高知の暮らし
こんにちは。
僕は今、高知で居候生活をさせてもらっています。
居候をしていることを人に話すとよく驚かれます。
やはり「居候」という単語が聞き慣れないものだからですかね。
どんな生活をしているかイメージがつかないということもあると思います。
本当は高知に着いてすぐ(4月)に近況報告といった形で暮らしぶりを伝えるつもりでしたが、なぜか気付いたら7月も半ばを過ぎました。
もう夏です、暑いです。
先日の豪雨では、僕が住んでいる地域でも十日ほど間も無く降り続き、驚きました。
すぐ近所の裏山が土砂崩れを起こしたものの、人の被害はなく畑も無事でした。
テレビで他の地域の様子を見ていると、もしも近くの川が氾濫していたらと考えてしまいゾッとします。
今更ではありますが高知での生活を綴ることで生存確認とさせていただきます。
どうぞしばしお付き合いください。
僕は今、高知県香南市野市町というところで居候をさせてもらっています。
家主夫婦ともう一人の居候と僕とで4人暮らしをしています。
この時点で既に普通ではない感じがプンプンしますが、この家にはとにかくたくさんの人が集まります。
先月まで家主夫婦が新婚旅行として歩きお遍路をしていたのですが、そのときは行く先々で気に入ったお遍路さんたちを次々と家に招待して(本人たちはいないのに!)、「美味しいもの食べさせてあげて」、「お風呂に入らせてあげて」、「布団で寝させてあげて」と言うのです。(実物はバリバリの土佐弁でしゃべります、未だになんと言ってるか聞き取れないことがある)
こんな感じの夫婦です。
旦那さんの家族が旅館とレストランを経営していて、その関係もあって地域の人たちとの繋がりも濃く深いものがあります。
地域の人たちとお花見。
そして毎年8月になると「かとり神社の夏祭り」のボランティアのために全国から70人近い旅人が集まります。
「かとり神社の夏祭り」は、地域の小さなお祭りなのですが、実行委員を務める旦那さんを中心に作り上げる、超激アツで子供たちの笑顔溢れる最高のお祭りです。
ちなみに僕も一年前にこのお祭りに参加したことをきっかけに居候をさせてもらうことになりました。
3月に大学を卒業した僕はリュックに荷物を詰め込んで高知に向かい、居候生活をスタートしました。
まず始めは畑の手伝いをしました。
あの時期は確か大根がよく採れたなあ。
毎朝寒い中、収穫しては冷たい水で洗って包装して、市場に出荷したり良心市に並べたり。
へごや余った分はお家で使います。
野菜に困ることはめったにありません。
農作業の中で一番印象に残っているのがキャベツの収穫です。
1ヶ月間くらいずっと毎朝6時に起きてバイト前の時間に軽トラの荷台がいっぱいになるまでキャベツを収穫するのです。
日を追うごとに収穫スピードが上がり、畑いっぱいにあったキャベツが少なくなっていくのが快感でした。
週末にはこんな格好で叩き売りをしていました。
さっきもちょろっと言いましたが、僕たち居候は家主さんが紹介してくれるバイトで生計を立てています。
僕はこれまでにトマト・さつまいも・生姜の農家さんや地域のイベントのお手伝いとして働かせてもらいました。
他にもお菓子工場だとか、普通に生活していたらやる機会がないようなことを家主さんが紹介してくれます。
高知県は時給があまり高くありませんが、こうして人手が足りていないところのお手伝いをしながらお金をいただけるのはありがたいことです。
24羽の鶏に餌をやって卵を収穫するところから一日が始まる。
バイトだけでなくボランティアとして活動することもあります。
竹とんぼなど昔のおもちゃを使って子供たちと遊んだり、愛媛県大洲市のお寺の片付けをしたりしました。
災害の現場で活動するのは初めてのことで、少し言い方は良くないかもしれませんが、良い体験をすることができました。
アホ犬、名前はキズナ。
ここに来て僕が変わったことと言えば、ちょっとだけだけど料理をするようになったことです。
毎晩みんなでご飯を作って、一緒になって手を合わせてから食べる。
いまどき当たり前ではないこういう時間っていいなあと思うのです。
ストーリーのアーカイブに、僕が高知に来てから作ったご飯がまとめてあります。(最近サボりがちですが)
家主さんは遊ぶのも大好きです。
月に一度は必ずボーリングに行くし、風呂上がりに突然車に乗せられたと思ったら競艇場に連れて行かれて1000円おごってもらったり。
4月には県外からも友達が集まって運動会をしました。
これは誰が一番早く前転だけでコースを一周できるかのレースをしているところです。
これは目隠しチャンバラをしているところです。
この前はみんなでUSJにも行きました。
お遍路で良かったお寺があればそこを案内してもらったりもしました。
こうして振り返ると毎日が新しいことばかりで全く飽きのこない生活を送らせてもらっているなあと思います。
そんな家主さんが居候を受け入れる上で大切にしていることがひとつあります。
それは、「新しい体験をして成長させること」です。
農作業、バイト、ボランティア、家事、何にしてもとにかくたくさんの新しいことを経験させてくれます。
僕たちは月1万円の居候費を納めていますが、それでも居候の運営は確実に赤字のはずです。
それでもなお人を喜ばせたいと、いろいろなことを与えてくれる家主さんだからこそ、こんなにもたくさんの人が集まる場所(人)ができているのでしょう。
僕はここに来ることができて本当に良かったと思っています。
さて、いよいよ一ヶ月後には第10回を迎える「かとり神社の夏祭り」があります。
こうして高知での生活を振り返ってみましたが、正直まだまだ楽しさの1/10も伝えきれていません。
百聞は一見にしかず、ぜひ一度高知へ遊びに来てみませんか?
もちろん夏祭りの時期でなくても構いません。
藁焼き鰹のタタキと美味しいお酒と素敵な笑顔が出迎えてくれるはずです。
追記:8/19放送の「新婚さんいらっしゃい」に家主夫婦が出演します。どんな風に放送されるか分かりませんが、気になる方はチェックしてみてください。
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