「サッカーが好き」で繋がる多様な仲間|東大ア式蹴球部女子
運動部員の生の声をお届けする「VOICE 東大運動部」。今回はア式蹴球部女子さんです!
主将の福田さん、主務の加藤さんのお二人にお話を伺いました。
(このインタビューは2022年6月に行われたものです。)
入部したきっかけ
【福田】小学生の時、休み時間にサッカーをして遊んだのがすごく楽しくて、サッカーチームを探した時期があったんです。
ただ中学校に入るとなかなか女子がサッカーをできる場所がなくて、結局中高ではサッカーをやることはありませんでした。
そして大学入学後、運動が好きなのでなにか部活に入ろうと思って運動会のホームページで部の一覧を見ていたときに、女子サッカー部があるということを知り早速春休みに体験に行きました。しかしコロナ禍だったので、入部したのは9月です。
【加藤】私もサッカーは小学生の頃からずっと好きでしたが、同じように小中学生の頃はプレーする場所がなくて全然違うスポーツをしていました。
しかし高校には女子サッカー部があったので入部して、ある時東大のア式蹴球部と練習試合をすることがありました。それをきっかけに東大に女子サッカー部があることを知ったので、じゃあ東大を受験してそこに入れたら良いかなと思い、実際合格できて入部しました。私もコロナの関係で、入部したのは2年生になってからです。
私のように高校の頃からア式蹴球部女子の存在を知っていて、そこに入るために入学した人は他にも何人かいますね。
【福田】私のような初心者は、大学に入ってから部の存在を知った人が大半です。
中高での部活
【福田】私は中高では卓球をしていました。
【加藤】私は中学校で陸上の長距離をしていました。でも小学生のときにはバレーボールや水泳をやっていて、サッカーとは遠いところにいました。
私たち2人はかなり運動をしてきたほうだと思うんですけど、そうではない部員も大勢います。高校までサッカーどころか運動もしたことが無い人も入部しているので、中高の部活は人によって本当に多様です。
練習日程・場所
【福田】授業期間も長期休暇も、練習は火・木・土・日の週4日です。平日は授業後、土日は午後にそれぞれ2時間練習しています。グラウンドは、基本は大学の施設を使いますが、木曜日は大学以外に文京区の施設も使っています。
また、文京LBレディースという文京区の中学生から社会人までが所属するチームと週2回(木・日)合同練習をしていて、(コロナの流行以前は)夏には合宿も合同でおこなっています。
文京LBレディースについて
【加藤】ア式蹴球部女子の部員は基本的に文京LBレディースにも入ることになっていて、その文京LBレディースはSチームとLチームの2つに分かれています。SとLは、練習は混合ですが、試合では別のレベルに出場します。
Lチームは都リーグの2部に所属しているレベルの高いチームで、Sチームは初心者も含めて年代や技術もバラバラな選手たちが平等にサッカーを楽しめる機会が設けられているチームです。
ア式蹴球部女子には経験者も初心者もいますが、それぞれが文京LBレディースにも所属することで、高いレベルでプレーすることも試合経験を積むこともできます。
【福田】Lチームは競技志向のチームをイメージしていただきたいです。一方Sチームは生涯スポーツというコンセプトが根底にあり、大人になってからサッカーを始めた方もいらっしゃって、コミュニティとしてすごく特徴的です。
なお、所属するチームは個人の意志で決められます。私は大学からサッカーを始めたので最初はSチームにいましたが、翌年からはLチームに所属しています。
主なリーグ・大会
【福田】関東女子サッカーリーグのCiEリーグに所属しています。(CiEリーグについてはこちらをチェック)
秋の本戦には7校の参加が予定されており、ア式蹴球部女子として出ているメインのリーグです。
また、文京LBレディースとしては都リーグに出ています。都リーグは6〜7月に始まり、夏休みを挟んで11月ごろまで続きます。
他には、2月に関東の大学が参加する国公立大会があります。
練習後やオフの過ごし方
【福田】平日は授業後に練習があり家に帰ると夜遅くなるので、課題をやることもありますが大抵は寝て翌日に備えます。土日の練習後は、部員たちとご飯に行ったりすることもあります。
【加藤】私は家で過ごすことが好きなので、課題をやったりサッカーの動画を観たりしてのんびりしています。土日の練習前後は部員や文京LBレディースの人たちとご飯を食べたりして過ごすことが多いです。練習のない日はインターンを入れたりもしています。
兼サー・アルバイトについて
【福田】兼サーについては、部活の時間とかぶらず個人のキャパがあれば問題ないということになっています。
今は部の執行代ということで忙しくあまり参加できていないのですが、1,2年生のときは卓球のサークルに入っていて、時間のあるときに参加していました。
【加藤】私は去年駒場のゼミに入っていて、あと今は週に1回飲食店でアルバイトをしています。
【福田】私はアルバイトとして時々母校の卓球部でOGコーチをしています。
【加藤】アルバイトをしていない部員のほうが少ないぐらいですね。
楽しかった/悔しかった思い出
【加藤】去年のリーグ戦は楽しかったです。私は去年の4月に入部したのですが、リーグ戦を通して毎試合ごとにできることが増えていくのを肌で感じて、次の試合に向けてみんなで一体になっていたのがすごく印象に残っています。
悔しいのは試合に負けることですけど、全体としてみるとそれも楽しかった思い出として昇華できるというか……
例えば先日(6/19)のプレシーズンマッチでの失点は自分のせいだなと思ってずっと反省しています。みんなには気にしなくていいよと言われますし、ポジション的にしょうがないところはあるのですが、自分の責任でもあったので悔しかったです。
でもこれも、全体を振り返ったときには楽しい思い出になるのかなと思います。
【福田】私は中学生になった時点で自分がサッカーをすることはないだろうと諦めてしまったので、大学生になった今、人工芝のグラウンドで週4日練習でき、大学から始めても公式戦に出られるという素晴らしい環境でずっとやりたかったサッカーをようやくできていることがとても楽しいです。
一方で、悔しかった思い出は去年のCiEリーグの学芸大学戦です。最初点を決められて、1点返した直後にまた失点し、最後は突き放されて1−4で敗れました。この試合はシーズン初戦だったこともありすごく記憶に残っています。負けた試合は毎回悔しいんですが、その試合の悔しさは特に強かったです。
【加藤】私はその試合に怪我で出られずカメラ係だったので、「私も出たいのにいいな〜」と思いながら指をくわえて観ていました(笑)。
サッカーという競技の魅力
【福田】個人的に私がサッカーを好きな理由として、コートが広くて人数も多く、色々なパターンがあるというのがあります。また足を使うスポーツはなかなか無いので、そのダイナミックさも好きです。
実は同じ足を使うスポーツとして、サッカーではなくセパタクローをやるかどうか迷ったんです(笑)。
また、サッカーは一つの要素で選手のレベルが制限されることが比較的少ないのかなと思っています。例えば足が速い選手ならそれを活かすし、ボールタッチが上手い選手は一対一のプレーを活かしたりと、それぞれの特徴を活用しながらチームとして戦っていけるのは競技として魅力的だなと思います。
【加藤】私は同じチームスポーツとしてバレーボールもしていましたが、それと比較するとサッカーは競技を構成する要素が多いのが面白いと思っています。
私は背が高いのでバレーボールではずっとネットの前に張り付いていたのですが、そこでは身長を活かしてちょっとジャンプするだけで強いと言われていました。あとは3回で相手コートに返さないといけないので、当然やり方は沢山あるもののある程度型は決まっています。
それと比べて、サッカーはまず11人の味方がどう動くかを考えるだけでも難しいです。ドリブルが上手い選手が一人いてもいいし、複数人でパスをつないでもいい。あるいはちょっと時間を作ってまた違う場所から攻め直してもいいですし、いろいろな選択肢があってみんながどれを選択するのかを考えるのが面白いです。
それらを踏まえた上で自分がどう動くかを考えなければならず、大学に入って思った以上にサッカーは頭を使うスポーツだということがわかってきて、それがどんどん分かるようになる途上にある今だからこそ、本当にサッカーって面白いなと思います。
今後の目標
【福田】私たちが執行代になってから、年のはじめのミーティングでCiEリーグ優勝という目標を掲げました。秋の本戦では、相手が格上だとしても最後まで粘って勝ち切ることが目標です。
あとは、ア式蹴球部女子は創部9年目なのですが、公式戦に出られる人数はいるもののまだ小さい部活なので、新歓に力を入れて人数を増やしていきたいです。
また個人としては、毎試合得点を決めて勝つことを目標にしたいです。
【加藤】個人の目標としては、サッカーが上手くなった実感がほしいというのがあります。大学に入って多くの労力をかけてサッカーに取り組んでいる以上、やはり成長したいです。
また自分たちは執行代なので、組織のオーガナイズも改善していけたらなと思います。
【福田】主将としての目標を付け加えると、部員の競技歴がそれぞれ異なる中で、現時点でのレベルを問わず上手くなれる部活にするために練習を充実させたいという思いがあります。
初心者の人に合わせるとすでに技術のある人は物足りず、逆に経験者に合わせすぎると初心者がついていけないということが起きてしまうので、そこの塩梅を調節しながらチームとして上手くなっていきたいです。監督、コーチからのアドバイスを吸収して上達につなげることはもちろん、部員同士でも高めあえる環境を保っていきたいと思います。
読者の方へのメッセージ
【福田】サッカーって初心者の人には敬遠されがちなスポーツという印象があるのですが、実際にボールを蹴ってみるとすごく楽しいと思うので、運動経験を問わずぜひ飛び込んできてくれたら嬉しいです。
【加藤】私も同感です。ア式蹴球部女子には誰でも活躍でき、誰でも楽しめる環境が揃っています。それは文京LBレディースのおかげでもあり、本当に人間関係が広がります。
色々なバックグラウンドを持つ人と楽しくサッカーができる場所になっているので、とりあえず一回サッカーを体験しに来てほしいと思います。
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