衛星エンジニアが、シン・ウルトラマン「ゼットン」の軌道を考えてみた
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衛星エンジニアが、シン・ウルトラマン「ゼットン」の軌道を考えてみた

宇宙のはるちゃん

シンウルトラマン面白かった。
特に、一兆度の火球を吐けるゼットンは、ウルトラマンの数倍大きいはず。という空想科学読本の内容を再現し、超巨大なゼットンが軌道に配備されるところは個人的に大好きである。

ただ、ここで衛星エンジニアとして興味がむくむくわいてきたのが、ゼットンはどの軌道にいるのか?ということだ。

・ISSを思い出してほしい。ISSは高度400kmにあり、たまに日本からも良い時間に見えるということで観測されている方々がいる。そのISSでも、光の点にしかみえない。良い望遠鏡で太陽電池パドルがみえるかというレベルである。

・ゼットンは、日本から昼間でもしっかりと視認できていた。さらに、上空固定された場所にあるように見える。

・ウルトラマンVSゼットンのシーンでは、地球の大気が見えた。
地上100kmあたりまでくると、だんだん空が暗くなり、星も見えてくると言われている。
さらに上空、200kmのところまでくると、スペースシャトルが飛ぶ。
なので、ゼットンはこの100km~200kmの間にいたのだろう。

(日本のSLATS(つばめ)は低軌道衛星としてギネスを獲得しているが、高度180km~270kmを飛んだ。

次に、高度100~200kmで、ずっと日本上空にいれるのかという疑問だ。

宇宙空間は無重力ではない。特に、地球近傍で衛星がぐるぐると回り続けているのは、簡単に言うと、回り続けることで遠心力を発生させ、地上に落ちるのを防いでいるのである。なので、基本的に前述のISSのように、ほとんどの衛星は地球から見ると動いている。

ただ、静止軌道衛星というのがある。これは、地球の自転と衛星の(地球を中心とする)公転周期を合わせることで実現する。
静止軌道の高度は36000kmである。かなり、遠い。
(ちなみに常に日本上空に配備したい、通信衛星などに使われている軌道である。有名な日本上空を8の字に飛ぶ、準天頂衛星みちびきも、この静止軌道の近くを飛んでいる。)

ということで、やはり高度100km~200kmでは、衛星(ゼットン)は動かないと遠心力も発生させず、地球にどんどんひかれて落ちてしまう。


・・・ということで、ゼットンは日本上空に視認できる高さにあるが、今の人類の科学力での同様の再現は難しそうだった。

ザラブがスペシウムなんちゃらの応用でウルトラマンは飛ぶと言っていたので、それと同じ仕組みなのだろう。

滝君、早くβシステムを人類に広めてほしい。
いやいや、人類自身がが頑張らないとダメか。



なんか、ポポポポ以外のセリフ、無かったのはかわいそうだったな。


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宇宙のはるちゃん
宇宙系Youtuber/教育系Youtuberはるちゃんです。元NASAインターン生、今日本で宇宙の研究開発員 https://www.youtube.com/channel/UCHtVIEy6t0LpsizYmcV1AHg Twitter:@UtuberHaruchan