が起こる→それを補う為に軟骨細胞が増加【初期軟骨変性】。軟骨の水分含量も増加→軟骨が軟化していく。

②軟骨の修復能力が追いつかなくなると、軟骨のすり減りが徐々に進む→足の変形が進んでくる【O脚、X脚】。そして、 更なる軟骨の磨耗により関節への負担が増加→関節炎が発生。
この時期から、膝の屈伸時に痛みあり。

③関節軟骨の水分保持能力が減少し、軟骨の水分や弾力が失われていく。また、膝が曲げづらくなってくる【可動域制限の進行】

④滑液(関節包の中の潤滑油)が大量に分泌されて、関節水腫(すいしゅ) を起こす場合がある。関節水腫には、腫れや痛み、熱感といった自覚症状がある【俗に言う「膝に水がたまる」状態】

⑤軟骨の摩擦が更に進行→関節が変形・消失することにより軟骨の下の骨が徐々に露出されていく→骨同士が直接こすれあうので、痛みが顕著になってくる。
この時期には、正座が困難。

⑥直接的な骨同士の接触→骨そのものが変形してくる。 → 骨棘(とげのように飛び出して変形した骨のこと)と骨びらん(虫食いのようになった骨の表面部分)
の発生。 関節の安定化低下により、歩行が不安定になる→安静時にも激しい痛みが出現するようになる。



●診断:
・問診、触診(膝内側の圧痛の有無)、
・関節可動域、腫れ、O脚変形(内反変形)の有無、
・レントゲン検査
・MRI検査



●予防(=習慣の変化)
・筋トレをする(大腿四頭筋)
(※仰向け。膝を伸ばした状態で「太ももから」を意識して脚上げ体操=SLR運動)
・減量をする(※肥満体型の場合)
・正座はしない(=イス生活に変更)
・和式トイレは使わない(=洋式トイレを使用)
・膝はできるだけ冷やさず、温めて血行を改善させる。



●治療
・ヒアルロン酸注射
・運動リハビリ(筋トレ、関節可動域訓練)
・温熱療法(膝を温める)
・装具療法(膝装具、足底板)
・手術(内視鏡(関節鏡)手術、高位脛骨骨切り手術、人工膝関節置換術など)


●より医療的な知識が分かりやすくまとめられているサイト

https://www.sakaimed.co.jp/knowledge/elderly-people-rehabilitation/rehabilitation/reha05/

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