副作用は存在しない

薬を使用すると新たな不快症状が生じる場合があると述べましたが、この新たな不快症状と聞いて、それは副作用のことではないかと思う方も少なくないでしょう。
そして副作用については、説明書に書いてあるのだから、副作用の危険性については理解したうえで薬を使用しているのだから問題ないという声が聞こえてきそうです。
 
実は私はこの副作用という言葉を使うことは間違っていると考えています。
辞書的に副作用という言葉を解説すれば
薬が本来の目的とする作用以外の有害な作用
ということになるでしょう。
しかしながら、ある薬を使用することによって、その薬が人体におよぼす働きはすべて作用であるというのが私の考え方です。
もちろん、それぞれの作用において、その出現する確率は異なるのだから、副作用という言葉を使ってもいいではないかと考える人もいることでしょう。
しかし、薬がその目的とする症状の緩和などに有効に機能した場合を作用(一般的な薬の説明書には効能・効果と表記されています)と呼び、目的外の(多くの場合は有害な)人体におよぼす働きを副作用と呼ぶのは、ご都合主義と呼ばざるをえません。
 
薬が目的通りの働きをおよぼすことを効能・効果と呼ぶのなら、いわゆる副作用については
●%程度の確率で起こり得る有害な効果
とでもするべきではないでしょうか。
あるいはいっそ、そのものずばり逆効果と表現してもいいかもしれません。
しかしながら、薬の説明書にそんな言葉が書いてある例を私は知りません。
 
考えてみてください
「以下のような副作用が起こる場合があります」
という表現されている場合と
「5%程度の確率で、以下のようなあなたの体に有害な効果が表れる場合があります」
という表現されている場合では、薬を使おうとする人の受け取り方は、かなり異なってくるのではないでしょうか。
前者のように表現されていれば、あまり深く考えず薬を使用するでしょうし、後者のように表現されていれば、薬を使用するかどうか、大いに悩むことになるのが一般的な感覚ではないかと思います。
おおざっぱに言えば、表現しようとしている内容は、前者も後者も同じことです。
異なるのは後者のような表現であれば、薬の使用をためらう人が確実に増えるということでしょう。
ここにひとつの真実がみてとれます。
副作用という言葉は、薬の使用をためらう人を増やさないための便宜的な言葉でしかないということです。
ですから私は言うのです。
薬に副作用など存在しない
と。
 
<薬毒論より抜粋>
 
 
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