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権力勾配のある関係

権力勾配のある中での関係は、性暴力加害被害の可能性について、いつも考えてしまう。

私が放送局勤務時代に警察から性暴力を受けていたことは、以前noteにまとめ、昨年のフラワーデモ東京と長崎でスピーチしました。

https://note.com/utss2020/n/n03c367afe5ec


性暴力加害があった28年前、週刊誌に《女性記者が警察幹部にハニートラップ》というベタ記事を書かれました。

逆に男性記者が警察官に性的関係を強要されたら、男性記者がハニートラップという見出しは立たないでしょう。

女性記者が増え始めた約30年前から、警察から女性記者への性暴力は起き続けていて、効果的な対策は取られていません。取材現場でホモソーシャル、ボーイズクラブに過剰適応を強いられてきた現実も変わっていません。

先日、Twitterで流れた警察官と女性記者が不倫という記事、彼らの関係はもしかしたら、真摯な恋愛や新しい愛の形かもしれませんが、記事に書かれた女性記者も権力勾配による性暴力被害者ではないだろうかという、ざわざわとした気持ちになりました。

メディアが女性問題やハニトラという表現をすることが問題なわけで、私が女性記者に一方的に共感し過ぎるのは、良くないのですが、権力勾配の中での加害被害の可能性はいつも考えておかなければならないでしょう。

私は性暴力サバイバーとして、同じようにジャーナリズムの現場や教育現場で起きた性暴力被害者を支える活動の中で、

昨年、友人を通じて、ある有名ジャーナリストから性暴力を受け悩んでいる女性の告白を聞きました。

この女性が受けたセクハラも権力勾配、地位関係を利用したものでした。

この性暴力について、加害者の周囲の取り巻きも知っているにもかかわらず、凄いジャーナリストだと称賛する同業者が多く、Twitterでもこの加害者を尊敬する、神様の様な人と憧れをツイートする記者もいます。先日は、全国紙にもインタビューが大きく掲載されました。

性暴力の事実を知りながら加害者をメディアで権威として持ち上げるのは、性暴力二次加害です。

ジャーナリストとしての能力が高く、偉業があれば、セクハラなんて大したことない、被害者に落ち度があったのではと考える人もいますが、そのような考え方は、被害者の命を危うくします。

実際に被害者はフラッシュバックに苦しみ、周囲のサバイバーたちもフラッシュバックを起こし体調を悪くしています。

#性被害者のその後  でも語られているように、性暴力被害者が長年苦しみ続ける現実は、日本のジャーナリストの皆さんにも知っていただきたいです。

挿入まで至らなかったから被害じゃないと考える人もいますが、婚外の性的関係を求めたり、同意のないキスや抱きつき、身体を触る、騙して部屋に招き入れるなども性暴力です。これらの行為により、辛さのあまり命を失う人もいれば、PTSDで苦しみ、様々な心身の症状から、日常の生活が困難になる被害者も大勢います。

また、性暴力に関して、法律が整っていない現実もあります。

つい最近、全国紙に加害者が権威として取り上げられたことで、もうこれは、放置してはいけないと考えました。

問題の著名ジャーナリストに性暴力を受けた被害者を支援するチームは、現在、加害者を称賛するツイートを続けるジャーナリストの皆さんひとりひとりにこの問題を考えていただくようにお願いに回っています。

加害者の取り巻きのジャーナリストの皆さんの良心にお願いしています。

そして、加害者であるジャーナリストさん、私たち支援チームの動きが耳に入ったら、ご自身が行った性暴力を反省し、被害者に謝罪してください。

性暴力は、人権を踏み躙る行為です。どんな素晴らしい取材をして良い記事を書こうと、性暴力加害を行い、それを隠蔽して、被害者の自己責任にすることは、あってはならないことです。潔く、ご自身の行為を詫びて下さい。よろしくお願いします。

性暴力被害者に、「キスや触られただけで済んでよかった、被害が軽くてよかった」という言葉は、善意であっても、《性暴力二次加害》です。被害者を苦しめ、命を削ります。キスや触られる、性行為を誘われるという加害により命を落とすほど苦しむ被害者も大勢います。亡くなる人もいます。

最後に、このnoteを読んで下さった心ある皆さん、性暴力と二次加害を起こさない社会に変えていきましょう。

追記
事実に基づいたことを周囲の皆さんにお伝えすること、SNSに記載することは、違法行為にあたりません。誹謗中傷専門の最も権威ある弁護士に確認済みです。

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