【記事メモ】AI時代、雇用守る「知恵と哲学」を#日経COMEMO #NIKKEI



気になった内容

――社会への打撃を減らす方法はありますか。

「少数の労働者が利潤を稼ぐデジタル企業がインフラ化した今、『見えざる手』を唱えたアダム・スミス以来の経済学を見直す時期だ。データを独占する企業の利益をいかに分配するか、知恵を出さなければならない」
――今、日本に必要なことは何でしょうか。

「明治以来、欧米をまねてばかりだった。イノベーションの表層でなく根本に精通し、100年先の国家像を見通す官僚や研究者を育てるべきだ。AIとうまく付き合うためには歴史や哲学に精通した為政者も欠かせない

何故気になったのか

以前「シン・ニホン」を題材とした高校生の読書会で、高校生と「データを独占する企業」について課題意識を感じたが答えが出なかったから。
今の時代ではAIがキーワードになっており、AIは「AI=データ×計算機×アルゴリズム」という風に表現でき、データ量が肝になってくる。現在データは検索エンジン等で強い「GAFA」が強く、もしここがデータを独占したら他の企業は抜けなくなる。結局は資本主義として会社の利益をおうのか、それとも世界の発展のためにデータは解放されるのか、そこには哲学が大切になってくると思われたため。

分からなかった用語

【為政者(いせいしゃ)】
為政者(いせいしゃ)とは「政治を執り行う人物、為政家、当局者」のことをいいます。政治家は「役職として政治に関わっているすべての人物」を指しますが、その中でも為政者は「政権を掌握している人物」を説明する際に使う言葉です。


【見えざる手】

「経済は自由な市場の競争に委ねればうまくいく=神の見えざる手」というように、世の中の解釈は誤解だらけのようだ。
しかしその後、巨大資本が大きな工場を建てて生産するようになると、生産量を増やした方が固定費を分散できて、コストが下がるようになりました。
そのように規模の経済、つまりスケールメリットが働くようになった段階で、経済を市場に委ねておけばうまくいくというスミスの世界からは離れてしまいました。
「見えざる手」が導くのは、経済が本来の形である農業、工業、商業という発展の順序に戻っていくことでした
国策としてまず貿易を保護しようとする重商主義は、経済の形を力ずくで歪めるものでした。
今の世の中では、人々に行き渡らせようとすれば行き渡るだけのモノはもう生産されています。
それなのに、モノを作ることに資本を投入し続けているので収益が低く、なんとかして付加価値を上げなければならないことが競い合い(Emulation)を独走させてしまっています。
不生産的労働で新たな仕事が増えて、そこに人が移っていく段階ではないでしょうか。
たとえば高齢化が進むなか、高齢者が安心して過ごすうえで心配がたくさんあります。今までにない仕事が必要になってきています。
そのようなサービスは小さな事業体の方が小回りが利きます。
スミスが想定したような、多くの小さな企業が活動する世界は、一巡して今の時代によみがえってきているのかもしれません。


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