2019年No.1 週刊モーニンング ホリエモン式飲食店経営 について 番外編

どうしても、伝えたいことがあったので、いてもたってもいられず漫ろ神の手招きにあってしまいこうして書きしたためてしまいました。

週刊モーニングで連載しているホリエモン式飲食店経営とは経営コンサルタントが飲食店を復活させる漫画なのですが、そこで主人公がプロダクトアウトとマーケットインの話をします。

プロダクトアウト
企業が商品開発や生産を行う上で、作り手の理論や計画を優先させる方法
企業 から 客へ

マーケットイン
商品の企画開発や生産において消費者のニーズを重視する方法
客のニーズ を 企業が商品へ

と違いがあります。

そこでこの漫画の説明ではプロダクトアウトが悪く、マーケットインが正しいと書いており。

悪しきプロダクトアウトの例として TVのリモコンを出し。(使わないボタンが多すぎるなど)

良い例としてアップルが作ったシンプルでボタンの極端に少ないリモコン Apple Remote を比較対象として出していました。

結論から言いますと、マーケットインが必ずしも良くて、プロダクトアウトが全てにおいて悪ではありません。

プロダクトアウトもマーケットインも使い方次第です。どっちがいいとか悪いとかは時と場合によります。騙されちゃ駄目です。

そして、上記漫画では悪しきプロダクトアウトにボタンがたくさんついているTVリモコンを

良い例としてボタンが少なくおしゃれでシンプルなアップルリモートを比較に出しておりましたが

それらは全くの間違いだと言わざるおりません。上記内容に関しては真逆です。

TVリモコンのボタンが多いのはマーケットインの結果であり、

アップルがシンプルなボタンの少ないおしゃれな家電製品をだせるのは、アップルという会社がスティーブンジョブズがいた頃は強烈なプロダクトアウトの会社だったからシンプルなボタンの少ないおしゃれな家電製品を生み出せたのです。

さて、日本の大企業(日本の家電メーカーは基本大手、大企業です。)が抱えている病気に前例主義とセクショナリズムがあります。これらが、マーケットインと組み合わさることでTVリモコンのような悪しきズンビー商品が生み出されるのです。

まず、どの時代、どの商品も必ず利用者からのレビューに使い方がわからない。

リモコンや家電製品だったら

どのボタンを押したらいいか使い方がわからない。

といった不満点改善点は溜まります。

一方、今回のTVリモコンだと他にも

・wowow しか見ないからすぐにwowowに行けるボタンが欲しい。
・BSボタンがどこにあるかわからない。
・ゲームをするのに画面切り替えのボタンが欲しい
・VHSを読み出しできる環境が欲しい
・クイズ番組とかに参加したい。

など多岐にわたる評価やレビュー改善点が、商品開発ステージや商品開発後、次製品を作るときの参考として上がっていきます。

さて貴方が商品開発の担当者(重役)だとして、部下から新しい製品のプレゼンがありました。

(今は2000年あたりでアップルの商品が出る以前だと仮定してください。難しいことですが、アップル製品のことは全部忘れて考えてみてください。)

その時に部下が貴方に

「重役!よく見てください、人々はボタンがどこにあるかよくわかっておりません!

どのボタンを押したらいいか使い方がわからない。という不満が

全体の改善点のうち7%も出ています!

これは全不満レビューの中で一番の改善ポイントです。

シンプルにTVだけの機能にしてボタンもごっそり減らした商品を作りましょう!」

といったとします。はたして貴方がこの部下のプレゼンを聞き入れTVだけの製品を作ることを許可しますか?

この部下は他の消費者の不満や改善して欲しい要望をほぼ全て無視して、自分の作りたい商品だけを作ろうとしてるのではないか?

と下手の勘ぐりをしたくなりませんか?他にも利用者から改善して欲しい要望は山ほど来ています。

どのボタンを押したらいいか使い方がわからない。

との問題点だけ指摘して他の問題点や要望は全て無視しています。

さて、どうやったら、大多数の要望に応えた良いTVリモコンを作る事ができるでしょうか?

答えはリモコンに文字とボタンをたくさん入れることですね。

ということでごちゃごちゃして使いにくいTVリモコンはマーケットインの結果誕生した多くの人々が望む形を、多くの要望をメーカーが一生懸命聞いた結果生まれた商品なのでした。(チャンチャン)

という事ができます。今だったらアップルが前例を作ったので、アイリスオーヤマとか、無印、プラスマイナスゼロ、のような商品

が受け入れられる土壌や、シンプル家電を作りたいという意見を通す時に

「前例としてアップルをみてください!アップルはボタンが少なくて成功しているでしょ!」

として使えば重役会議や新商品開発会議で説得材料として使えるかもしれませんが。アップルが成功する以前のメーカーで一切前例のない中、我を通すのは不可能と言わざる終えません。

といっても貴方と周りに無印、プラスマイナスゼロのようなこだわり家電を使っている人がいますか?
多分大多数の家庭にはごちゃごちゃリモコンがあってアップルリモートなんか使っている人や無印の家電を使っている人は極めて少数だと思います。

なぜならその行為は人々の要望をあまりに無視しすぎるからです。

上記案でボタンが極端に少ない、何するにも説明書の熟読を要求するようなおしゃれな家電を作ったとしても、他のBS見るだとかゲームするだとかいった今までのニーズやユーザーを切り捨てることになります。

そんなことマーケットインの観点からできるはずがありません。

それに貴方が仮に宇宙人だとして、TVリモコンとアップルリモートの二つのなんだかよくわからないリモコンがあります。果たしてどっちが先にそれをTVリモコンだと認識できるでしょうか?どっちが先に宇宙人がTVを見るまでの環境に持っていく事が出来るでしょうか?

多分私はごちゃごちゃリモコンの方が宇宙人にはわかりやすいと思います。

アップルはスティーブンジョブズと言う強烈なプロダクトアウトを実行できる暴君がいました。だから大多数のニーズを捨ててでもスティーブンジョブズがつくったさいきょうのかっこいい家電

を世に出す事ができたのです。たとえば映画スティーブ・ジョブズでアップル1の成功で次の新しいアップル2を開発する時ウォズニアックが何度もジョブズにプレゼンをするシーンがあります。

ウォズニアックは

「アップルを買うようなオタクは沢山自分でカスタマイズしたい。だからケーブル類やコネクターピンは沢山あった方がいい」

と何度もジョブズにマーケットインとして利用者のニーズを説き伏せました。

しかしジョブズは美しくないという理由でその案を何度も一蹴します。

その結果次のアップル2は壊滅的に売れなかったのですが、

時代が2000年代に入り、新生ジョブズが新しいアップルの舵取りを始めた時にようやく運良くジョブズのプロダクトアウト(思想)が世間に受け入れられたのです。

要するに運良くジョブズの思想が世間の波に乗ったってだけですね。

ということで、上記漫画に出ている。プロダクトアウトとマーケットインの使い方は出ている商品の例で例えるなら大間違いです。

また、プロダクトアウトが必ずしも悪く
マーケットインが必ずしも良い

とは限りません。時と場合によります。最後は運です。

ただし、漫画に出ている主人公がマーケットインとプロダクトアウトを間違って使って依頼主を丸め込むやり方は非常に良いやり方です。それは次回解説します。

どうしても書かずにはいられなかったので勢いで書きました。番外編です。

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