お寝坊さん♪と声かけてくるやつもうGood night

かの有名なシティポップバンド
Suchmosのヒットソング
STAY TUNEは、
痛烈に社会の闇を切り裂いた。

本タイトルも歌詞の一部だ。

このメッセージは
オンライン上で出会った男女で勃発する
コミュニケーションの齟齬を
明るみに出す。

主人公は25歳女性。
新卒で入った会社は3年目。

丸の内OLという肩書きだけに
気を取られ、入社したのは
エアコンの部品製造会社。
配属先は総務部門。

“華金は銀座で合コン❤️”

みたいなキラキラした世界は
上層の一部でしかないと
気付く頃、Facebookの広告に目が止まる。

“真実の愛に巡り会えました!”
“全てが私好みの彼に出会えた!”
“◯◯のお陰で今最高に幸せ”

など嘘臭いセリフばかりの広告は
いつもならスルーするのだが
今日はなぜかフリックする手が止まった。

先週の金曜、仕事終わりに居酒屋で

「もう25じゃん?
私なんか焦ってマッチングアプリ
登録したわけよ。そしたら
結構イケメン多いね〜。」

25か…そうだよな。

逡巡して、気付くと

「 大学では文学部だったけど
読書は苦手です😂

好きな音楽はSuchmos😳
趣味合う方とお話できたら
嬉しいです〜! 」

勢いで登録していた。

大学時代もモテない方じゃなかったし、
友達と遊んだ時の盛れてる写真も
あったから、
比較的スムーズにマッチ。

新卒の頃思い描いてた
イケメン高身長高スペック
サラリーマンは見つからない。

けどプロフィール上なら
8割達成型サラリーマンを
割と高確率で見つけられた。

マッチしてメッセージのやりとりも
そこそこにLINEを交換。

月末に会う予定を控えて行う
LINEでのやりとりは、
つまらない日常に彩りを与えた。

予定が来週に迫った日曜日。

筆まめじゃない私は、
昨日の夜から返信を
途絶えさせていた。

嫌なわけじゃない。
自分のペースでやりとりしたいだけ。

送ったら
返信にもそれなりに期待しちゃうし、
自分の日常が崩されちゃうし。

夕方頃、ようやく
昨日聞かれてた夜ご飯の話に、

「昨日の夜ご飯は
オムライスを作って食べました😌
味に自信はないけど、
料理はたまにします!」

会わずして敬語を解くのが
苦手な私はいつも通り敬語で返信。

1時間後、スマホの通知音と
共にポップアップされた画面には
「お寝坊さん♪」と表示されていた。

その後の文章は読まずに消した。

断定と馴れ馴れしさが同居した
パワーワード。
いや、キラーワードと言うべきか。

Suchmosは
距離感の縮め方を間違えてしまう
オンライン上での恋愛プロセスについて
鋭く指摘した。

Good nightを迎える前に、
撃沈してしまう男性は
多いのではなかろうかと。



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