見出し画像

赤いリップの話

赤いリップを買った。

今まで私はナチュラルメイクが好きでそういう強めの色はあまり手に取ったことがなかったのだが、30歳にして初めて買ってみることにした。

大げさな理由ではなく、数日前に前撮りで和装をした際に「濃い赤もわりと似合ってんじゃーん」と我ながら思ったからだった。

とはいえ和装の時のような着物に負けない派手なメイクは日常ではなじみにくい。

私の持っている洋服たちも派手なテイストではないものが多い。

どんな服装に合うのかなーと考えたときに想像したのが、海外のセレブのような強めなメイクやファッションの女性たちだった。

意志の強そうな眉に主張の強そうな唇。強いずくめである。

元の顔立ちももちろん東洋人と比べて派手だから似合うのだろうけど、東洋人でもそうしたメイクをものにしている女性も少なからずいる。

自分がこういう路線に興味が湧くとは今まで想像もしなかった。

私が10代の頃に人気があった女性たちといえばモーニング娘。やエビちゃんで、20代の頃はAKB48や一部では森ガール(懐かしい)など。

“可愛い系”、“清楚系”、“男ウケ”、“ナチュラル系”などに分けられるカテゴリだと思う。

それぞれ特徴は違えど共通しているのは、“主張が強そうじゃないこと”だと感じる。

(森ガールに関して言えば突き抜けるとクセが強くて男ウケからは離れそう。私の偏見です。)

日本人男性の理想の女性像って根強くそういうものなのだ。

それが、愛されたい女性の理想の女性像にもなり流行を生み出している。

かくいう私も、外見的な理想の女性像を考えたときに思い浮かべるのは例えば昭和の女優のような清廉さがある女性だった。

黒髪で色が白くて華奢で汚れを知らない大和撫子・・・といった具合の。

今でもそういったイメージは綺麗だなと感じるけど、ここ最近は理想ではなくなってきた。

今の理想を具体的に言えば「目が痛くなるくらいメリハリボディで、髪は何色でもいいけどつやつやで、ちょっと押したくらいじゃ倒れなそうな力強さ」を感じる女性を素敵だなと思うようになった。

そういう人は自分とかなりかけ離れているのだけど、だからこそ憧れてしまう。

自分が心の病気をして心も体も不健康になったからというのは大きい。

どんな姿を美しいと思うかは人それぞれで、これが美の基準ですというものは存在しないと思う。

100人いたら100通りの美しさや憧れがあると思う。

だから私が美しいと思うイメージも誰かから見たらまったく憧れないものかもしれない。それでいいと思う。

今私が憧れているものがおそらく“ 強さ”と“ 健康”なのだ。

それも、内から弾け出すような。

打ちのめされてボロボロになっても立ち上がれる強さ。

自分を愛せる強さ。

まだまだ憧れには程遠いけど、赤い口紅を塗るだけならハードルはかなり低い。

今の自分も愛しつつなりたい自分になる過程を楽しめたらいいなと思う。

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?