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仮面浪人 その1 (理科大長万部キャンパスの闇)

英語の記事を書きますと最初に宣言しておきながらも、記念すべき最初のトピックは仮面浪人時代の話である。自己紹介の延長といったところだろうか。

タイトルにも入れた通り、今回は理科大の長万部キャンパスについてフォーカスしていく。

一言で言うならば"監獄"であろうか。入学前に思い描いていたキャンパスライフはそこにはなかった。

東京理科大学の基礎工学部の一年時は北海道の長万部というところで過ごすことになる(もっとも、令和2年度はコロナ渦の影響で1年次も葛飾キャンパスで学ぶことになったようだが...)。毛蟹と温泉で有名で、毎年開催される"毛蟹祭り"では観光客も多数訪れて街は賑わう。

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交通の要衝でRの室蘭本線と函館本線の分岐点でもある。国道はトラックがたくさん走っていてドライバーの休憩ポイントにもなっている街だ。JR貨物の列車が長万部駅に停車しているところもよく見かけたものだ(このあたりでは旅客列車よりも貨物列車の方が運行本数が多いように感じた)。

こうしてみると、なかなかの大都市を想像するだろう。これから記述するが、そのような幻想はすぐさま打ち砕かれることになる。

まず商業施設について、はっきりいうと何もないに等しい。あるのはセイコーマート、ラルズ(スーパー)、ツルハ、イエローグローブ(ホームセンター)、パチンコ屋、以上だ。あとはしなびた名ばかりの商店街があるが、繁盛しているようには見えない。街で見かけるのはもっぱら理科大生と老人である。人はほとんど見かけない。

長万部駅だが、普通列車はI日に数本しかない(そもそも普通列車で出かけていく先はニセコくらいしかない)。特急列車が大体I時間に一本来る。まあ北海道の中ではアクセスはマシな方かもしれない。一応要衝、新幹線の駅も将来開業するようだ。

長万部の悲惨な一面が少しでも理解できただろうか?

そんな長万部に理科大のキャンパスがある。当時の経営陣がふざけて作ったとしか思えない立地だ。伝え聞いたところによれば、"大学受験のダメージを癒してほしい"だそうだ。僕は長万部で精神に計り知れないダメージを追って鬱病を発症した。

長万部では全寮制四人部屋で過ごすことになる。これがまたとんでもない地獄である。生活リズムを他人と合わせなくてはならないし、照明を自由に消すこともできない。プライバシーは皆無である。唯一隠せるのは机の鍵付き引き出しのみだ。

コミュニティは大変狭く、一部の声の大きな人々が過大な影響力を持つ。抑止力となる上級生も存在しないのでイキリがちになる。ノリは高校の延長である。

土地はとても広いのに建物がとても狭い。食堂は決まった時間にしか開かないのだが、明らかにキャパシティが足りていなかった。混雑を嫌った僕は、終了ギリギリに残り物の不味い飯を食べた。やがて食欲は完全に消え失せ、三日に一回くらいセコマで買ったおにぎりを食べるだけになった。

GWに限界を迎えた僕は関東に逃げ帰り、欠席届をだし一ヶ月ほど療養を行う。この時、長万部にいないことがバレないように祖母の家に潜伏して、復帰に向けて葛飾キャンパスの図書館で勉強していた。英語学習の喜びに目覚めたのはこの頃である。

復帰後は2ヶ月弱は耐えたがそれでも限界を迎え、期末試験直前に脱走したのだった...

一応、こんな感じだった。他にもいろいろあるのだが、長くなったので今回はこれくらいにして、気が向いたらマンべ話をすることにする。理科大の学部改組で基礎工学部は先進工学部と名を変えて長万部に行くことになるようなので、最後のマンべ世代の記事は割と貴重だと思う。長万部は留学生向けの施設になるという話を聞いたことがあるが真偽は不明である。

それではまた次回



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