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コロナが私にくれたのは

孤独、罪悪感、自己嫌悪

コロナは、私が何気なく過ごしていたあたりまえの毎日をガラッと変えてしまった。
キャンパスに行かなくなり、大学の友達と会えなくなった。一人暮らしをしていれば、家族にも会えず、部屋でただ1人パソコンに向かう。授業も就活もオンラインになる。Zoomを開き、授業を受ける。企業説明会に参加する。選考を受ける。
淡々としていて、無機質な日々が続いた。

課外活動も旅行も帰省もできなくなり、人に会わなくなってから私の中で1つ大きな変化があった。それは、"自分1人で"自分と向き合う時間が増えたということ。もともと自分自身と向き合い、考えることは多かったものの、かつては誰かに相談したり、周りの人と話す中で色々な考え方や価値観に触れたりと、誰かと一緒に考えることも多かった。でも、コロナが猛威を振るうようになってから、人と関わらなくなった。もっと気軽にSNSで家族や友達と連絡を取っても良かったのかもしれない。でも、私にはそれがあまりできなかった。友達にキャンパスで直接会っていたらちらっと相談できそうなことも、SNSとなると、どこか目には見えない謎のハードルを感じた。「ちょっと聞いてほしいことがあるんだけど」と打ちかけては「唐突だし、わざわざ送るほどのものじゃないか、」と消した。そうして、自分1人で抱え込むことが増えた。勉強のことも、就活のことも、何もかも。

自分で考えれば考えるほど、自分の凝り固まった思考でループにはまり、自分で自分を追い込んだ。課外活動は制限され、外出できなくなった今、コロナ前に比べて明らかに自由な時間は増えた、のに。時間はあるはずなのに。勉強も就活も他にもやることはたくさんあるのに。やることをやれていない自分。ゆるゆると時間を流してしまっている自分。勉強も就活も周りの人はすごいのに、何もかもうまくいっていない自分。苦しいことが溢れそうなのに、1人で抱えようとし続け、日々罪悪感に押し潰されそうになり、自分が心底嫌いになった。

私を受け止めてくれる存在との出会い

「就活イベントの情報、載ってないかな」と大学からのメールを何気なく見ていたある冬の日、あるイベントの紹介が目に止まった。

よもやま語らいゼミ
「何もできなかった日の罪悪感とどう付き合うか」

当時、この言葉に自分の心を覗き見られたような、複雑な気持ちを抱いたことを、今でもはっきり覚えている。気づけば私は、イベントHPのリンクをクリックし、詳細を見ていた。

このイベントでは毎回テーマを決めて参加者が自由に対話をするらしい。そして次回のテーマが「何もできなかった日と罪悪感にどう付き合うか」だったのだ。このテーマは私の心をぐさりと刺した。参加したい、と思った。けど、思いとどまった。当時の私はメンタルがかなりやられていて、イベントで話せる感じではなかった。そして何より、私なんかが発言してしまえばその場を重くしかねなかった。やっぱり参加はやめておこう。そう思っていた時、「何を言ってもいい」「ただ聞いているだけでもいい」というイベントルールがHPに添えられているのを目にした。
私は勇気を出してイベントの申込フォームを送信した。

イベント当日。そこには、どんなことを話しても受け止めてくれる空間があった。話さなくてもその場にいるだけでもいい空間があった。日々私と似たことを感じている人がいた。安心感がただただ凄くて、包まれるような心地よさがあった。そして、イベントを主催していた当団体「ピアサポートルーム」の存在を知った。
こういう活動がしたいと思った。

思い悩んでいる人を受け止めたいという想い

そのイベント直後、私はピアサポーターとして認定を受け、現在も活動を続けている。

やりたいこと:私みたいな人の力になる

ピアサポーターとしての活動初日、私が日記に綴った言葉だ。
しんどくても、自信がなくても、どんな人も萎縮することなくいられる場を作りたい。思い悩んでいる人に、私があの日感じた救われるような心地よさや安心を感じてもらいたい。そういう想いを胸に、現在私は、自分が救われたイベント「よもやま語らいゼミ」の運営にも関わっている。実際どれだけ力になれているかはわからないけど、もし力になれていたなら嬉しい。

コロナのせいで孤独を味わった。コロナのせいで苦しさが膨れ上がった気がする。でも、コロナのおかげで、それまで知らなかったイベント、団体、仲間に出会えた。コロナのおかげで、いろんな人と自由に対話できる可能性があることを知った。コロナのおかげで、それまではなかった新しい想いが芽生えた。そういう意味では、コロナには感謝するところもあると言っていいかもしれない。

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